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プロローグ
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大森林の入口から暫く中に入った、砂利などの地面が露出した場所に倒れ込む。わたくしの事を馬車から引きずり下ろした王宮騎士たちは、既に帰路についている様子。倒れ込んだ足元の方から遠ざかっていく馬車の車輪の音が聞こえます。
倒れ込んだ拍子に少し大きめの石に額をぶつけたかと思った瞬間、「ぱちん!」と音がしましたの。これまで感じていた1枚膜をへだてた向こう側に感じていた世界が急にクリアになったような、やっと現在の状況を我が事と受け止められたというか。
音がして次の瞬間、わたくしはカミーユであり現代日本を生きた女性・遠無 明莉となりました。ほんの一瞬のことですわ。直ぐに体を起こし立ち上がりました。額をぶつけたものの出血などはしていないようですわ。もしかしたらたんこぶが出来てしまうかもしれません。触ると鈍い痛みがあります。
夜会用のドレスについた土埃を手で払います。一通り埃を落としたらわたくしは腕を組み考えをめぐらせます。身一つで森の前に女性を置き去りにするなんて、わたくし死んでも構わないと思われているのですね。一先ずここから生き延びる術を考えねばなりません。
わたくし、カミーユのスペックは元侯爵家令嬢ですので基本的な貴族教育に加え、王子妃として公務に携われるよう5カ国の言語と風習などを修得しています。また最悪の場合王子殿下の盾となるため魔法の習得も一般水準より高レベル修めております。得意な魔法は土属性魔法と支援魔法(バフ系)。得意ではありませんが火魔法も使用できます。前世の明莉はブッシュクラフトに魅入られ日本各地のみならず海外の大自然の中で最低限の荷物でキャンプをしておりました。幸いにもサバイバル知識が豊富です。もしかして、なんとかなりそうかしら?
倒れ込んだ拍子に少し大きめの石に額をぶつけたかと思った瞬間、「ぱちん!」と音がしましたの。これまで感じていた1枚膜をへだてた向こう側に感じていた世界が急にクリアになったような、やっと現在の状況を我が事と受け止められたというか。
音がして次の瞬間、わたくしはカミーユであり現代日本を生きた女性・遠無 明莉となりました。ほんの一瞬のことですわ。直ぐに体を起こし立ち上がりました。額をぶつけたものの出血などはしていないようですわ。もしかしたらたんこぶが出来てしまうかもしれません。触ると鈍い痛みがあります。
夜会用のドレスについた土埃を手で払います。一通り埃を落としたらわたくしは腕を組み考えをめぐらせます。身一つで森の前に女性を置き去りにするなんて、わたくし死んでも構わないと思われているのですね。一先ずここから生き延びる術を考えねばなりません。
わたくし、カミーユのスペックは元侯爵家令嬢ですので基本的な貴族教育に加え、王子妃として公務に携われるよう5カ国の言語と風習などを修得しています。また最悪の場合王子殿下の盾となるため魔法の習得も一般水準より高レベル修めております。得意な魔法は土属性魔法と支援魔法(バフ系)。得意ではありませんが火魔法も使用できます。前世の明莉はブッシュクラフトに魅入られ日本各地のみならず海外の大自然の中で最低限の荷物でキャンプをしておりました。幸いにもサバイバル知識が豊富です。もしかして、なんとかなりそうかしら?
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