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朝
二話 よう、俺が娘の使い魔だぜ?
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「アリス、使い魔の召喚は終わったの? ていうか、なんで肩にたわし乗っけてるの」
少女はうなだれながらたわしを肩にのせて、両親の待つリビングへと戻った。リビングにはアリスと呼ばれた少女の両親が椅子に座っていた。父はさえない男で、母は背は小さいがかわいらしい印象の女性だ。たわしの精霊を召喚した少女[アリス]は疲れ果てたかのように、椅子に座るや否やテーブルに突っ伏した。父は心配そうに声をかける。
「おいおい、アリス大丈夫かい? 使い魔の召喚に失敗したのかい? 魔法使いの血が流れてない家系なんだから無理しなくてもいいんだよ?」
「うっせぇ、俺が使い魔だ! 俺はたわしの精霊! よろしくな!」
アリスの肩から落ちたたわしが突如叫びだした。驚きのあまり父は椅子から転げ落ち、母は椅子から立ち上がり両手で口を押えるとと異形のものを見るかのような目つきでたわしを凝視する。アリスは力なく上半身を起こし、落胆した様子で
「あー……うん、一応使い魔の召喚は成功したんだ……でもね、犬とか猫とか生き物じゃなくて、出てきたのがたわしの精霊だったの……はぁ」
と言うとアリスはもう一度深くため息をつく、そしてたわしを眺める……たわしは視線に気づいたのか、アリスに向かって細い指でサムアップを向けると極上の笑顔を作った。それを見てアリスはさらにため息をついた。
「た、たわしの精霊……? 四大元素や光と闇以外に精霊なんていたのね、しらなかったわ……ア、アリス落ち込まないで? ママは応援してるから。ね、トランプ」
「当然だともキャロット、僕たちの愛するアリスだもの。たとえ使い魔召喚が失敗だとしても僕たちの最愛の娘である事は変わりないさ」
母の名はキャロット、父の名はトランプ。トランプは体を起こし椅子を起こし再び椅子に腰かける。キャロットは先ほどよりはリラックスしているものの、たわしを凝視している。会話を聞いていたたわしの表情は険しい。
「あんたらなぁ、黙って聞いてれば好き勝手いってるが……俺を召喚したのが失敗だっていうのか?」
「違うの?」
アリスとキャロットとトランプは同時に声を上げた。当然だ、通常の使い魔といえば動物が9割以上を占めている、極稀にモンスターであったり四大元素や光か闇の精霊であったりもするが、生活用品が命をもって使い魔になることは一般的に知られている歴史上ありえないからだ。それがゆえに3人はたわしの存在そのものを失敗と定義する。しかしたわしは腑に落ちないようだ。
「そもそも人間と話せるたわしってすごいと思わね? よく考えてほしい、他の使い魔どもは主人と同種族との意思疎通しかできないだろう。俺は人間の言語を理解し! そして意思疎通できる! どうだ!!」
たわしがこぶしをにぎり力説する。さらにたわしは気分が乗ってきたようだ。
「そして俺の魔力量はインフィニティー……無限だぜ! マスターの魂の美しさに俺は呼ばれたんだぜ?」
たわしは良い顔をつくりサムアップと決め顔をアリスに向ける。しかしアリスは盛大なため息をついた。そして怪訝な表情を浮かべる。
「意思疎通できるのはすごいけどさ、魔力無限とか嘘くさいんだけど……」
「疑うか……いいだろう、おばさん! ちょっ」
おばさん……その言葉を発するや否やキャロットは無表情で突如たわしを握りしめ自分の顔の近くにもっていく。
「おば、さん、だってぇ? 魔力無限だか精霊だかしらないけど言葉に気をつけなさい? 次言ったら針金ほどいてゴミにしてやるからね」
アリスとトランプはアチャーという顔をしている。どうやら禁句だったようだ……たわしは顔を青ざめた様子で
「いいすぎました、以後注意します。本当にごめんなさい」
ならよろしいと、キャロットに笑顔が戻り、たわしは無事テーブルに帰還することができた。以降おばさんという言葉を二度と口にすまいと、心に誓ったたわしであった。
少女はうなだれながらたわしを肩にのせて、両親の待つリビングへと戻った。リビングにはアリスと呼ばれた少女の両親が椅子に座っていた。父はさえない男で、母は背は小さいがかわいらしい印象の女性だ。たわしの精霊を召喚した少女[アリス]は疲れ果てたかのように、椅子に座るや否やテーブルに突っ伏した。父は心配そうに声をかける。
「おいおい、アリス大丈夫かい? 使い魔の召喚に失敗したのかい? 魔法使いの血が流れてない家系なんだから無理しなくてもいいんだよ?」
「うっせぇ、俺が使い魔だ! 俺はたわしの精霊! よろしくな!」
アリスの肩から落ちたたわしが突如叫びだした。驚きのあまり父は椅子から転げ落ち、母は椅子から立ち上がり両手で口を押えるとと異形のものを見るかのような目つきでたわしを凝視する。アリスは力なく上半身を起こし、落胆した様子で
「あー……うん、一応使い魔の召喚は成功したんだ……でもね、犬とか猫とか生き物じゃなくて、出てきたのがたわしの精霊だったの……はぁ」
と言うとアリスはもう一度深くため息をつく、そしてたわしを眺める……たわしは視線に気づいたのか、アリスに向かって細い指でサムアップを向けると極上の笑顔を作った。それを見てアリスはさらにため息をついた。
「た、たわしの精霊……? 四大元素や光と闇以外に精霊なんていたのね、しらなかったわ……ア、アリス落ち込まないで? ママは応援してるから。ね、トランプ」
「当然だともキャロット、僕たちの愛するアリスだもの。たとえ使い魔召喚が失敗だとしても僕たちの最愛の娘である事は変わりないさ」
母の名はキャロット、父の名はトランプ。トランプは体を起こし椅子を起こし再び椅子に腰かける。キャロットは先ほどよりはリラックスしているものの、たわしを凝視している。会話を聞いていたたわしの表情は険しい。
「あんたらなぁ、黙って聞いてれば好き勝手いってるが……俺を召喚したのが失敗だっていうのか?」
「違うの?」
アリスとキャロットとトランプは同時に声を上げた。当然だ、通常の使い魔といえば動物が9割以上を占めている、極稀にモンスターであったり四大元素や光か闇の精霊であったりもするが、生活用品が命をもって使い魔になることは一般的に知られている歴史上ありえないからだ。それがゆえに3人はたわしの存在そのものを失敗と定義する。しかしたわしは腑に落ちないようだ。
「そもそも人間と話せるたわしってすごいと思わね? よく考えてほしい、他の使い魔どもは主人と同種族との意思疎通しかできないだろう。俺は人間の言語を理解し! そして意思疎通できる! どうだ!!」
たわしがこぶしをにぎり力説する。さらにたわしは気分が乗ってきたようだ。
「そして俺の魔力量はインフィニティー……無限だぜ! マスターの魂の美しさに俺は呼ばれたんだぜ?」
たわしは良い顔をつくりサムアップと決め顔をアリスに向ける。しかしアリスは盛大なため息をついた。そして怪訝な表情を浮かべる。
「意思疎通できるのはすごいけどさ、魔力無限とか嘘くさいんだけど……」
「疑うか……いいだろう、おばさん! ちょっ」
おばさん……その言葉を発するや否やキャロットは無表情で突如たわしを握りしめ自分の顔の近くにもっていく。
「おば、さん、だってぇ? 魔力無限だか精霊だかしらないけど言葉に気をつけなさい? 次言ったら針金ほどいてゴミにしてやるからね」
アリスとトランプはアチャーという顔をしている。どうやら禁句だったようだ……たわしは顔を青ざめた様子で
「いいすぎました、以後注意します。本当にごめんなさい」
ならよろしいと、キャロットに笑顔が戻り、たわしは無事テーブルに帰還することができた。以降おばさんという言葉を二度と口にすまいと、心に誓ったたわしであった。
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