1 / 47
1.仮面の大公
しおりを挟む連載スタートしました。
このお話から、1日2回 6時と18時の更新になります。
前作まで3時間毎の更新でしたが、合間に書きたい短編などもありますので、そちらにも時間を割きたいと思っています。
ご了承いただけますと幸いです。
更新待ちに、未読の過去作品に目を通していただけたり、お気に召した作品をまたお読みいただけますと、作者泣いて喜びます。
(;ω;) ウルウル
ゆるゆるな設定ですが、引き続き、暇潰しにご訪問いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
いつもの方々も、初めましての方々も、ありがとうございます。
╰(*´︶`*)╯♡
⌘ ⌘ ⌘ ⌘ ⌘
姉のカタリーナが、我が国ワリエラ帝国の第3皇子リージェス殿下に嫁いで、まだ数日。
しかも、周りが婚約だ結婚だと騒がしくなってきた昨今。
16歳になっても、そういったことに全く興味を持たない娘に痺れを切らして、お父様が縁談を進めようとするのが煩わしくなってきている。
全く男性に興味がないわけでもなく、手紙をいただいたり、パーティに誘われたり、決してモテないわけではない。(と思う。)
ベルフィネス公爵家に次女に生まれ、母マルガリーテ譲りの銀髪や白い肌とふっくらした唇、父ニコラウス譲りの赤みがかったヘイゼルの瞳。
今まて容姿でとやかく言われたことはない。
ただ、他の令嬢に比べ、頭半分ほど背が高いのと、勝ち気な性格は難ありかもしれないが。
兄のエイデンもナリエラ・ローゼンハイム侯爵令嬢との結婚が決まり、残る娘の行く末を父はとても心配しているのだ。
「セシリア、3日後にテオドリクスが来るから、母さんと相談して準備しておくように。」
若くしてファーウェル大公家と領地を治めているテオドリクスが来るのだ。
黒髪にルビーのような瞳を持ち、体の大きい、如何にも鍛え上げられた騎士のような体格をしている。
実際、22歳にして最強の軍隊を率いる総司令官なので、体格が良いのは当たり前なのだが。
父は、幼い頃は北部の大公家で過ごした時期があり、大公ご夫妻が不慮の事故で亡くなり、一人息子のテオドリクスが公爵を継いでも懇意にしている。
大公ご夫妻の年齢が父よりも10歳近く年上だった為、テオドリクスを弟のように、身近に感じていたのかもしれない。
「あら、テオドリクス様、約3年振り位でしょうか。前回お好きだと仰っていたワインも準備しますね。」
「それはいいな、頼むよ。」
従兄弟が遊びに来るような感覚で、わくわくしていたが、父は違う意図を持っていたのは後に分かる。
◇ ◇ ◇
そして3日後、テオドリクスが来た。
「ご無沙汰しておりました。公爵様もセシリア嬢もお元気でしたか?」
「おお!そなたも元気そうで何よりだ。さぁ、中へ!!」
「閣下、ご機嫌麗しゅうございます。」
父と迎えに出た私が挨拶をし顔を上げると、テオドリクスは仮面を付けていた。
私はきっと不思議そうな顔をしていたのだろう。
テオドリクスは理由を話し出す。
「セシリア嬢、顔を隠しての訪問で失礼する。傷痕が生々しいので驚かさぬように仮面を付けている。あと閣下と呼ぶのはやめてくれ。今まで通りでいい。」
「承知いたしました。では、テオドリクス様と呼ばせていただきます。仮面は外していただいて構いませんよ?私が傷痕位で驚くような性格ではないのをよくご存知でしょう??」
テオドリクスは、ふふっと笑ったが仮面は外さなかった。
413
あなたにおすすめの小説
顔も知らない旦那様に間違えて手紙を送ったら、溺愛が返ってきました
ラム猫
恋愛
セシリアは、政略結婚でアシュレイ・ハンベルク侯爵に嫁いで三年になる。しかし夫であるアシュレイは稀代の軍略家として戦争で前線に立ち続けており、二人は一度も顔を合わせたことがなかった。セシリアは孤独な日々を送り、周囲からは「忘れられた花嫁」として扱われていた。
ある日、セシリアは親友宛てに夫への不満と愚痴を書き連ねた手紙を、誤ってアシュレイ侯爵本人宛てで送ってしまう。とんでもない過ちを犯したと震えるセシリアの元へ、数週間後、夫から返信が届いた。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
※全部で四話になります。
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
白い結婚に、猶予を。――冷徹公爵と選び続ける夫婦の話
鷹 綾
恋愛
婚約者である王子から「有能すぎる」と切り捨てられた令嬢エテルナ。
彼女が選んだ新たな居場所は、冷徹と噂される公爵セーブルとの白い結婚だった。
干渉しない。触れない。期待しない。
それは、互いを守るための合理的な選択だったはずなのに――
静かな日常の中で、二人は少しずつ「選び続けている関係」へと変わっていく。
越えない一線に名前を付け、それを“猶予”と呼ぶ二人。
壊すより、急ぐより、今日も隣にいることを選ぶ。
これは、激情ではなく、
確かな意思で育つ夫婦の物語。
もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。
そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。
そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。
「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」
そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。
かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが…
※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。
ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。
よろしくお願いしますm(__)m
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
子供が可愛いすぎて伯爵様の溺愛に気づきません!
屋月 トム伽
恋愛
私と婚約をすれば、真実の愛に出会える。
そのせいで、私はラッキージンクスの令嬢だと呼ばれていた。そんな噂のせいで、何度も婚約破棄をされた。
そして、9回目の婚約中に、私は夜会で襲われてふしだらな令嬢という二つ名までついてしまった。
ふしだらな令嬢に、もう婚約の申し込みなど来ないだろうと思っていれば、お父様が氷の伯爵様と有名なリクハルド・マクシミリアン伯爵様に婚約を申し込み、邸を売って海外に行ってしまう。
突然の婚約の申し込みに断られるかと思えば、リクハルド様は婚約を受け入れてくれた。婚約初日から、マクシミリアン伯爵邸で住み始めることになるが、彼は未婚のままで子供がいた。
リクハルド様に似ても似つかない子供。
そうして、マクリミリアン伯爵家での生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる