【完結】 仮面で隠していた傷痕を撫でたら愛が溢れてきた大公様 〜普通じゃなかったらしい私の中の普通〜

紬あおい

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31.兄と侍女

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今日は公爵邸内の応接室で、結婚式の衣装の最終確認だ。
サイズは変わっていないと思っていたけど、大公邸で美味しい物をたくさん食べていたので、実は体型の変化がちょっと心配だった。
でも、試着してみたら大丈夫だった。
テオドリクスには言えないが、正直ほっとした。

リリアナは、本領発揮し綺麗に着せてくれたが、その瞳をキラキラさせている。

「奥様、お綺麗です!こんなお綺麗な奥様を見られて、私は幸せ者です。これは、また閣下の溺愛が増し増しですねー!!」

そんなテオドリクスは、デザインの段階から見ているので、当然この場に居る。

「セシリア、素敵だ!よく似合う!!口付けていいか?」

「また、あなたは!」

「閣下、ほんっと、びっくりする位、ブレませんねー!あははは!!」

リリアナが大爆笑している。

リリアナの笑い声に驚いたエイデンが、応接室に入って来る。

「どうした?笑い声が…」

「お兄様。何でもないわ!ドレスのサイズを確認していたのよ。あ、この子は私の専属侍女のリリアナ。元気な子でしょう?」

「あ、あぁ…そうだな。」

エイデンの顔が一瞬赤くなった気がした。
もしや…と、ピンと来る。
ちょっとナリエラっぽいところもあるけど、リリアナの方が気が利くし、正直者だ。

「お兄様、今日お暇?私とテオは用事があるから、リリアナに首都を案内してあげてくれない?」

「はっ?俺が??」

「そう!リリアナは可愛いし元気だし、きっと退屈しないわよ?」

明らかにエイデンが狼狽えている。

「リリアナが良ければ…」

「奥様のお兄様にご案内していただけるなんて、本当にいいんですかー?首都、初めてで行ってみたかったんです!スイーツとか興味あります!!」

「じゃあ、お兄様、宜しくね!」

「あ、ああ、任せろ。リリアナ、行こうか。」

「はい!よろしくお願い致します。」

動揺しているエイデンと、ワクワクが隠せないリリアナは、取り敢えず、出掛けて行った。
恐らく、リリアナはエイデンの動揺の理由など、これっぽっちも気付いていないだろうが。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「セシリア、リリアナは義兄上のタイプなのか?」

テオドリクスが不思議そうな顔をしている。

「たぶんね。お兄様は昔から、底抜けに明るい子が好きなのよ。私からすると、ナリエラみたいな人の方が不思議だったわ。ナリエラは、ちょっと口だけでなく、意地が悪い感じがしてたのよねぇ。お兄様が矯正出来るかと思ったら、手癖も悪いなんて、それ以前の問題だったわ。」

「そうか。リリアナは侍女だけど、一応出自は問題ないぞ?あれでも、伯爵令嬢だからな。元婚約者の男爵令息が女遊びが激しくて、婚約破棄にしたんだ。ふらりと旅行に来て、領地が気に入ったから働かせて欲しいと言われてな。今は、行儀見習い的に預かってるんだが、凄く楽しんで働いてるみたいだ。人見知りもしないから、義兄上と楽しめればいいな!」

伯爵令嬢ならアリだな。
しばらく様子を見てみよう。
エイデンにも幸せになって欲しいし、リリアナと家族になるのは楽しいかもしれない。
普段、うっかりキャラでも、リリアナの優秀さや気遣いは、私が1番よく知っている。

「お兄様、今度こそ幸せになって欲しいわ。」

「ゆっくり見守ろう。縁があれば、きっと結ばれるさ。」

私は、テオドリクスと微笑み合った。
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