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45.欲張りな二人 *
しおりを挟む「ま、まだお昼間…明るいですわ…」
戸惑って赤くなるヴェリティが可愛くて、ちょっと意地悪をする筈だったエミリオンの心に火がついた。
「明るいところでヴェリティを抱きたいな。」
「でも…」
「子ども達は、休みの間はグレイシアが面倒を見たいらしい。グレイシアはその辺の家庭教師よりも、ずっと優秀だ。」
「はい、リオラもリディアもグレイシア様を慕っているので、とても有り難いです。」
「ならば、俺の相手もして?ヴェリティ、嫌?」
「嫌ではありません。でも、やっぱり明るいのは…」
恥じらうヴェリティに、エミリオンの理性は焼き切れそうになる。
しかし、ぎりぎりのところで我慢した。
ヴェリティに寄り添う自分で居たいからだ。
ただ、今のエミリオンは、レオリックに抱いた怒りを、ヴェリティで癒したい気持ちでもあった。
「何も考えられない程、夢中にさせてあげる。」
「あぁん…」
エミリオンの唇がヴェリティの耳朶を喰み、舌が耳穴を嬲ると、甘い声が漏れる。
「ほら、ヴェリティ、感じて?」
ふうっと耳に掛かるエミリオンの吐息に、ヴェリティの体も熱くなる。
「今日のエミリオン様は、ちょっと意地悪です。」
はにかむヴェリティが愛おしくて、エミリオンの手は忙しなくドレスを寛げる。
「ヴェリティに意地悪をするのは閨でだけだよ?
その位、ヴェリティに夢中なんだ。」
何の不安もなく愛されることに、ヴェリティは幸せを感じた。
(エミリオン様には何でもしてあげたい。)
エミリオンのシャツを寛げ、ヴェリティはその厚い胸板に口付ける。
ちゅっと吸い痕を付けると、エミリオンが驚く。
「ヴェリティ?」
「エミリオン様は、私のものだから。」
初めてヴェリティに見せられた独占欲に、エミリオンは直ぐにでも挿れたい衝動に駆られる。
しかし、ヴェリティにそれを知られるのは恥ずかしい。
「では、ヴェリティが求めたいように、俺を求めて?」
「私が…エミリオン様に…?」
「うん、ヴェリティから求められたいんだ。」
「絵を引き取る時、ブランフォード侯爵家で何かありましたか?」
エミリオンの様子がいつもと違う気がして、ヴェリティはそっと聞いてみる。
「あの家の者達は、俺には理解出来ない。
執務も子育ても、使用人がすると思っている。
もっと早くヴェリティを奪いに行けば良かった…」
その言葉で、ヴェリティはレオリックに軽んじられていたと、また気付く。
しかし、エミリオンが自分を求めてくれたことで、搾取され酷使される運命から逃れられたのだろう。
「あの時、エミリオン様が連れ出してくださったから今があります。だから、後悔しないで?
私は今、とても幸せですよ。」
自分のことのように、怒り苦しむエミリオンをヴェリティは誰よりも大切にしようと改めて思う。
「私の代わりに苦しまないで?もう大丈夫だから。」
「うん、ヴェリティ、俺を癒して?今日は凄く我慢して、頑張ったんだ。だから、俺をヴェリティでいっぱいにして?」
主導権を手渡されたようで、ヴェリティは少し考え、エミリオンを裸にしていく。
そして、エミリオンの唇を塞ぎ、指先は体をなぞる。
「エミリオン様、動いてはいけませんよ?」
腹を括ったヴェリティは、妖艶な微笑みエミリオンに向けた。
その瞬間、エミリオンの熱い塊がびくんと跳ね上がる。
それを横目で見ながらも、ヴェリティの唇と手はエミリオンの鎖骨や胸板に触れる。
ヴェリティの唇がエミリオンの胸の頂に触れ、舌が蠢いた時、エミリオンの口から甘い吐息が放たれた。
「うぅん、ヴェリティ…堪らない…もっと…」
舌は、左右交互に乳首を吸い上げ弄び、エミリオンの手は快感を堪えるかのようにシーツを握る。
(あぁ、エミリオン様、可愛い…あなたが、私でいっぱいになりますように。)
決して慣れた触れ合いではなくとも、ヴェリティは持てる知識を全てエミリオンに伝えたかった。
そして、ヴェリティは勇気を出して、エミリオンの熱い塊に手を伸ばした。
「っ!?ヴェリティ、それはっ!」
ヴェリティは、エミリオンの熱い塊をそっと手で扱き、先端から溢れ出ている物で更に滑りを良くして扱く。
くびれた先端を集中的に扱いたり、根元まで大きく動かしたり、強弱をつけると、エミリオンの太腿に力が入り、足先がぴんと伸びる。
「ヴェリティ、善い…あぁ、堪らない…」
悦ぶエミリオンを見て、ヴェリティは更に覚悟を決める。
(こういうの…したことないけど、きっとエミリオン様は悦んでくれる。)
ぱくりと咥え、先端を舌で吸い上げると、エミリオンが甘く呻く。
「んんっ、ああぁ、ヴェリティ…」
その声が嬉しくて、ヴェリティは裏筋に舌を当てて、エミリオンの陰茎を扱く。
血管が浮き出る位に膨張した陰茎は、その全体でヴェリティの口中を味わっているかのようだ。
「あっ、あぁっ、ヴェリティ、気持ちいい…」
一瞬、ヴェリティの頭に手を添えたエミリオンは、本当は頭を掴みヴェリティの喉奥にまで触れたい衝動を抑えた。
「あぁ…ヴェリティ、そろそろヤバい…口を離してくれないか…」
それでもヴェリティは咥えたまま、更に陰茎をしゃぶり続ける。
「あっ、あっ、だめだっ、ヴェリティ、あああーっ、出るっ、くうっ!!」
エミリオンの腰は仰け反り、びゅるると口に広がる白濁をヴェリティは最後まで吸い尽くした。
緊張するように強張ったエミリオンの体が弛緩するまで、ヴェリティは陰茎を優しくしゃぶる。
「ヴェリティ…」
額に汗するヴェリティの髪を指でかき上げたエミリオンは、赤みの差す頬をゆっくりと撫でた。
「凄く善かった…溶けそうだったよ。」
「初めてだったのですが、ちゃんか出来ていたのですね?良かった!」
微笑んだ顔が、まるで褒められた子どものようで、エミリオンはまたヴェリティを愛しく想う。
「過去は気にしないけど、ヴェリティの初めてって、やっぱり嬉しいかも。」
「大した過去はありません。気にしないとエミリオン様は仰ってくださいますが、変に隠すと後になって気になるかもしれないので、お伝えしておきます。」
「えっ!?ヴェリティ、急に、何?」
「前の結婚では、横になっている間に終わりました。
それしか知らない私は、愛する者達の行為はそういうものだと思っていました。
私から何かをするのは、エミリオン様が初めてです。
今のも、少ない知識を、エミリオン様の反応を見ながら実践してみました。」
突然のヴェリティまぐろ&初実践告白に、エミリオンは仰天した。
ということは、レオリックは自分勝手な早漏で、ヴェリティは勇気を出して咥えてくれたということではないか。
「えっと…時間的には短かった?」
「はい、秒で終わる、みたいな?飽く迄も体感ですが…」
「びょう、で………」
「双子達のお世話で忙しかったので、秒で済むと楽で…」
「で、口でするのは、俺が初めて?」
「はい…上手く出来たか分かりませんが…」
「最高でした!」
ヴェリティの気持ちが嬉しい反面、エミリオンの頭の中は、秒・早漏・秒・早漏のエンドレス・ループに陥っていた。
「じゃあ、俺はヴェリティには、しつこい男って感じ?朝まで、とか…」
「いいえ、優しく労わってくださいますから、愛されているなぁと思います。
というか、過去の話はこれで終わりにしていいですか?
過去には感じなかった欲が今はあって、エミリオン様に触りたいの。」
エミリオンの一瞬の不安は、幸せな気持ちに変わり、ヴェリティに求められる喜びを感じる。
「ヴェリティが思うままに俺に触れて、めちゃくちゃにして欲しい。」
「私、エミリオン様には欲張りになってしまうかもしれません。」
「上等だ。受けて立つ!」
余裕を見せた筈のエミリオンは、全てを見せられると覚醒したヴェリティに、この後甘い悲鳴を上げ続けることとなった。
結果、何も考えられない程、夢中になったのはエミリオンだった。
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