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迂回路
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いつもの時間、いつもの通学路。
毎日同じだと思っていた生活に、1つ、欠けたものがある。
最近、幼なじみの佐里が別の友達とつるむようになった。登下校は勿論、昼食も、グループ活動も、いつも一緒だったのに。何となく距離ができてから、メールも五回に一回位しか返事がこなくなった。
こいつとは永遠に友達だろうと思っていた相手だったから、尚更寂しかったんだ。
その日はたまたま、帰りが一緒になった。満員電車の中で、偶然隣同士になったのだ。体が密接しているから、佐里も逃げられない。俺はさりげなく話しかけてみた。
「最近、付き合い悪いよな、お前。」
「…。」
「夜中まで遊んでるって、お袋さん言ってたぜ?変な遊びでもしてるのか?」
「…ったく、お袋のやつ。」
佐里は苛立たしげに髪をかきあげた。さらさらの茶髪から、シャンプーの香りがする。電車が揺れる度、佐里の肩と擦れあったけれど、思いのほか筋肉質な体つきで驚いた。中性的な顔をしているから、てっきりもっとガリガリなのだと思っていた。
佐里は俺の顔を見て少し笑った。
「なあ、真人。もしかしてさ、俺がつるまなくなって寂しいのか?最近いつも一人だよな、お前、」
かつての親友に対し無防備だった俺の心は、無造作にきりつけられた。
「…っ、佐里、」
俺は、やっとの思いで言葉をしぼりだした。そんな様子の俺をみて、佐里はまた笑った。
「昔から友達いなかったよな、真人は。で、何?学校でもずっと俺のこと見つめてるけどさあ。また俺とつるみたいわけ?」
頷けば、涙が零れそうだった。口を開けば、声が震えるだろう。
俺は身動きが取れずにいた。
やがて俺達の下車する駅に着き、無言のままにお互い歩き出した。
俺は、親友の変貌ぶりに意識が朦朧としていた。追い討ちをかけるように、佐里は俺に話し掛けてきた。
「俺、お前とは種類が違うからもう遊べねえよ。」
「し、種類って、何だよ。」
「だからさ、お前のそのスルーのきかない真面目っぷりが合わないんだよね。」
「……。」
真面目という言葉は、時に差別の意味を孕む。俺は真面目と呼ばれるのが嫌いだ。
俺が唇を震わせていると、佐里がため息をついた。彼は少し表情を曇らせたような気がした。けれどすぐに、また先ほどの笑みを浮かべる。
「…じゃあさ、俺らの遊び場に一度来る?クラブなんだけど。順応できたら入れてやってもいいぜ。」
順応?こんな所で使う言葉だったろうか。俺は、また佐里と元通りになりたい一心で、よく解らないままに頷いた。
「じゃ、明日連れてってやるから夜予定空けとけよな。」
次の日、俺は渋谷に来ていた。色々な臭いが充満している、汚い街。人が多すぎて酔いそうだ。
隣の佐里は馴れた様子でズンズン歩いていく。この街に、相当通っているのだろう。自分の知らない佐里の一面に、何だか困惑する。
駅から10分も歩くと、店と店の間にある下り階段へ辿り着いた。まだ入り口でもないのに、大音量の音が漏れだしている。
佐里は躊躇することなく、階段を下りていった。
室内は暗く、人の顔が見えない。うるさい位の音楽と、目まぐるしく動くライトが辺りを忙しなく照らす。
此処で佐里はいつも遊んでいるのか。
そう聞こうとしたが、佐里はまだ歩みを止めない。
この部屋の隅にあるドアへ向かい、佐里はそばにいた男性に耳打ちした。佐里の頭でよく見えなかったけど、何だか2人はクスクス笑い合っているようだった。
何だか、嫌な感じだ。
暫くして、男性はドアを開いた。
中へ入ると、目を見張るような光景が広がっていた。音楽は流れていたが、先ほどよりムーディなものだ。薄暗い室内には所々ソファが置いてあり、人があちこちでセックスをしていた。喘ぎ声も聞こえる。それは女の物ではなく、男の声だった。俺が途方に暮れていると、何人かの男が近づいてきた。
「よう、佐里。何?新しい仲間?」
「ああ、真人って言うんだ。初めてだから、開発してやってよ。但し、指と道具だけでね。」
「初めの男は佐里って訳ね。解った、じゃあ部屋に行こう。」
俺は男達に連れられて、個室へ入った。
ベッドと、色んな玩具がある。もしかして俺、これから…?
不穏な空気の中、男達は俺を優しくベッドへ乗せた。佐里はそばで俺の顔を見下ろす。
「佐里、まさか俺の事…。」
「何怯えてるんだ真人。俺の仲間になりたいんだろ。こいつらは巧いから、すぐに開発してくれるよ。」
男達は何やら香を焚き始めた。匂いに頭がクラクラしてきた頃、彼らは俺のシャツを捲りあげる。
「真人君、佐里より背高いのに痩せてるのね。私が挿れたら折れちゃいそう。」
オカマ口調の男が俺の乳首を舐める。抵抗しようとすると、佐里が顔をのぞき込んできた。
「根を上げるのか真人。俺とまた仲直りしたいんじゃないのか、」
「…佐里…、」
俺はシャツを直そうとした手を引っ込めた。男達が容赦なく衣類を剥ぎ取り、俺はやがて全裸にさせられた。
普通なら嫌がるところなのに、香のせいか、拒む力が出ない。
男達は好き放題俺を舐め、愛撫した。やがて俺の息子が首を擡げ始める。
彼らは嬉しそうにそれを眺めた。
「あら、大きい。挿れるより挿れられたいわ。」
「そんな事言ったら佐里に怒られるぞ。」
「うふふ、ごめんなさい。」
次に男達は、玩具を使って愛撫をはじめた。俺の体中に何かの液体を塗り、ローターで乳首を撫でる。
息子にも液が垂らされ、男の逞しい指でキツくしごかれた。
「は…あッ、」
思わず声が漏れた。もうイッてしまいそうだ。
佐里は熱心に俺を見つめている。
これは、イジメの一種なのだろうか。俺が彼らに掘られてるのを見て、佐里は満足なのか?仲直りどころじゃない。きっと、佐里は最初から俺と仲直りする気なんて無かったのかもしれない。
何だか悲しくて、涙が零れた。男の一人に腕を押さえられてるので、頬が拭えない。
「あらあら、佐里、泣いちゃったわよこの子。」
「いいよ。早くアヌスもいじってやって。」
佐里は球体の連なるチェーンをよこした。男はそれを俺のアヌスに入れる。
異物を挿入され、吐き気に襲われた。
「ふ…ぐぅ…!」
男達は次々と道具をアヌスへ挿入して来る。疣のついたバイブが、腹の中で暴れている。それが何故か気持ちよくて、俺は暴発しそうな下半身を抑えるのに必死だった。
何十分経っただろう。射精を抑えるのももう限界だった。
その時、佐里が声を発した。
「…もういいやみんな。有難う。」
「あら残念。もっと楽しみたかったのに。」
「また今度な。」
頷いた男達は、素直に部屋を出ていく。
俺は惨めな気持ちで佐里を見た。あざ笑うのかと思いきや、佐里は何だか泣きそうな顔をしていた。
「…真人、これでも俺と一緒にいたいか?」
口調は穏やかだ。俺の知ってる、優しい佐里の声だ。
「…佐里…。」
「俺と、一緒にいたいのか?」
佐里は震える声で繰り返した。
もう一度、もう一度だけ佐里を信じてみよう。
俺の、親友の事を。
「俺は、佐里が嫌じゃないならずっと一緒にいたい。」
佐里は、笑わない。
代わりに、涙がこぼれていた。
彼は俺の体を抱きしめた。
「…服が汚れるぞ佐里、」
「かまわない。…俺の性癖解っただろ?ずっと前からお前とこういうことしたかったんだ。自分が抑えられなくなりそうで、お前から離れた。」
「佐里…。」
俺は佐里の肩を抱いた。
そういえば、一番近くにいた友達なのに、触れ合うのは初めてだ。
佐里は暫く小刻みに震えていたが、やがて顔を上げ、俺の耳元にささやいた。
「真人、俺もう我慢出来ない、」
佐里はパンツを下ろし、俺の上にまたがった。俺は、コクンと頷く。
佐里がだんだんと腰を下ろしてきた。窄まりに、俺の物が飲み込まれていく。佐里の中は熱い。ドロドロに溶けているようだった。
俺が襲われているのを見ながら、自分を解していたのだろう。ヌルヌルとして、気持ちいい。
「動くぜ、真人、」
そう言って佐里は腰を振った。
目の前で佐里の物が揺れる。綺麗な顔が、快楽に歪んだ。魅惑的な光景だった。
佐里は何度も俺の名前を呼び、果てた。俺も、佐里の名を呼びながら、中に精を吐いた。
次の日の朝。
いつもの道、いつもの時間。
隣には、佐里。
俺の大切な日常が、ようやく戻ってきた。
おわり
毎日同じだと思っていた生活に、1つ、欠けたものがある。
最近、幼なじみの佐里が別の友達とつるむようになった。登下校は勿論、昼食も、グループ活動も、いつも一緒だったのに。何となく距離ができてから、メールも五回に一回位しか返事がこなくなった。
こいつとは永遠に友達だろうと思っていた相手だったから、尚更寂しかったんだ。
その日はたまたま、帰りが一緒になった。満員電車の中で、偶然隣同士になったのだ。体が密接しているから、佐里も逃げられない。俺はさりげなく話しかけてみた。
「最近、付き合い悪いよな、お前。」
「…。」
「夜中まで遊んでるって、お袋さん言ってたぜ?変な遊びでもしてるのか?」
「…ったく、お袋のやつ。」
佐里は苛立たしげに髪をかきあげた。さらさらの茶髪から、シャンプーの香りがする。電車が揺れる度、佐里の肩と擦れあったけれど、思いのほか筋肉質な体つきで驚いた。中性的な顔をしているから、てっきりもっとガリガリなのだと思っていた。
佐里は俺の顔を見て少し笑った。
「なあ、真人。もしかしてさ、俺がつるまなくなって寂しいのか?最近いつも一人だよな、お前、」
かつての親友に対し無防備だった俺の心は、無造作にきりつけられた。
「…っ、佐里、」
俺は、やっとの思いで言葉をしぼりだした。そんな様子の俺をみて、佐里はまた笑った。
「昔から友達いなかったよな、真人は。で、何?学校でもずっと俺のこと見つめてるけどさあ。また俺とつるみたいわけ?」
頷けば、涙が零れそうだった。口を開けば、声が震えるだろう。
俺は身動きが取れずにいた。
やがて俺達の下車する駅に着き、無言のままにお互い歩き出した。
俺は、親友の変貌ぶりに意識が朦朧としていた。追い討ちをかけるように、佐里は俺に話し掛けてきた。
「俺、お前とは種類が違うからもう遊べねえよ。」
「し、種類って、何だよ。」
「だからさ、お前のそのスルーのきかない真面目っぷりが合わないんだよね。」
「……。」
真面目という言葉は、時に差別の意味を孕む。俺は真面目と呼ばれるのが嫌いだ。
俺が唇を震わせていると、佐里がため息をついた。彼は少し表情を曇らせたような気がした。けれどすぐに、また先ほどの笑みを浮かべる。
「…じゃあさ、俺らの遊び場に一度来る?クラブなんだけど。順応できたら入れてやってもいいぜ。」
順応?こんな所で使う言葉だったろうか。俺は、また佐里と元通りになりたい一心で、よく解らないままに頷いた。
「じゃ、明日連れてってやるから夜予定空けとけよな。」
次の日、俺は渋谷に来ていた。色々な臭いが充満している、汚い街。人が多すぎて酔いそうだ。
隣の佐里は馴れた様子でズンズン歩いていく。この街に、相当通っているのだろう。自分の知らない佐里の一面に、何だか困惑する。
駅から10分も歩くと、店と店の間にある下り階段へ辿り着いた。まだ入り口でもないのに、大音量の音が漏れだしている。
佐里は躊躇することなく、階段を下りていった。
室内は暗く、人の顔が見えない。うるさい位の音楽と、目まぐるしく動くライトが辺りを忙しなく照らす。
此処で佐里はいつも遊んでいるのか。
そう聞こうとしたが、佐里はまだ歩みを止めない。
この部屋の隅にあるドアへ向かい、佐里はそばにいた男性に耳打ちした。佐里の頭でよく見えなかったけど、何だか2人はクスクス笑い合っているようだった。
何だか、嫌な感じだ。
暫くして、男性はドアを開いた。
中へ入ると、目を見張るような光景が広がっていた。音楽は流れていたが、先ほどよりムーディなものだ。薄暗い室内には所々ソファが置いてあり、人があちこちでセックスをしていた。喘ぎ声も聞こえる。それは女の物ではなく、男の声だった。俺が途方に暮れていると、何人かの男が近づいてきた。
「よう、佐里。何?新しい仲間?」
「ああ、真人って言うんだ。初めてだから、開発してやってよ。但し、指と道具だけでね。」
「初めの男は佐里って訳ね。解った、じゃあ部屋に行こう。」
俺は男達に連れられて、個室へ入った。
ベッドと、色んな玩具がある。もしかして俺、これから…?
不穏な空気の中、男達は俺を優しくベッドへ乗せた。佐里はそばで俺の顔を見下ろす。
「佐里、まさか俺の事…。」
「何怯えてるんだ真人。俺の仲間になりたいんだろ。こいつらは巧いから、すぐに開発してくれるよ。」
男達は何やら香を焚き始めた。匂いに頭がクラクラしてきた頃、彼らは俺のシャツを捲りあげる。
「真人君、佐里より背高いのに痩せてるのね。私が挿れたら折れちゃいそう。」
オカマ口調の男が俺の乳首を舐める。抵抗しようとすると、佐里が顔をのぞき込んできた。
「根を上げるのか真人。俺とまた仲直りしたいんじゃないのか、」
「…佐里…、」
俺はシャツを直そうとした手を引っ込めた。男達が容赦なく衣類を剥ぎ取り、俺はやがて全裸にさせられた。
普通なら嫌がるところなのに、香のせいか、拒む力が出ない。
男達は好き放題俺を舐め、愛撫した。やがて俺の息子が首を擡げ始める。
彼らは嬉しそうにそれを眺めた。
「あら、大きい。挿れるより挿れられたいわ。」
「そんな事言ったら佐里に怒られるぞ。」
「うふふ、ごめんなさい。」
次に男達は、玩具を使って愛撫をはじめた。俺の体中に何かの液体を塗り、ローターで乳首を撫でる。
息子にも液が垂らされ、男の逞しい指でキツくしごかれた。
「は…あッ、」
思わず声が漏れた。もうイッてしまいそうだ。
佐里は熱心に俺を見つめている。
これは、イジメの一種なのだろうか。俺が彼らに掘られてるのを見て、佐里は満足なのか?仲直りどころじゃない。きっと、佐里は最初から俺と仲直りする気なんて無かったのかもしれない。
何だか悲しくて、涙が零れた。男の一人に腕を押さえられてるので、頬が拭えない。
「あらあら、佐里、泣いちゃったわよこの子。」
「いいよ。早くアヌスもいじってやって。」
佐里は球体の連なるチェーンをよこした。男はそれを俺のアヌスに入れる。
異物を挿入され、吐き気に襲われた。
「ふ…ぐぅ…!」
男達は次々と道具をアヌスへ挿入して来る。疣のついたバイブが、腹の中で暴れている。それが何故か気持ちよくて、俺は暴発しそうな下半身を抑えるのに必死だった。
何十分経っただろう。射精を抑えるのももう限界だった。
その時、佐里が声を発した。
「…もういいやみんな。有難う。」
「あら残念。もっと楽しみたかったのに。」
「また今度な。」
頷いた男達は、素直に部屋を出ていく。
俺は惨めな気持ちで佐里を見た。あざ笑うのかと思いきや、佐里は何だか泣きそうな顔をしていた。
「…真人、これでも俺と一緒にいたいか?」
口調は穏やかだ。俺の知ってる、優しい佐里の声だ。
「…佐里…。」
「俺と、一緒にいたいのか?」
佐里は震える声で繰り返した。
もう一度、もう一度だけ佐里を信じてみよう。
俺の、親友の事を。
「俺は、佐里が嫌じゃないならずっと一緒にいたい。」
佐里は、笑わない。
代わりに、涙がこぼれていた。
彼は俺の体を抱きしめた。
「…服が汚れるぞ佐里、」
「かまわない。…俺の性癖解っただろ?ずっと前からお前とこういうことしたかったんだ。自分が抑えられなくなりそうで、お前から離れた。」
「佐里…。」
俺は佐里の肩を抱いた。
そういえば、一番近くにいた友達なのに、触れ合うのは初めてだ。
佐里は暫く小刻みに震えていたが、やがて顔を上げ、俺の耳元にささやいた。
「真人、俺もう我慢出来ない、」
佐里はパンツを下ろし、俺の上にまたがった。俺は、コクンと頷く。
佐里がだんだんと腰を下ろしてきた。窄まりに、俺の物が飲み込まれていく。佐里の中は熱い。ドロドロに溶けているようだった。
俺が襲われているのを見ながら、自分を解していたのだろう。ヌルヌルとして、気持ちいい。
「動くぜ、真人、」
そう言って佐里は腰を振った。
目の前で佐里の物が揺れる。綺麗な顔が、快楽に歪んだ。魅惑的な光景だった。
佐里は何度も俺の名前を呼び、果てた。俺も、佐里の名を呼びながら、中に精を吐いた。
次の日の朝。
いつもの道、いつもの時間。
隣には、佐里。
俺の大切な日常が、ようやく戻ってきた。
おわり
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