アビリティがヤバい詐欺師がマジでヤバい!?

しんしょう

文字の大きさ
2 / 6
物語の幕開け

転生生活のはじまり

しおりを挟む
 (・・・ここはどこだろう)
 目は開いているし、手も足も自由に動く。でも、周りは真っ暗で何も見えないし、感じない。
 まるで宇宙空間に放り込まれたみたいだ。・・・そんなところ行ったことないけど。
 確か、ついさっきまで会社の休憩室で仮眠を取っていたはず。なのに、ここはどこだろう?
  ・・・って、こりゃ夢か。なるほどなるほど。

「夢ではありませんよ~」

 のほほんとした声が、どこからか頭にほわほわ響いてくる。

「あなたは先程、死んでしまったのです~ 原因はえっと~、カタカタッ・・・あれ?うまく検索できないですね…まぁ、原因なんてあって無いようなものですし、知らなくても大丈夫ですよ~」カタッカタッ

  んっ?死んだ後ってこんな感じなの?もっとこう、神聖な感じがよかったなぁ。後、さっきからカタカタ聞こえてくるんだけど、何の音?

「え~、分かんないですかぁ?パソコンの音ですよ~」カタッカタッ

  いや、それは分かるんですけど、神様?も私たちと同じ物を使うんですね。

「そうですね~、今ではこれがないと仕事できないですし~。わざわざあなたのいた世界から取り寄せたんですよ~」

  神様?も人間の技術を使ったりするんだなぁ っん?今の話だと、他の世界もあるんですか?こう、魔法とかが使える世界とか

「はい、それはもういっぱいありますよ~ それこそ数え切れないくらい。魔法に興味がありますか?」

  そ、それはもちろん、小さな頃からの夢ですからっ!

「分かりました~ それじゃあ、次は魔法が使える世界に生まれ変われるようにしますね~」カタッカタッ

  えっ、今ので次の世界が決まるの? ちょ、ちょっともう一回考えてもいいですか!?

「あら~、それはもうできないですね~ パソコンに打って確定ボタンを押しちゃったので~ こうぐるぐるマークが出てる時にバツボタンは押すなって言われてるんです~」

  え、うそっ

「あっ、終わったみたいですね~ それでは、魔法が使える新しい人生、楽しんできて下さいね~」

  えっ、ちょ、ちょっと待っッッッえぅわーーーー!!

 こうして、多分魔法とかが使えるであろう異世界に転生?する事になったのだった。



 次に気がつくと、青い空が目に映った。同時に、人の声や足音らが混じった音も耳に届いてくる。どうやら、さっきまでいた真っ暗な場所から解放されたらしい。
 それにしても、自分は本当に転生したのか?
 なんて思ったのも束の間、仰向けの姿勢を起こすと、鎧を着た人や耳の長いエルフ?な人、少し薄汚れた服を着た人たちが目に留まる。
 はぇ~、なんていう気の抜けた声が出てしまう。
 あの神様?が言っていた通り、元いた世界と違うのがすぐに分かる。

  よしっ!

 シュバッっと立ち上がり、ワクワクする気持ちが抑えられずに駆け出した。至る所を走り回って、色んな人やモノを見た。木で出来た家がいくつも並んでいるが、道はキレイに舗装されている。その景色には少し、西部劇っぽい印象を受ける。が、そこに住んでいる人たちは様々だった。獣人やらドワーフやら、もう色々だ。チラホラと自分と同じ姿も目に触れた。

 ボォォォーンという音がどこからか聞こえてくる。どうやら時間を報せる音のようだ。転生してから幾分かは経ったらしい。
 新しい景色を見過ぎて、脳がパンクしそうだ。そんな疲れが、気持ちを自然と落ち着けていく。そうなるにつれ、不安が押し寄せてきた。

 これからは?ご飯に寝る場所とか、え、本当にどうしよう?
 とにかくこういう時は、考えるんじゃなくて動くしかないっ!

 道行く人で声をかけても良さそうな人に話を聞いてみた。どうやらこの町に来た人たちが集まる場所があって、そこでは新参者の登録とか、仕事の斡旋もしてくれるらしい。
 これで、ひとまずの目的地も決まった。不安もあるけど、せっかくの転生生活、存分に楽しんでやる!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

処理中です...