チートな男の幽霊退治

シリウス

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呪いのビデオ

呪いの最期

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そう言うと是宇須はテレビ欄を見始めた。
「な、何をするつもりなんですかね?」
麻衣子は近くにいた浩太に聞いた。
「まぁ、ロクでも無いことは確かだけど。呪いですらこんな感じで倒せるんだからね。本当に凄いよな。」
「あの、藤山君は驚かないの?」
「いや、あいつの能力は嫌という程見てきたからね。はっきり言ってもう何も感じなくなったよ。1+1=2みたいな感覚だよ。」
「そうですか・・(この人も普通じゃ無いな)」
「ん?何か言ったか。」
「いや、何にも・・・」
「ま、この能力見て何も驚かない俺も変だけどな。」
(見破られてる・・・。)
「おっ、いいの見つけたよ~。早速録画しないと。」
「えっ、何をするつもりですか?」
「何って呪いを完全に消すのさ。」
「つまりビデオに上書きして消そうってことですか!?」
「そんな簡単に呪いは消えないと思うよ。家から出ないくらい力が強いんだし。」
「じゃあどうやって・・・?」
「まぁ、是宇須に任せれば大丈夫だよ。あんな奴だけど、能力は確かだから。」
「ですね・・・」
麻衣子も先ほどの超常現象を見て少し安堵していた。
「あっはっはっはっ!これなら行けるわ!」
「何笑ってるんですかね?」
「さぁな、また下らんことでも考えたんだろうけどな。」
「1時間くらいかかるけどいいかな?」
「別に構いませんが・・・」
じゃあちょっと遊ぼうぜ~。このゲームで。
そう言って是宇須はゲーム機を取り出した。
「そ、それは新発売のアレですか?かなりレアなはずなのに・・・」
「別に在庫が無ければ作ればいい話だからね。」
「「・・・・」」
「そうやって金策してるんだよ?俺。」
是宇須は一人暮らしをしており、バイトもしているのは聞いたことは無い。そうやって稼いでいると考えると是宇須の能力は改めてチートだと思わせられる。無から有を作るなどこの世の理に反しているからだ。
「じゃあ早速遊ぼうぜ!俺の作ったゲームでな!」
そう言って3人はゲームを始めた。

~1時間後~
「やばい。はまってしまった・・・」
「面白い・・・」
2人とも是宇須のゲームに完全にはまってしまった。全能の神と言っても過言で無い男が作ったゲームだ。つまらないわけが無いのだ。
「よし、じゃあ再生してみるか。念のため障壁は張るけどね。」
そう言ってビデオを再生すると早速貞子が画面に出てきた。そしてテレビから出ようとしたが是宇須の障壁によって阻まれていた。
「そろそろかな。」
そう言ったその時だった。
「波ーっ!!!」
謎の声とともに光線が貞子目掛けて飛んできて貞子はそれによって完全に消された。
「ご、○空?」
麻衣子が拍子抜けした様子で呟いた。
「あいつは録画しても残るからね。だったらああやって消したほうが面白いだろ。あと罪を償わせるにはあれくらいがちょうどいい。」
そして何事もなかったようにアニメは始まっていった。後に最初から見直したがあの光景は二度と出てこなかった。こうして1つの呪いが完全に消滅したのだった。
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