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46.二つの心が一つになって *
しおりを挟むヴェリティはデイドレスを脱ぎ捨て、シュミーズとドロワーズだけになって、エミリオンに馬乗りになり、指先で胸板をなぞる。
「ヴェ、ヴェリティ!?」
ヴェリティの指先が頂をくるりと嬲ると、エミリオンは目を閉じて甘く呻く。
「ぁああ、ヴェリティ、刺激が強過ぎる…」
その唇を塞ぎ、指先はエミリオンの髪を撫で、耳朶に触れる。
ゆっくりとした動作をエミリオンは一つ一つ感じながら、快感と焦ったさに溺れていく。
ヴェリティはエミリオンを横向きにし、背中に吸い痕を付けながら、胸を弄り頂を摘むと、耐え切れなくなったエミリオンは、くるりと身を交わし、シーツにヴェリティを縫い付けた。
「すまない、もう我慢の限界だ!」
乞うような瞳で見下ろすエミリオンの腕をすっと擦り抜け、ヴェリティはまたエミリオンの熱い塊に舌を這わせる。
「んはっ、ヴェリティ、またっ!ああ、そんなにっ、だめだよっ!!」
じゅぶじゅぶと陰茎をしゃぶり、やわやわと陰嚢を揉むと、エミリオンは体を捻り、横に逃げた。
「エミリオン様?」
「すまない、凄く善いんだけど…」
「けど…?」
「めちゃくちゃに、ヴェリティを襲ってしまいたくなる…」
不快ではないんだと悟ったヴェリティは、全てを脱ぎ、エミリオンの上に跨り、自分の膣にエミリオンの陰茎を沈めた。
「ああっ、ヴェリティ!」
「繋がりましたね、深く…」
見下ろすヴェリティの妖艶でいやらしい顔に、今度こそエミリオンの理性は焼き切れた。
「あっ、あっ、ヴェリティ、深い、奥が吸い付いてくる!ヴェリティ、善いよ、素敵だ!」
エミリオンの手はヴェリティの豊かな乳房を揉みしだき、手のひらで頂を転がす。
「うぅん、エミリオンさまぁ!」
ヴェリティの声も甘く、腰は緩やかにくねる。
その全てが愛おしくて、エミリオンはヴェリティに溺れた。
「ああっ、ヴェリティ、好きだ!もう、君なしでは生きていけない!!」
エミリオンは上半身を起こし、座位でヴェリティに口付ける。
ヴェリティも、エミリオンの熱い想いと、与えられる快感に必死に応える。
「私もです。もう、エミリオン様の居ない人生なんて、考えられない…」
「ヴェリティ、大好きだ、もっと感じて、溶け合ってしまいたい…」
ヴェリティの腰を掴み、獣のように突き上げるエミリオンに、ヴェリティも背中に腕を回し、身を任せる。
「あぁん、エミリオンさまっ、奥が善いの!」
水音が響く部屋で、二人は一つになり溶け合った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夕陽が射し込む部屋で目覚めたヴェリティとエミリオンは、気恥ずかしさと満ち足りた気分を感じていた。
「ヴェリティがだんだん大胆になってきて、俺、嬉しい。」
はにかむエミリオンに、ヴェリティも微笑む。
「隠し事一つなく、全てを見せても受け止めてもらえるから。端ない私を見せても、エミリオン様なら大丈夫かなって思えるの。」
「寧ろ、嬉しい限りだ。こんなヴェリティは、俺しか知らないんだろう?」
「はい。」
頬を染めるヴェリティが愛おしくて堪らないエミリオンは、やっと二人の気持ちが一つになったのだと感無量だった。
「ねぇ、ヴェリティ、俺ね、今本当に嬉しいし、幸せなんだ。」
「エミリオン様は、どうしてこんなに私を想ってくださるの?」
「初恋だからってだけじゃなく、ヴェリティの笑顔や優しさに心を掴まれちゃったからかな。
いつ見掛けても、ヴェリティは人に優しくて。
それは身分も関係なく、誰にでも同じように優しくて。
公爵家の人間に近寄って来る奴らは、大抵損得勘定で生きているだろう?
ヴェリティみたいな人は珍しいんだ。」
ヴェリティは、不思議そうにエミリオンの話を聞いていた。
「特別誰かに優しくした覚えはないのですが…」
「うん、分かってる。でも、そういうところなんだよ、ヴェリティの魅力は。」
きょとんとしているヴェリティが、エミリオンは可愛くて仕方ない。
「ヴェリティは、今のままでいい。ずっとこのまま、俺の傍に居てくれたらいい。」
「そうしたら、ずっと私を愛してくれる?」
「もちろんだ。嫌いになる要素が一つもない。」
「浮気もしない?ある日突然、愛人を連れて来たりしない?」
「そんなことは絶対しない。それに、万が一そんなことしたら…」
「したら…?」
「エヴァンス公爵家の皆に殺される!」
ヴェリティの目を真っ直ぐに見て話すエミリオンは、かなり本気だ。
「そうですね、先ずグレイシア様に刺されそう!」
「グレイシアだけじゃないぞ?エヴァンス公爵家の真のボスは、まだ猫を被っているからな。ククっ!」
エミリオンは笑うが、ヴェリティはまだその存在に気付いていない。
「えっ!?どなたのことですの?」
「それは、まだ秘密だ。」
「隠し事…?」
「いや、それは自分の目で見た方がいいということだ。俺に疾しいことがあっての隠し事ではないから安心して?」
「…はい…」
「しょぼんとしないで?我が家のボスがその姿をヴェリティに見せるとしたら、結構厄介な事態に陥るってことだから。
猫を被っているということは、平和だということなんだし、ヴェリティや双子達にも、その姿は見せなくていいということさ。」
「そうなのですね。なら、知らない方がいいのかもしれません。ふふふ。」
「俺も、冷酷に切れ散らかしたボスの姿は見たくないからな。平和が一番さ。」
含みを持たせたエミリオンの言い方ではあるが、ヴェリティは疑ったり探ったりしないことにした。
何かあれば、エミリオンは、必ずヴェリティにも話してくれるという信頼感が芽生えたからだ。
「エミリオン様、それ以外の秘密はなしでお願いしますね?」
「ああ、大丈夫だ。ヴェリティの信頼を裏切るようなことは決してしない。」
エミリオンは、ヴェリティにちゅっと口付けて抱き締め、頬擦りした。
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