先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

文字の大きさ
55 / 190

第55話 喫茶店①

しおりを挟む
自分に変なミッション…と言うかを課しつつ、3人で喫茶店へ向かう。

コイツは この前 自分だけ喫茶店に行けなかったから 一際 楽しみにしていたようで

もう お分かりだろう。比喩では無く、ホントに弾む足取りだ。

コイツがスキップとかしたら どんなか…凄い弾み方だろうな?

とか くだらない事を かなり真剣に考えつつ…俺自身スキップすらした事 無いくせに、何故かコイツは気になってしまう…。

何か…神戸さんにチラチラ見られてるし…気を引き締めないと。

西日本の人は テンションと言うか会話のテンポと言うかが、関東とは違うから

慣れないと言うか…すぐにテンポに乗せられて 持って行かれる感があるんだよな…。

そんな事 言っても、神戸さんとコイツしか知らないんだけど…この2人が特別?

喫茶店に到着し…本屋から数分だけど。

マスターが「電話あったからね~、好きなだけ食べて行ってね~!」と笑顔で言うと

コイツと神戸さんは笑顔で「は~い!♪」と元気よく(子供みたいな)返事をし、やっぱ西日本…

いや、この2人が似てるのか…?
とにかく、俺には出来ない。

メニューを見つつ、2人は ほぼ同じテンポで会話していて

コイツは 大学メンバーと話すより、会話のテンポが速いというか、合わせやすそう…?

やっぱ西日本同士だから?と、日本語…方言とかが 気になって聞き入ってしまう。

「朝日君~何食べる~?プリンは絶対なんやろ~?」

「はい!先パイがプリンの話しよったけん、それは絶対食べたくて~!」

「そぉかそぉか~♡「お兄ちゃん」の言うてたの 食べてみたいんやな~?♪」

「はい!あと、コーヒーの話も しよったけど…喫茶店やし…」

「コーヒー美味しいで~?この、マスターのスペシャルブレンドが人気やけど~」

「あー、コイツはコーヒーは あんまりで、苦いのは…な?無糖ならカフェオレくらい?」

「はい…ブラックは…俺まだ大人になれてなくて…!」

「あはは!大人て!分かるけど~♪ええて ええて~ 無理せんくて~ ジュースもあるんやで?こっちのページに」

「あっ!ミックスジュースあるッ!バナナジュースもッ!めっちゃ大好き~~ッ!!!」

「朝日君!!ミックスジュースについて語ろかッ⁈美味しいよな~!!でも!気ぃつけなアカンのは、ここのミックスジュースは関東風なんや。九州はどっち派…?」

「え?どっち派って…?え?ミックスジュースも違うんですかッ⁈」

「せやで!」

「も~!関東~ッ!どこが違うんですかっ⁈」

「一番の違いはッ!牛乳入れへんねん!!九州はッ⁈」

「九州は…知らんけど…うちは牛乳入れてます!!え?じゃあ、関東は…何が入っとんの…??先パイ」

「俺は飲んだこと無いから…なんとも…え?果汁と牛乳って…分離しない?」

「関東は果汁だけなんやで!朝日君!」

「え~ッ⁈マジっすかぁ~⁈衝撃!!つか、先パイ!バナナジュース分離してないっしょっ?それと同じです!」

「バナナジュース…」

「あっ?この反応!もしかして…っ バナナジュースも飲んだこと無いなっ⁈」

「バナナジュースも飲んだこと無いって…ホンマか…?嵯峨君…」

「あ…はい…」

「先パ~イ!今度 俺が作って飲ませます~ッ!ミキサー買おうと思っとったけん、丁度 良かった~!バナナジュースもミックスジュースも飲んだこと無いとか…!…あれ?じゃ、関東は…バナナ果汁?だけの バナナジュースってこと…?ドロドロ過ぎん??」

「あ~!そこは大丈夫やで!バナナジュースには、ちゃんと牛乳入ってるから!バナナ果汁って ふふっ ほぼゼロやん笑」

「ですよね~ッ?あ~ビックリした~!あははは~!関東衝撃過ぎ~!」

「ホンマやで~!あ~ 朝日君が居って良かったわ~!話分かってくれる~っ!ちゅーか、ミキサー買うん?結構 料理するん?」

「しますね~。やっぱ まだ関東の味に慣れんし、ホームシックにならんように 自炊し~?って家族と親戚の姉ちゃん達からも言われて~。地元の調味料とかも送ってくれるし~、やっぱ 食べ慣れたのが一番すね~。ミキサー買ったら~ 一番に先パイにバナナジュース作~ろっと♪」

「えっ…」

「ん?ミックスジュースが 先が良かった?」

「え…あ、いや、そうじゃなくて…気持ちだけで…」

「え~~っ?なんでぇ~っ?めっちゃ美味しいのにぃ~⁉︎」

「ふふっ な~?ミキサー買ったら、一番に お兄ちゃんに飲んで欲しいのにな~?嵯峨君~?」

「え…いや…だって、どうやって持って来るんだよ…」

「ん?…あ…水筒…も持ってないし…変色するしな…そう言われれば…」

「だろ?」

「そんなん、朝日君家に行けばいいやん?」

「あ!神戸さん!ナイス~♪」

「えっ!いや…ッ」

「ふふふっ…嵯峨君~ ふふっ 朝日君には弱いなぁ~?♡」

「え~?どうゆう事っすかぁ~???」

「何でも無い。つか、せっかくメニューにあるから、ここで バナナジュース飲むわ。ミキサーは、お前の好きな料理を作れ」

…あ、これ…もしかして、コイツの家に行った方が情報収集出来たんじゃ…

いや、いやいや、さすがに そこまですると 度が過ぎるな?

ストーカー並みじゃん?

それに…手作りジュース飲みに行くって、普通じゃないよな?

遊びに行く感覚?でも、家に行くほど 仲良く無いし…

それに、例の東京観光も参加して無いのに。やっぱ無しだな。

手土産とか持って行くかの マナー的なのも分からんし。

他人の手作り…とか、基本 絶対無理なんだけど…祖母以外。

学食とか喫茶店とかは…まだ別として。

最後に祖母の ご飯食べたの…盆か。

盆と正月以外は 基本自炊だからな。

でも、コイツの飯は気になる…お姉さん達のレシピもあるんだろうし…

変なのは入れないだろうし…

海で作ったの 皆 絶賛してたし…

「先パ~イ でも~ ミックスジュース美味しいんですよ~?つーか、メニュー真剣見よって聞いてないや~ん!」

「ふふふっ…嵯峨君はな~ ここでは食事系のメニュー頼むと、マスターがパセリ付けてくれるんやで~?特別に~」

「え?何でですか~?他の人には パセリ付かんのですか?」

「嵯峨君はな~、マスターが せっかく付けてくれるからて、一番最初に来た時から絶対残さへんねん。パセリはクセがあるし好き嫌いあるからな~。マスターは苦手な人には付けへんけど~」

「え~っ!先パ~イ!そうゆうとこッ!俺めっちゃ好き~!!」

「いや…」

「ふふふっ…!朝日君♡素直…♡「大好きな お兄ちゃん」やもんな~?♡♡♡」

「はいッ!」

「………」

神戸さんはニヤケが止まらず、マスターは 今までに無い状況で、どうした事かと(絶対 店長からコイツの存在は伝わってるくせに)テーブルまでやって来て

他のお客さんも丁度 居ないから、話しかけてきて…

絶対コイツが気になってて、しょうが無かったんだろう。もぉ…マスターまで…

「朝日君ていうの~?嵯峨君はね~パセリ食べてくれるんだ~いつも。朝日君は?嫌いなら料理の中からもトッピングからも外すからね?遠慮なく言ってね~?」

「ありがと~ございま~す!でも、大丈夫です!俺、パセリでソースとか作るくらい好きなんで!」

「えっ?本当に~?ソースとかも作るんだ~?料理よくするんだね~?OK分かった~、パセリは 嵯峨君並みに付けようかな~?」

「え~?朝日君はホンマに よぉ料理するんやね~?ミキサー買うのも分かるわ~」

「…食べた人の話では、絶品らしいですよ?魚とかも上手に捌けるんだもんな?」

たぶん…それ、そのソースは お姉さん達のレシピな気がする…から…気になる。

食べてみたい…。

コイツなら信頼できるというか、変なの入れないだろうし、料理の腕も保証付きだし…

食には全然こだわり無いし、グルメでも無いけど、コイツの料理なら…お姉さん達のレシピで食べてみたいな。

「え~っ?スゴイや~ん!」

「ホントにね~!凄いよ~魚捌けるなんて~!」

「いえ~全然~!ばあちゃん達に比べたら~!」

「そのパセリのソースは何に使うん?魚料理?」

「え~っと、何種類かあって~魚・鶏・豚・牛でも変えるし~、蒸す・茹でる・揚げるとかでも変わりますね~」

「え~っ⁈スゴイやん!本格的やんっ⁈食べてみたいわ~っ!!なっ?嵯峨君っ?」

「え?あ、はい」

「え~~っ?ホントですか~っ?先パイ!じゃ、俺 今度作ってきま~す!♪」

「あっ…えと…無理には…!」

「無理じゃないけんッ!!!」

「あ…そう?じゃ…」

つい、条件反射というか…やっぱ、この2人のテンポに慣れない。

でも実際 食べてみたかったし。

これは予感だけど…コイツを通して、遠隔操作的に?

お姉さん達に胃袋掴まれそう…。

ま、いいか。

あんな超美人に胃袋を掴まれる…なんて体験…擬似だけど。

相手が あのお姉さん達なら、経験しとくのも良いだろうと思える。

俺も変わったな…

いや、やっぱ 超美人に弱いって…

俺も普通の…年相応の一般的な男だって事か?

結構、食べるの楽しみに感じてるしな?

あの美人相手じゃ、そうなっても しょうがないか。

色々あったけど、所詮 俺もただの男だな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

【完結】君とカラフル〜推しとクラスメイトになったと思ったらスキンシップ過多でドキドキします〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートなど、本当にありがとうございます! ひとつひとつが心から嬉しいです( ; ; ) ✩友人たちからドライと言われる攻め(でも受けにはべったり) × 顔がコンプレックスで前髪で隠す受け✩ スカウトをきっかけに、KEYという芸名でモデルをしている高校生の望月希色。華やかな仕事だが実は顔がコンプレックス。学校では前髪で顔を隠し、仕事のこともバレることなく過ごしている。 そんな希色の癒しはコーヒーショップに行くこと。そこで働く男性店員に憧れを抱き、密かに推している。 高二になった春。新しい教室に行くと、隣の席になんと推し店員がやってきた。客だとは明かせないまま彼と友達になり――

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい

御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。 生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。 地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。 転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。 ※含まれる要素 異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛 ※小説家になろうに重複投稿しています

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

俺の妹は転生者〜勇者になりたくない俺が世界最強勇者になっていた。逆ハーレム(男×男)も出来ていた〜

陽七 葵
BL
 主人公オリヴァーの妹ノエルは五歳の時に前世の記憶を思い出す。  この世界はノエルの知り得る世界ではなかったが、ピンク髪で光魔法が使えるオリヴァーのことを、きっとこの世界の『主人公』だ。『勇者』になるべきだと主張した。  そして一番の問題はノエルがBL好きだということ。ノエルはオリヴァーと幼馴染(男)の関係を恋愛関係だと勘違い。勘違いは勘違いを生みノエルの頭の中はどんどんバラの世界に……。ノエルの餌食になった幼馴染や訳あり王子達をも巻き込みながらいざ、冒険の旅へと出発!     ノエルの絵は周囲に誤解を生むし、転生者ならではの知識……はあまり活かされないが、何故かノエルの言うことは全て現実に……。  友情から始まった恋。終始BLの危機が待ち受けているオリヴァー。はたしてその貞操は守られるのか!?  オリヴァーの冒険、そして逆ハーレムの行く末はいかに……異世界転生に巻き込まれた、コメディ&BL満載成り上がりファンタジーどうぞ宜しくお願いします。 ※初めの方は冒険メインなところが多いですが、第5章辺りからBL一気にきます。最後はBLてんこ盛りです※

猫カフェの溺愛契約〜獣人の甘い約束〜

なの
BL
人見知りの悠月――ゆづきにとって、叔父が営む保護猫カフェ「ニャンコの隠れ家」だけが心の居場所だった。 そんな悠月には昔から猫の言葉がわかる――という特殊な能力があった。 しかし経営難で閉店の危機に……
愛する猫たちとの別れが迫る中、運命を変える男が現れた。 猫のような美しい瞳を持つ謎の客・玲音――れお。 
彼が差し出したのは「店を救う代わりに、お前と契約したい」という甘い誘惑。 契約のはずが、いつしか年の差を超えた溺愛に包まれて――
甘々すぎる生活に、だんだんと心が溶けていく悠月。 だけど玲音には秘密があった。
満月の夜に現れる獣の姿。猫たちだけが知る彼の正体、そして命をかけた契約の真実 「君を守るためなら、俺は何でもする」 これは愛なのか契約だけなのか……
すべてを賭けた禁断の恋の行方は? 猫たちが見守る小さなカフェで紡がれる、奇跡のハッピーエンド。

僕の恋人は、超イケメン!!

BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

処理中です...