先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第53話 俺のホームにて③

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俺が色々考えている間に、めちゃくちゃ話が盛り上がっていて…

「もし、銭湯さんが ペイントの人が いっぱいはダメ~ってなっても、ワークスペース用の方なら 花見酒…ノンアルで~とか出来るかな~?って先パイと話しとって~」

「え~!それっ!ええやん!ええやん!!身内だけでSNS禁止とかでな~?」

「水着とかならOKかな~とは話したんです~顔出し無しで~とか~。ね?先パイ?」

「え?あ、ああ…そうそう…」

「え~っ?ホンマに~っ⁈嵯峨君 そんな事 思っててくれてた~んッ⁈ホンマ嬉しいわ~ッ!ありがと~ッ!!」

「嵯峨君~ナイスアイデアじゃな~い!それなら、ノンアルOKなら、参加したいな~!いつも、一人で神戸君のペイント見ながら自己満足で~妻と子にも見せても、俺の裸とか見たくない!が一番先に来るんだも~ん!人様に見せられる体じゃ無いのは重々承知だけどさ~?やっぱ反応とかコメント欲しかったんだよね~!」

「分かる~!一緒~!うちなんか、反応くれるの猫だけ~!でも、猫には分からないからな~…あ!でも鳥の絵の時は反応 良かった~笑」

「あはは!そこは、やっぱ猫なんだろね~?うちの犬は さっぱり…というか舐めたがるから、止めさせるのが大変でさ~」

と、あれよあれよ と言う間に、初回イベント開催が決定し…

今は10月になったばっかりで半袖…
やっぱり銭湯が恋しい 寒い季節が良いとなり

初回は、ずっと神戸さんに協力してくれた常連さん達や、この本屋に関係ある人のみの参加にしよう!となり

俺はもちろん、神戸さんも店長も一番良い結果となった。

やっぱり、常連さん達あっての 商売だからな。

この後、コイツは神戸さんから 歴代の俺のボディーペイントを見せてもらって…

本を買ってくれて…例の喫茶店に一緒に行く約束なんだけど…

「朝日君~!今日は奢るわ~!お蔭で良いイベント決まったし~っ!!」

「いやいや~!おじさん(店長)が ここは奢るよ~!お蔭で常連さん達が楽しめるイベント決まったし~。うちはイベントとか普段 何もしないからね~?客層があの通りだし、個人経営の店だしな~って思ってたけど、あんなに盛り上がってくれて~!今日は おじさんが奢るから~!あの喫茶店はコーヒー以外も美味しいよ~♪」

と言い、男だからかな?「ここは自分が奢る合戦」が起きたけど

店長の方がスマート…と言うか

パッと受話器を取り、喫茶店に電話して マスターに「俺の奢りで好きなの食べさせてあげて」の一手で決まった。

神戸さんは 次回に持ち越しで、俺らは2食分 得をした事になった。

アイツが本を選んでる間に、皆から「お兄ちゃ~ん♪♡」とか、いじられるから

「まだ 仕事中なので…」と、その場を離れ、まあ、もう特にする事は無いんだけど…

店内の本棚を拭きつつ周っていると、アイツが 一番上の棚の本を手に取ろうとしていて…

若干 手が届かなそうだったから…近くに行った。

本とか選んでる時に話しかけられたり、店員が近くに来るの嫌いだから 普段はしないけど…

たぶん、ギリギリ届かない…だろうからな…。

ジャンプしたら届くだろうけど…
コイツのジャンプ力も凄く気になる所では あるが…。

「届くか?」

「あっ いえ…ちょっと…脚立も見当たらんし…ジャンプしようかな~って」

「ジャンプ…は ちょっと…脚立持って来るより、俺が取った方が早いし。どれ?」

「あ、ありがと~ございま~す!それ、そのオレンジ色っぽいの~」

「ん、これ?」

「それそれ~!ありがと~ございま~す!これで狙っとったの全部~♪もうレジ行きま~す!先パイ レジよろしくで~す」

そう言って、何冊か買ってくれるようで…他人が読む本が どんなのか…って全員に思う訳じゃ無い…俺は。

うちのお客さんとか、電車で本読んでる…ちょっと小説とかに出てきそうな雰囲気ある人とかなら

どんな本読んでるんだろう、その本はどんなだろう、その本を読む人は どんな人物か…とか興味あったりするけど…。

店長とか常連さん、白石君が読んでる本は気になるし…。

でも、コイツは…また、別のカテゴリーというか?で…どんな本読むのか気になる。凄く。

この前は、海に関する本…俺もつられて興味が湧いて、ほぼ同じの読んだけど…今度は…?

俺がレジするから、買ってくれる本を持つ事にしたけど…

やっぱ、タイトルとか…裏表紙に書いてある 本の内容とかチェックしたい欲があるけど…

あからさまに、どれどれ、どんなの読むんだ?と、チェックするのもな…。

何か…ストーカーの 一種みたいな気がするし、長崎や宮崎みたいに明るく

「何々~?どんな本読んでんの~?」
とか言えない…というか、そんなキャラでも無いし…

そこまで 仲良いわけでも無いし…?

う~ん…と思ってる俺に気付いたのか…違うのか…分からないけど…

コイツは悪戯っ子な表情で 俺を見ながら

「先パイは「内緒」で「ノーヒント」が 良いんすかね?」

「え?」

「それ、その本は 全部ヒントになるんですけど~」

「え?これ?全部?」

「うん!第三者…何も知らん人が、資料とか読んで調べて書いたり、想像したのは どんなもんかな~っち思って~」

「それ、言うなよ?俺以外には…ここのメンバーにもダメだからな?」

「! ふふっ は~い♪」

「あ…、うん…じゃ、1階…レジ行くぞ?」

あ~…もぉ~~…超ダセェ~~…。

何?今の…俺か?俺が言ったの…?

はぁ~?マジで俺…??え~…?
どうしたんだよ…俺…

でも、絶対に一番に解明したいし…。

店長とか歴史に詳しい常連さん達の方が、100点に近い答え出すのは分かりきってるし…

つーか、小説家とか歴史家いるから…「新事実発見!」とか…「新作発表!」とかになりそうだし…そういう意味でも秘密にしとかないとな…

俺以外の方が…コイツの事 よく分かるんだろうけど…。

何か…それは…嫌だ…。

何で…かな…?

コイツ…俺の性格掴んだな…?

いや?あの6人の仕業か…?そんな気が…するけど…。

あー もう!クソ~!イライラする~…とか思うんだけど

不思議な事に、コイツには本気で腹が立たなくなってるな?

ホントに変な奴……。

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