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18.お粗末な顛末
しおりを挟む執務室の次は控え室か!と、またもや私とルディガーは時の人となってしまった。
しかし、前回と違うのは『媚薬から婚約者を守った恋人』という名誉ある!?代名詞が付いたことだ。
皇太子殿下の呟きが一人歩きしたと、騎士達から聞いた。
意図的に噂を流す殿下に、今回は少し感謝している。
どうせ恥をかくなら、勇者の方がいい。
そして、何故この事態に陥ったかの真相も明らかになった。
ミルラ嬢は、ベンゼル公爵から、パーティで絶対に皇太子妃に選ばれるよう、殿下の心を掴めと言われていた。
しかし、ルディガーへの想いが断ち切れず、二度目の媚薬事件を起こした。
婚約者が居ようが、派手に既成事実を作ってしまえば、何とかなると思ったらしい。
もちろん、そこには私への嫉妬もあったのだろう。
それを、騎士の事前情報から予測していた私が阻止し、ミルラ嬢からルディガーの貞操を守った。
更に、媚薬が効いてきていたミルラ嬢を廊下に放り出した為、意識が朦朧としたまま下半身を弄るミルラ嬢は、不特定多数の貴族に破廉恥な姿を曝すこととなった。
ここまでは、私も予測していた。
特に、ミルラ嬢の破廉恥な姿は、どこぞの助平貴族にでもお持ち帰りして欲しいと思っていた位だ。
ルディガーに手を出そうなんて百万年早いと、どす黒い私が居た。
しかし、結果的には、廊下で1人で破廉恥行為を致すという醜聞だけが広まった。
おまけは、この媚薬の所為で、ベンゼル公爵家とロラン公爵家の違法薬物の取り引きも、明らかに出来たことだ。
帝国では手に入らない媚薬や違法薬物を、国内に流通させようとしていたことが判明した。
こちらは、ルディガーが独自に調査をし続けたことも証拠となった。
ベンゼル公爵家とロラン公爵家は、隣国から媚薬や麻薬と一緒に、毒薬も取り引きしており、ミルラ嬢を婚約者にすれば、皇太子殿下を取り込めると策を巡らせていた。
以前、皇太子殿下とルディガーが『あの件』と話していたのは、このことだった。
皇太子殿下は、ルディガーの調査から一連の計画に気付いており、阻止する為の第一段階としてパーティを開催することにした。
しかし、呆気なくベンゼル公爵家とロラン公爵家 という2つの公爵家を処罰することになり、大変喜んでいた。
「いやー、ベルナちゃん!変装までして、ルディを救ったんだって!鋭い読みが当たって、お手柄な感じ?『媚薬から婚約者を守った恋人』ってなかなか良いでしょ?それに、ベンゼルとロランも厄介払い出来て、もうほんと幸運だ!!あはははっ!!!!」
殿下は大笑いしていた。
「笑い事じゃありません!」
ルディガーは憤慨していたけど。
結末は、皇帝陛下に対してはあやふやな立場を偽装して表明しつつ、実は反逆を狙っていたベンゼル公爵家とそれに追従したロラン公爵家が失墜したという一大スキャンダルとなった。
ベンゼル公爵家とロラン公爵家はお取り潰しとなり、一族は皆、漏れなく島流しとなった。
それから、空きが出来た公爵家の1つをハインミュラー侯爵家が陞爵することとなり、家名はそのままに、ハインミュラー公爵家となった。
「え…俺、次期公爵になるのか…?殿下の思う壺のような気がする…」
「ルディ、これからも俺の護衛を頼みたいな。正式に公爵を継ぐまででいいからさ。まだ暗殺者、居るかもしれないし!何でか知らないけど、あちこちから湧いてくるんだもん!!」
「……えっ……やだし……」
「そう言うなよ。頼りにしてるんだからぁ!」
呆然とするルディガーに、殿下はお強請りするかのように笑った。
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