先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第58話 喫茶店④

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こんな事 言うのは、不本意ながらも…
アイツと楽しく…話しながら帰っていた頃。

喫茶店内では 俺らについて、熱いディスカッションが始まっていて

俺らの姿が見えなくなってから話し始めようとしていたのだが

中々 店の前の横断歩道が青にならず、窓からチラチラと俺らをチェックしていて(いい大人が…)

まだかまだか?と青になるのを、俺らよりも待っていた所に

先ほどの「今日何食べたい?」の話を聞いていた常連さんが喫茶店に飛び込んで来て、知り合いばかりな事を確認するや否や

「ビックニュース!嵯峨君と可愛いアイドルみたいな男の子がね~!聞いて~!嵯峨君笑ってた~!口角上がってたんだよ~っ⁈」と号外並みの勢いで報告し

自分が一番のビックニュースと思い、自慢げにしていると

店内の全員が新着情報に「それでっ?それでっ⁈一緒に食べるってッ⁈」と入れ喰い状態だったが

すぐに俺の言葉「疲労」にピンと来て大笑いし

何故 笑ってるか 分かって無い、その今来たばかりの人に はじめからの流れを一から百まで説明して…

「わ~っはっはっはっはっ!!!嵯峨君でも、朝日君には手を焼くと言うか 勝てないね~⁈朝日君は凄い!!!」

「ホンマに!!あの熱量というか!!サラッと王子様発言というかの連発!!!惚れてまうわ~!!並の人間なら~!!!」

「本人無自覚というか、いつも…大学でも あんな感じなんだろうね~⁈柔道部と合気道部絞めたって…気合いの入り方違うわ~!!!」

「小柄で 顔はあの通り 可愛い系イケメンだけど、中身はゴリゴリの漢だね⁈学生時代の番長とか総長思い出したよ~!!!」

「え~?っていうか、九州男児ってやっぱ熱い?よね?あれが通常運転なわけでしょ~?嵯峨君も変わるはずだよ~!最近ちょっと変わったかな~?って感じてたけどさ~?原因は あの子だな~?ふふふ!」

「今日もさ~、自分の分を朝日君にあげてたでしょ~?あれビックリした~!初めて見た~。神戸君 見たことある~?」

「ないない!あれ、僕もビックリして~!嵯峨君シェアして食べること無いもん!「ちょっと ちょうだい?」って言ったら「どうぞ」って気前良くくれるけど、自分から「食べる?」とか聞くタイプじゃないし~!いつも、同じようなメニューばっかで 冒険とかせえへんタイプというか~」

「そうそう!うちでも 気に入ってくれてるメニューを代わり番こに食べる感じでね~?気分によって 何食べようかな?みたいなの無いタイプだよね?それに たぶん、今日のも、自分が食べたいんじゃなくて、朝日君が好きそうかな?って思ったメニューじゃない?」

「あ~!それ!僕も思いました~!アイスの話も驚いたんですよ~!半分こって!嵯峨君本人は慌ててたけど~笑 ふふふっ 慌ててる嵯峨君も超レアやけど~!」

「ふふふっ あれね~?朝日君との対比が面白かったよね~っ?きっと我々が ソフトクリームみたいなので半分こしてるのを想像してるんじゃないかって思ったんだろうね笑 くくくく…!」

「絶対そうですね?嵯峨君がアイス半分ことか、我々が想像するのは、きっちり半分になるような2人用?というかモナカのとかね?パキッと割れるようなので想像してるんだけど笑」

「ホンマそれです~!でもビックリしたんは、嵯峨君て「頂戴」って お願いしたらくれるけど、「お返しにちょっとあげるね?」には「大丈夫です、お気遣いなく、お気持ちだけで十分です」のタイプやのに…自分が「人から貰う」ってせえへんのに。僕とか店長相手やったら年上やし空気壊さんように、「じゃ頂きます…」って感じやけど。たった7粒の あの量で半分こしてるとか思いもせんかった!!」

「お~ 嵯峨君て そんな感じなのか~。分かる気がするな~ でも、あの朝日君には通じないねぇ~?今まで通りに行かなくて…未知の生物扱いなんじゃない?」

「いや~ホンマに それですわ!全く読めへんって 言うてましたもん!苦手な感じ とか夏には言うてたけど~ ねぇ?♡」

「ふふふっ 今は違うね?本人は気づいて無いかもだけど…ね?」

「本当に。自分の顔は自分じゃ見えませんから?♪」

「ふふ、ホンマ いつ気づくかなぁ~?朝日君といる時、口角上がってんで~?自分~♡♡♡」

「楽しみだね~?朝日君て…子犬の皮を被った狼…いや、ライオンくらいの 肉食獣な気がするけど~。嵯峨君にも同じ匂いを感じてるんだけど?」

「あー、それ思う~っ!」

「ふふ、ま 我々は静かに 青春の輝きを分けてもらって、見守るとしましょうかね?2人とも、外見とか表面上の事だけじゃ無くて、内面とか本性を見てるタイプと思いますけどね~」

そう、マスターが締め括り…イベントの事とかもあって、何と全員閉店時間まで居たのだった。

自由な大人達だな…。

そんな事になっているとは露知らず、せいぜい神戸さんに今までの流れ…

夏休みくらいからのを聞いてるぐらいで、後は皆 優雅にコーヒーを飲んでるもんだと思っていた。

アイツが帰り際に 絶対美味しいメニューというか…を話したもんだから…

もう それを食べたいと思ってしまって…今までは冷蔵庫にあるもので作ってたのに

わざわざスーパーに寄って帰る…という始末。

全くもって自分らしく無いにも程がある…が、その具材の組み合わせは どう転んでも旨いやつだしな…。

ちなみに 味付け方法まで聞かなかったから…

俺の料理レベル…家庭科の調理実習時間に使う、教科書と一緒に購入するレシピ本のメニューのレパートリーしか無いから

それらの具材で豚肉なら…生姜焼きしかない。

昼飯が遅かったし、かなり食べたから夕飯はあんまり…と思っていたら、自分でも驚くほど食べた。

過去一 旨い生姜焼きを作ったかも 今日。

アイツは…生姜焼き?でも 色々なタレとかを作れるみたいだし

同じ具材でも、全く違う料理かもだな?どんなの食べてるんだろう?

初めて他人の夕飯が気になるし、レシピとか自炊する料理の話が気になるんだけど…。

明日は日曜…月曜に…まだレシピが気になってたら聞いてみるか…

明日は何か どっか仲良しグループと長崎達とかと行くって言ってたっけ?

俺はバイトがあるし、無くても自分の時間が一番大事だから 誘われても速攻で断るけど。

アイツは ちゃんと、自分の時間と折り合いつけながら交友関係も保って…

あの、夏休みの日以来 自分で良いバランス見つけて やれてるじゃん?

もう、俺が居なくても大丈夫そう…だけど…秘密の解明のためには、今の距離感をキープしたいし…

お兄さん達からもメッセージカード付きでお土産もらったし…

まあ、現地保護者とまでは…いかなくても、プールの監視員的なポジションくらいで…?

うん。そのくらいしとけば良かろう…?

この貰ったお土産は 明日食べるとして、この達筆過ぎ、雰囲気良すぎな メッセージカードをどうするかな?

神戸さんは「捨てるんなら 僕にちょうだい!!」って言ってたけど

写真立てとか買って 飾っとくレベル?
…でも、文面が「うちの子よろしく」だしな…。

と、机の引き出しに仕舞っとく事にした。

今日は色々あったな~…と思いつつ眠り、次の日バイトに行くと

店長と神戸さんがアイツのお土産を肴にガンガン酒を飲んでて、全く使い物にならず…

白石君は課題が忙しいから 2週続けて来ないし…

この二日酔いでも 出勤して来たことを評価すべきか…?

いや、これなら居ない方がまだ…

結局、俺1人で全部するんだし…申し訳なさそうに2人が蚊の鳴くような声で「ごめんね~…」と定期的に言うから、余計気を遣う。

もう、帰るか 休憩室で寝てて欲しい…。
とか思うあたり…やっぱ俺には、優しい対応とか思い遣り的なのは無理だな。

これは、俺が知らない事だけど、喫茶店での俺とアイツのやり取りも 立派に肴の一つになっていたらしく…

もちろん店長にも周知され 皆でハイテンションのまま飲み明かしたから

今頃マスター達も 絶賛二日酔いのまま仕事中…

1月にイベントをする 主要メンバー全員が、はじめの第一日目から撃沈だ。

そんな感じで、(知らない事もあるけど)日曜日が終わり…

お兄さん達がくれた お土産を白飯で大変美味しくいただき

これを酒で迎えうった人々が二日酔いは致し方なし…かな?酒飲んだこと無いから分かんねぇけど。

…まだ、アイツが昨日の夕飯何食べたかが気になるし、お土産貰ったんだから もう一度、お礼と美味しかったって伝えるべきだよな?

そこまでが、お土産貰った時のルールというかマナーだよな?きっと…。

んでもって、その時ついでに 土曜はホントに あの時言ってたメニューを作ったかをサラッと聞いて…

…何で俺 明日アイツと ちょっと話すのシナリオ考えてんの…??

アイツと話すとボロが出る…というか持っていかれるしな…連れと漫研の前では特に気をつけとかないと…!

あのお土産は おそらく俺宛ての分だけだっただろうから、他のメンバーには 内緒な感じで言って…

と、たった これだけの内容なのに、受験前日より入念に あれこれ考えてるんだけど…

俺って馬鹿?極度のコミュ障…???
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