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喋ることができなくなった令嬢は、幸せです
お互い、勢いよく離れ真っ赤になっている顔を背けます。
「ヴィンス、お前も少しは空気を読んでくれよ」
頭を掻きながらクレイグ様が言いました。
「セシル、ここにヴィンスを呼んだのは他でもない。セシルの呪いの効果が全て解けたかを確認してもらうためだ」
「……喋れなくなる呪いの効果は5年。でも、もしかしたら5年後に新たな効果が出る可能性はゼロじゃない。万が一に備えて、魔術師団の私に来てほしいとクレイグから直々に頼まれてね……これは友人としての特別サービスだよ……」
「それで、どうなんだ? セシルは無事なのか?」
「……今、確認するから……」
ヴィンス様は私に手をかざすと何やら呪文を唱え始めました。
「大丈夫、呪文の追加効果は見当たらなかったよ……完全に呪いの効果は解けている」
私の頭をポンポンと撫でながら安堵の表情で答えてくださいました。
「確認ありがとう」
その頭の上に置かれた手を掴み、握手に持って行ったのはクレイグ様です。
「嫉妬?見苦しいよ……」
「俺は礼の握手をしただけだ」
二人のやり取りに思わずフフッと声が漏れてしまいました。
「クレイグ様とヴィンス様は本当に仲が良いのですね」
「……かれこれ5年、クレイグからセシル嬢への思いをひたすら聞き続けて来た仲だからね」
「おい、止めろっ」
クレイグ様が慌ててヴィンス様の口を塞ごうとしますが、ヴィンス様相手に簡単にできるはずもなく。ひらりとかわすと、いつの間にか私の後ろのベッドサイドに立っていました。
「どういうことですか?」
「……セシルが聞きたいって」
ニヤリと笑うヴィンス様と対照的に真っ赤になって崩れ落ちるクレイグ様。こんな子どものようなやりとりをしている二人が騎士団長と魔術師団長だなんて、知らない人が見たら信じられないでしょうね。
「あー、もう! セシル、どうか引かないで聞いてほしい」
「はい、お願いします」
「俺は、5年前のあの婚約破棄の時、バルコニーで涙を流すセシルに一目惚れをしたんだ。こんなにも美しく聡明な彼女の魅力に気が付かないなんてあいつはなんて馬鹿な男なんだろうと思ったし、逆に幸運だとも思った。セシルを絶対に幸せにしてみせる。俺はその時誓ったんだ」
私がいるベッドにクレイグ様がゆっくりと腰を掛け、少し遠い目をしながら話を続けます。
「まず、セシルを泣かせた原因の奴らを懲らしめてやろうと思った。ちょうどいろんな疑惑が出ていたしね。それで聞き取り調査のために呪術師の女のところに行ったら、セシルに呪いをかけたというじゃないか。気が気じゃなかったよ」
「……その時に呼び出されたのが俺だったんだよねぇ……今までのクレイグなら事務的に処理していたのに、なぜか必死になってるから不思議だなって……」
「セシルが喋れなくなったのを実際に見て、怒りでどうにかなってしまいそうだったよ。すでに呪術師の女は処刑されていたが、その関係者たちを調査すると色んなことに手を染めて真っ黒だった。片っ端から取り締まったよ」
「……それが功績として認められて最年少の若さで騎士団長まで登りつめたんだよねぇ……愛の力だねぇ」
ヴィンス様は腕を組みながらうんうんと頷いています。その表情からは冗談なのか、本当のことなのか判断できません。
「エドモンドについては膿を出し切るために時間をかけて調査することになっていたんだ。もちろんその過程でセシルに接触するだろうことは想像ができた。だからセシルの身を守るためにヴィンスに『映像記録装置』『持ち主の危険が迫った時に俺に知らせるネックレス』の作成を依頼したんだ」
「……初めて作ったから、試行錯誤しながら頑張って作ったんだよぉ……ネックレスなんかは俺の瞳の色にしてくれ、だなんていうからさぁ。どれだけその女のことが好きなんだよってこっちが恥ずかしくなったよねぇ……それに一歩違えばストーカーだからねぇ。あまりに相手にされなくて、とうとうおかしくなってしまったのかと思ったよぉ」
「あの時は毎日セシルの職場に顔を出してアピールしていたつもりだったんだ。けどセシルは誰に対しても同じように素敵な笑顔だったから、その他大勢の一人なのかと悩んだ時もある。だが俺は決めていた。5年間の呪いが解けたらその時に告白をしようと」
「私は、クレイグ様には心に決めた女性がいると噂で聞いていたのです。私が好意を見せたところでご迷惑になるだけと必死に隠しておりました」
「同じ気持ちだったんだな」
お互いに、はにかみながら笑うと、
「……あ~もう、眠くなってきちゃったからもう帰るねぇ……」
気をつかわせてしまったのか、ヴィンス様が部屋から出ようとしています。
「ヴィンス様、今回の件、いろいろとお世話になりました。ありがとうございます」
「本当に感謝している。何かあれば今度は俺が協力する」
そのまま後ろを向き、手をひらひらさせながら部屋から出て行きました。
また、クレイグ様と二人きりです。
「セシル……」
手を握り合わせ、クレイグ様の顔がまた近づいてきます。私もそっと目を閉じ……
バタン!
「団長! 事件発生です。至急城門前まで来てください」
騎士団の方々がクレイグ様を呼びに来ました。
何とも絶妙なタイミングでみなさんいらっしゃいます。騎士団はお忙しいですもの。残念ですが、またしてもお預けです。
「わかった、今行く」
仕事モードの顔で騎士団の方々に返事をすると返事を聞いた騎士団の方々は慌ただしく立ち去って行きました。
クレイグ様とはまだ手をつないだ状態のままでしたが
「まだ早朝だ。セシルはもうしばらく休んでいなさい。家族には連絡してあるから」
と、名残惜しそうに手を離します。
騎士団長を私が独り占めするわけにはいかないですもの。ここは笑顔で見送らねば。
「わかりました。お気をつけて」
「セシルっ」
名前を呼ばれたと思った瞬間、目の前にはクレイグ様の顔。そして唇にやわらかく温かいものが触れました。
「では、行ってくる。愛しているよ」
笑顔で部屋から出ていくクレイグ様。
もしかして、もしかしなくても、今のって……!
はくはくと口を動かしても何も声になりません。
何も喋ることができなくなってしまった私ですが、今、幸せです。
「ヴィンス、お前も少しは空気を読んでくれよ」
頭を掻きながらクレイグ様が言いました。
「セシル、ここにヴィンスを呼んだのは他でもない。セシルの呪いの効果が全て解けたかを確認してもらうためだ」
「……喋れなくなる呪いの効果は5年。でも、もしかしたら5年後に新たな効果が出る可能性はゼロじゃない。万が一に備えて、魔術師団の私に来てほしいとクレイグから直々に頼まれてね……これは友人としての特別サービスだよ……」
「それで、どうなんだ? セシルは無事なのか?」
「……今、確認するから……」
ヴィンス様は私に手をかざすと何やら呪文を唱え始めました。
「大丈夫、呪文の追加効果は見当たらなかったよ……完全に呪いの効果は解けている」
私の頭をポンポンと撫でながら安堵の表情で答えてくださいました。
「確認ありがとう」
その頭の上に置かれた手を掴み、握手に持って行ったのはクレイグ様です。
「嫉妬?見苦しいよ……」
「俺は礼の握手をしただけだ」
二人のやり取りに思わずフフッと声が漏れてしまいました。
「クレイグ様とヴィンス様は本当に仲が良いのですね」
「……かれこれ5年、クレイグからセシル嬢への思いをひたすら聞き続けて来た仲だからね」
「おい、止めろっ」
クレイグ様が慌ててヴィンス様の口を塞ごうとしますが、ヴィンス様相手に簡単にできるはずもなく。ひらりとかわすと、いつの間にか私の後ろのベッドサイドに立っていました。
「どういうことですか?」
「……セシルが聞きたいって」
ニヤリと笑うヴィンス様と対照的に真っ赤になって崩れ落ちるクレイグ様。こんな子どものようなやりとりをしている二人が騎士団長と魔術師団長だなんて、知らない人が見たら信じられないでしょうね。
「あー、もう! セシル、どうか引かないで聞いてほしい」
「はい、お願いします」
「俺は、5年前のあの婚約破棄の時、バルコニーで涙を流すセシルに一目惚れをしたんだ。こんなにも美しく聡明な彼女の魅力に気が付かないなんてあいつはなんて馬鹿な男なんだろうと思ったし、逆に幸運だとも思った。セシルを絶対に幸せにしてみせる。俺はその時誓ったんだ」
私がいるベッドにクレイグ様がゆっくりと腰を掛け、少し遠い目をしながら話を続けます。
「まず、セシルを泣かせた原因の奴らを懲らしめてやろうと思った。ちょうどいろんな疑惑が出ていたしね。それで聞き取り調査のために呪術師の女のところに行ったら、セシルに呪いをかけたというじゃないか。気が気じゃなかったよ」
「……その時に呼び出されたのが俺だったんだよねぇ……今までのクレイグなら事務的に処理していたのに、なぜか必死になってるから不思議だなって……」
「セシルが喋れなくなったのを実際に見て、怒りでどうにかなってしまいそうだったよ。すでに呪術師の女は処刑されていたが、その関係者たちを調査すると色んなことに手を染めて真っ黒だった。片っ端から取り締まったよ」
「……それが功績として認められて最年少の若さで騎士団長まで登りつめたんだよねぇ……愛の力だねぇ」
ヴィンス様は腕を組みながらうんうんと頷いています。その表情からは冗談なのか、本当のことなのか判断できません。
「エドモンドについては膿を出し切るために時間をかけて調査することになっていたんだ。もちろんその過程でセシルに接触するだろうことは想像ができた。だからセシルの身を守るためにヴィンスに『映像記録装置』『持ち主の危険が迫った時に俺に知らせるネックレス』の作成を依頼したんだ」
「……初めて作ったから、試行錯誤しながら頑張って作ったんだよぉ……ネックレスなんかは俺の瞳の色にしてくれ、だなんていうからさぁ。どれだけその女のことが好きなんだよってこっちが恥ずかしくなったよねぇ……それに一歩違えばストーカーだからねぇ。あまりに相手にされなくて、とうとうおかしくなってしまったのかと思ったよぉ」
「あの時は毎日セシルの職場に顔を出してアピールしていたつもりだったんだ。けどセシルは誰に対しても同じように素敵な笑顔だったから、その他大勢の一人なのかと悩んだ時もある。だが俺は決めていた。5年間の呪いが解けたらその時に告白をしようと」
「私は、クレイグ様には心に決めた女性がいると噂で聞いていたのです。私が好意を見せたところでご迷惑になるだけと必死に隠しておりました」
「同じ気持ちだったんだな」
お互いに、はにかみながら笑うと、
「……あ~もう、眠くなってきちゃったからもう帰るねぇ……」
気をつかわせてしまったのか、ヴィンス様が部屋から出ようとしています。
「ヴィンス様、今回の件、いろいろとお世話になりました。ありがとうございます」
「本当に感謝している。何かあれば今度は俺が協力する」
そのまま後ろを向き、手をひらひらさせながら部屋から出て行きました。
また、クレイグ様と二人きりです。
「セシル……」
手を握り合わせ、クレイグ様の顔がまた近づいてきます。私もそっと目を閉じ……
バタン!
「団長! 事件発生です。至急城門前まで来てください」
騎士団の方々がクレイグ様を呼びに来ました。
何とも絶妙なタイミングでみなさんいらっしゃいます。騎士団はお忙しいですもの。残念ですが、またしてもお預けです。
「わかった、今行く」
仕事モードの顔で騎士団の方々に返事をすると返事を聞いた騎士団の方々は慌ただしく立ち去って行きました。
クレイグ様とはまだ手をつないだ状態のままでしたが
「まだ早朝だ。セシルはもうしばらく休んでいなさい。家族には連絡してあるから」
と、名残惜しそうに手を離します。
騎士団長を私が独り占めするわけにはいかないですもの。ここは笑顔で見送らねば。
「わかりました。お気をつけて」
「セシルっ」
名前を呼ばれたと思った瞬間、目の前にはクレイグ様の顔。そして唇にやわらかく温かいものが触れました。
「では、行ってくる。愛しているよ」
笑顔で部屋から出ていくクレイグ様。
もしかして、もしかしなくても、今のって……!
はくはくと口を動かしても何も声になりません。
何も喋ることができなくなってしまった私ですが、今、幸せです。
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