琥珀の夜鷹_ep1. 星降りの守り人

朝河 れい

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EP1_5章

5章_8 ミラーナ

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 ロクサリオの問いに、
ミラーナは俯いてしまう。

「お母さまが、昨晩から帰ってこないの。
寂しくて、ここで待っていたの。」

しょんぼりと話すミラーナを見て、
ロクサリオはまた胸が痛む。


「ミラーナ、実はお母さんは、
よその街に行かないとならないんだ。
これからは私が、一緒に居るよ。」

突然のことにミラーナが理解できるはずもなく、
父に疑問をぶつける。


「どうして?」

一体何故、こうなってしまったのか。
愛娘からの質問に答えを窮したのは、
ロクサリオには初めてのことだった。


「お母さんは、明日から王様のもとで、
暮らすことになったんだ。これはとても名誉なことだし、
幸せなことだ。わかってくれるね。」


自分自身がまだ飲みこめていないものを、
どうやって娘に知らせれば良いというのだろうか。
ロクサリオは心の芯が折れてしまいそうになる。


「お母さまはそれで幸せなの?お父さまも?
わたしは、そんなのうれしくない、寂しい。」


ついに、気丈に振る舞っていたミラーナの目からも、
涙が一筋、頬を流れる。


「すまない。いつかきっと、
ミラーナもわかるようになるはずさ。」

ほとんど自分自身を説得するように、
娘に語り掛ける。


「いや!わからない!わたしは、みんな一緒が良いのに!
わがままなお願いなんかじゃないのに!」


あまり帰ってこられないでいた父ロクサリオ、
そしてこれから居なくなるという母、シンシア。

日頃から寂しい思いをしてきたミラーナには、
もう耐えられなかったのだった。


ミラーナはロクサリオの脇をすり抜け、
裸足のまま外へ駆け出していく。

今夜の馬車さえ見つけてしまわなければ、
ひとまずはやり過ごせるのだ。

ロクサリオはすぐに娘を追ったが、
この家は小さな村のさらに離れにある。

暗い夜の中、既にその姿は消えてしまっていた。
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