【完結】 仮面で隠していた傷痕を撫でたら愛が溢れてきた大公様 〜普通じゃなかったらしい私の中の普通〜

紬あおい

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32.結婚式

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いよいよ結婚式当日だ。
ここまで、あっという間だった気がする。
人生って何があるか分からない。

「奥様…お綺麗です…閣下が喜びますね…」

リリアナは涙ぐみながら、支度の整った私を見ている。
いつもの明るいリリアナとは別人だ。

「リリアナ、どうしたの!?いつもの元気はどこに行ったの?」

「だってぇ、おぐざまがぎれいー!」

「あはははっ!」

控え室の外にまでリリアナの声が聞こえていたようで、エイデンが笑いながら控え室に入って来た。

「ちょっ、リリ、君が泣くなよ!」

後ろから、ふわりと抱き締めリリアナを包む。
エイデンとリリアナは、一度目のデートから想いが重なり、現在恋人同士だ。
エイデンが如何にリリアナを大切に想っているか、接し方で分かる。

「お兄様、リリアナを落ち着かせてね。お式の時、リリアナの絶叫とか、勘弁して欲しいわ。ふふっ。」

「任せとけ。心配するな。」

「そんなこと、しませんっ!」

リリアナがぷりぷりしていて可愛い。

そして、父と母も入って来た。

「セシリア、花嫁らしくなったな。あんなに勝ち気で、嫁の貰い手があるか心配だったが、テオドリクスと結婚するとはなぁ…」

「お父様?もう既に妻ですが?」

「お父さん、ボケちゃったかしら!?ずっとウキウキしてたのよ?テオドリクスとセシリアなら、末永く幸せな夫婦になるって!」

「お父様もお母様もありがとうございます。テオと幸せになります!心配しないで?」

私が笑えば、父と母も微笑む。
やっぱり結婚式となると実感が湧いてくるんだな。

「そろそろ行こうか。テオドリクスが首を長くして待ってるぞ。」

「はい、お父様。宜しくお願い致します。」

父と腕を組み、一歩一歩進む。
これからはテオドリクスと歩む道へ向かって。

テオドリクスは笑顔で父からバトンタッチした。

「綺麗だ。今すぐ口付けたい。」

小さな声で呟くブレない人だ。
その顔は、仮面を付けていようとも、輝く笑顔だ。

結婚式は厳かに進行し、誓いの言葉となった。

「テオドリクス・ファーウェルは、セシリアを妻とし、生涯愛し抜き、ともに歩むことを誓います。」

「セシリア・ファーウェルは、テオドリクスをどんな時も敬い、生涯愛することを誓います。」

微笑みながら2人でデザインした指輪を交換し、誓いのキスの時間になる。
テオドリクスは、待ってました!とばかりにぶちゅっと来た。
直前の表情で察した私は、覚悟を決めて受け止めた。

「閣下、ブレないな…」

その瞬間、リリアナの囁きに式場の一部がどよめいたのは、ある意味想定内だった。
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