先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第59話 引き金?①

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月曜日、いつも通り…と思ったら 少し…様子が違って

学内がザワザワしているというか…?
と思っていたら、登校してすぐに 連れ2人に捉まって

興奮しながら 2人が話すことには

昨日 アイツといつものメンバーで出かけた時、帰りの電車内で 見知らぬ女子達が酔っ払いに絡まれていて

相手は かなり治安悪い系っぽかったから、周りの乗客達…

特に…助けに入らなきゃ?な(性別が 一応)男(だから そういう役割だよな…?)達は、どうしたものか⁈俺か?俺らが行かなきゃなのか⁈

と乗り合わせた男達全員、目で会話し…

そりゃ、知人でも無いのに そんな治安悪い系に立ち向かうとか…自分に被害あったら…とか思うわな…

でも、確実に 運転士さんだけじゃ何とか出来ない人数とガラの悪さで…

ここは数の力で…?といつものメンバーの男子(10人くらい)が思っている所に

隣の車両から現れたのは 何とアイツで…皆が「えっ⁈」となった。

何故かと言うと、アイツは別方向の電車に乗ってるはずだったからだ。

さっきホームで バイバイってしたよねっ⁈と思ったけど、実際の戦闘力は知らんが、この場で これ以上の救世主はいない…!!と思っていると

何と アイツの後ろから…うちの大学の空手部と柔道部の数名もついて来た⁈

これは!本当にナイス人選!!!神様!!ありがとうございます!!(お蔭様で 自分達が行動しなくても よくなりました!!!とは 心の中でしか叫べないけど)

これで、自分達も あの女子達も助かったも同然!!!と思った。

アイツらは 一瞬で状況を理解…というか、誰が見ても 一目瞭然で

男達がデカい声でナンパしてるし、女子達は明らかに嫌がって 涙目で震えながらナンパを断っているし。

車両内の人の目が…ナンパをしてる男達以外の目が…絡まれてる女子達からも「お願い助けて!!!」と、今 来たアイツらにメッセージが伝わった。

「はぁ~…本当に治安悪りぃな…東京は…」そうアイツが言うと

ナンパ男達が 一斉にアイツの方を見て、代表が1人アイツに向かった。

後ろに居る柔道部達とは 距離感あったし、全然テイストが違うので 仲間とは思わなかった?

それか、かなり酔っていて そこまでの把握が出来なかったんだろう。

自分達に対して 苦言を呈したアイツに一直線にやって来たのだ。

アイツは微動だにせず、胸ぐらを掴まれ…るかと皆が思ったら

逆に男の手を一瞬掴んで ポイっと男を脇に捨てた。

余りにも一瞬で、すれ違いざまに 男が勝手に転んだのかと思った程だが

きっと アイツが何かしたんだろうと思うしかない。

アイツの事を知らない人間からすれば、酔っていて 足に来てるんだろうな、走行中の電車内だしな?と思うだろう。

その証拠にナンパ男達は「アハハ!ダッサ!何 転んでんだよ お前~!」と笑ってるし…

でも、不思議な事に…転んだ男は立ち上がって来ず…うずくまっている…。

「吐きそうなら、次で降りたら?」とアイツが言うと癪に障ったのか

「勝手に指図すんじゃねぇッ!!」と仲間達が全員突っかかって来て、女子達から離れたので

アイツが目線で「そこ(ドア近く)から離れて遠くに行っとけ」とすると

女子達はハッとなって、コクンと頷き 連れ達の横を通り 別の車両へ…と思ったけど

何も関係ないアイツが 自分達を助けるために酷い目に遭ったら…と良心が咎め、連結部の所で見守った。

「おい!女の子達が逃げちゃったじゃねぇか!どうしてくれるんだよ!!!」

「責任取れ!!次の駅で降りろや!!」

等と うずくまっている奴以外の 全員で凄んでいるが、アイツは眉一つ動かさず

「次の駅で全員降りるん?」と返し

無駄にデカい声で「そうだよ!お前もな⁈」と喚き

車両内の乗客は震えてたけど、アイツは普通に「降りるんなら、その床で寝とん人 起こしたら?」

アイツが あまりにも普通だからか、どんどん怒りのボルテージが上がっていくのが分かった。

しかし、アイツの言う通り 床で寝てる(と思ってる)仲間も連れて帰らないといけないから

起こそうとするけど、自力じゃ立てず…顔色も悪いので 両脇から肩を貸すことになり…

全員酔ってるから、誰が支えてもフラフラで…

結局 両脇から支えてるから、5人中3人が戦力外な訳だ。

まもなく次の駅に着くから「おらァ!お前も降りろやぁッ!!」と戦力外通告されてない?2人が アイツの腕を掴んだけど

アイツは冷静に「いや、この3人が先に降りん事には さ?ドアの所 塞いどんやん?先降りて~」と、これまた普通に言うので

凄んでて悪態ついてる連中の 負け犬の遠吠え感と言うか、器の違いと言うか、力量、レベルの差が誰が見ても一目瞭然。

アイツが遥か上だった。

癪に障るが、確かに このドア前の3人を先に降ろさない事には…自分達も降りれない訳で…

渋々アイツの言う通り…プラン通りに掌の上で転がされないといけない。

人間 言う事に困ったら「別に この駅じゃなくていいんだよッ!!」と幼児の様な言葉しか出ない。特に酔ってるし?

「え?この駅じゃないなら、いつも どこの駅 使いよんの?」と これまた腹立つ程に普通なので

男達はキレ散らかして、いつも使っている最寄り駅とかを喚き散らした

「え?じゃ、何で この駅で降りるわけ?どっかこれから行くん?」

「分かんねぇのかッ⁈アホかッ⁈お前をぶっ潰すから!!早く降りてぇんだよッ!!!」

「あ~ なるほどな~?OK~あ、ほら、ドア開くで?前見て~転ぶで~?」

「うるっせぇなッ⁈分かって…あ…⁈」

アイツはしれっと、ノーモーションで足を払ったというか…バランスを崩させた?ようで

戦力外3人組は、そのままホームに手も付けずに…受け身を取れず、シシャモの様に3人が肩で連結された格好で転び…

スゲェ痛いだろうな…と見ていた乗客は思った…モロに顔面から…

大の男3人分の体重とか衝撃が来そうな…

一応、戦力外通告されてない2人はというと、ずっとアイツの腕を掴んで睨みつけていたから

アイツが足を払ったのが 分からなかったようだ。

体幹がしっかりしているからか?それとも、大人しく歩き始めたと思ったのか?

とにかく、3人が転んだのを アイツの所為だとは全く思って無い言動で

アイツの腕を離し、パッと転んだ3人に駆け寄った。

アイツは「鼻血とか口とか切れとんな~ はい、ティッシュやる」とポイっと投げ渡し

本当に 間抜けにも程があるというか…

「おっ!サンキュー!」と戦力2人が言い…

「あんさ?言い忘れたけど 俺この駅じゃねぇから、バイバイ」そう言って電車の扉が閉まり出発したのだった。

あまりの手際の良さというか、スマートさに皆が「ほぉおお~♡」となり

アイツは通常運転で「先パ~イ、皆~ 聞きたい事あって~」と連れ達の所にやって来て

「あの~ どの駅で降りたら、さっきの俺が乗る予定やった 電車の駅に戻れるか知っとん~?」と

さっきの事が無かったかの様に言うので…車両内の全員が「あれ?今のは幻??」と思う程であり…

身内はハッとなり「あれ?何で この電車に乗ってんのっ?さっきホームで別れたのに??」と聞くと

アイツは少し困った様な 難しい顔をして、後ろから来た柔道部達を チラ見しつつ 話そうとすると

助けてもらった女子達が駆け寄って来てお礼を言い始めた。

まあ、そりゃそうだよな?それが正しい。

そして、女子達の頬は赤くなって、さっきの怯えた様子からは一転、瞳は さっきとは別の意味で潤んでいる。

これまた そりゃそうだ、君達の気持ちは正しい。

こんなアイドルの様なイケメンからピンチを助けられたら そうなるさ!!

と、アイツ以外の車両内の全員がそう思った。

もちろん身内も、たまたま乗り合わせていただけの おじさん達に至るまで。

そして、その おじさんの1人が 今度のイベント参加予定の人であり、世間は狭いとは この事だ。

「あ~、大丈夫でした~?さっき言ってましたけど、よく使う駅を。あの人達とまた会うかもなんで、あんまり使わない方が良いかもです~」

「あっ!はっ はいっ♡♡♡」

「じゃあ、気をつけて帰ってくださいね~」

「えっ?あっ あのっ!」

「ん?」

「えっとっ!あの!お礼を!させてください…!」

「この後一緒に…食事とかは?」

女子達は頬を染め、輝く笑顔でそう言った。

同じ車両の全員が、ああ~♡分かるよ 分かるよ~!そうだろうね~♡と思っていたのに…

アイツは別の惑星の人間か?最強の空気読めないタイプか…わざと…か……??

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