【完結】 大切な人と愛する人 〜結婚十年にして初めての恋を知る〜

紬あおい

文字の大きさ
56 / 90

55.私が私でいい理由 *

しおりを挟む

「だから…私…?」

ヴェリティは、グラナード公爵の話す意図が掴めずに驚いた。

「そうだ、ヴェリティはリオラやリディアに上や下を付けたことがないだろう?
どちらが長女で、どちらが二女か、と。」

「あ……でも、双子ですし、歳も、もちろん同じですし…」

「それに女だからとも言わない。リオラが剣術に励もうと、リディアが外国語を学ぼうと、何も制約を付けない。」

「はい…私自身が学びが足りずに苦労しましたので、あの子達が望むなら、可能性を伸ばしてあげたいと。」

「双子達だけではないだろう?コリンヌやジオルグもだ。
ヴェリティ、我が家に必要なのは、性別や身分に関係なく、個人の才能を引き出そうとする視点を持つ者だ。
正直、エミリオンの初恋の女性というだけならば、この結婚は有り得なかった。
しかし、人柄や行動を公爵家の影に調査させたり、実際に話してみて、ヴェリティという一人の人間を知り、我が家に迎えたいと思ったのだ。」

エミリオンは、ヴェリティの手を握り、優しい語り掛ける。

「ヴェリティは、ヴェリティのままでいいと、いつも話しているだろう?
それは、今父上が話したヴェリティの誰にでも同じように接する姿勢なんだ。
迷子の俺に、優しくしてくれたし。
ブランフォード侯爵家の騎士のジェレミーは、ヴェリティに拾ってもらったからと、あの日離れから連れ出す時、見て見ぬ振りをしてくれたんだ。
人は、尊重してくれた相手には尽くすものだ。
ヴェリティは、自然とそれが出来る人間なんだよ。」

「ねぇ、ヴェリティ。私達がヴェリティに求めているのは、私のように社交界で幅を効かせる者でもなく、グレイシアみたいな家を護ろうという責任感でもないの。
ヴェリティの周りに自然と集まる者を、その者が求める方向に導く存在なの。」

「私に、そのようなことが出来るでしょうか…」

「意識しなくていいわ。ヴェリティのままでいいの。」

ヴェリティの涙は止まらず、エミリオンはヴェリティを抱き寄せた。

「私が私でいい理由…今までは考えたこともありませんでしたが、私に出来ることをさせていただきます。エミリオン様と共に。」

「そうこなくちゃね!俺はヴェリティの夫だ。妻にだけ何かさせようとは思わない。一緒にやればいいさ。」

「エミリオン様…」

見つめ合うヴェリティとエミリオンに、グラナード公爵とファビオラ夫人は微笑み、席を立った。

「エミリオン、この温室を案内しておあげなさい。ヴェリティは初めてでしょうから。」

「はい、母上。」

「あまり、おイタはしないように。」

ファビオラ夫人は意味深な微笑みで、グラナード公爵と去って行った。

「おイタ…?」

エミリオンは、ファビオラ夫人達の姿が見えなくなったことを確認して、ヴェリティに口付けた。

「ーーっ!?」

「こういうこと!」

真っ赤になるヴェリティの顔を覗き込むエミリオンは、またいたずらっ子の顔をした。

「だ、だめです!」

「何故?ここにはヴェリティと俺しか居ないよ。使用人達は入って来れないし。この温室は、一度閉まると、外からは鍵がないと入れないけど、中からは開くんだ。」

「だからって!」

エミリオンは指先でヴェリティの顎を掬い、再び口付ける。

「ぁん…」

ヴェリティの口から漏れる甘い声に、エミリオンは体が熱くなり、ドレスの胸元を寛げる。
そこには、既に赤く尖った頂があり、エミリオンは嬉しくなる。

「ヴェリティも興奮しているんだね。赤く尖って、俺を待ち侘びているみたいだ。」

「っ!?ちがっ、うぅんっ!」

否定する間もなく、エミリオンはヴェリティの胸の頂に吸い付き、優しく舌で転がす。

「あぁんっ、だめ、ここでなんて…」

「久しぶりに二人きりなんだから。ねぇヴェリティ、お願いだ。俺、結構我慢強いって思わないか?」

上目遣いで乞うエミリオンに、ヴェリティはだんだん抗えなくなる。
そして、唾液を絡ませて頂を嬲るエミリオンの頭を掴み、ヴェリティは堪らず腰が揺れる。

そんなヴェリティの反応が嬉しくて、エミリオンはヴェリティのドロワーズを抜き取り、膝の上に乗せる。

強い力で抱き締められ、胸の頂やなかを弄られ、ヴェリティはどんどん快感の波に飲まれていく。

「ヴェリティ、挿れるね?」

エミリオンはふわりとヴェリティを片手で持ち上げ、熱い塊を取り出し、突き立てる。

「だめっ、ここでは!エミリオンさまっ!!」

ヴェリティの言葉はエミリオンの唇に塞がれ、深く繋がり、激しく突かれる。

「あぁ、深いです、エミリオン様…ぅん、はぁん…あぁ、そんなにしたら、私…」

「ヴェリティ、乱れていい。君のなかが俺を離さないじゃないか。ああ、凄く善い、熱くてとろとろだ。ヴェリティの善いところ、いっぱい擦ってあげる。ほら、締め付けがキツくなった。」

恥じらうヴェリティが、想像以上に濡れていたことに気を良くしたエミリオンは、そのまま自身の昂りをヴェリティにつける。

「あっ、エミリオンさまっ、変になっちゃう!ああ、そんなにしたら、だめっ!!」

「ヴェリティ、愛してる、たくさん締め付けて、全部受け止めて!ああ、凄い、ヴェリティ、最高だっ!」

エミリオンはヴェリティのなかに長く吐精し、ヴェリティもきゅうきゅうと締め付けながら果てた。

「ヴェリティ、大丈夫?」

腕の中でぐったりするヴェリティを気遣い、エミリオンはそっと頬を撫でる。

「エミリオン様ったら…もう!これは、とんでもないおイタですよ?」

ちょっと怒ってみせたヴェリティに、エミリオンは頬擦りする。

「だって、ヴェリティが大好きだから、あんなに求められたら止まらない、」

「私も愛しています。エミリオン様が、私は私でいいと仰ってくださるから、私は素直になれるのですね…」

エミリオンの頬に手を添え、ヴェリティが口付ける。

「明日から仕事を始めよう。だから…」

「だから!?」

まだ繋がったままのエミリオンのものが再び大きくなり、ヴェリティは一瞬身を引こうと体を捩るが、エミリオンに腰を掴まれた。

「逃げないで?まだまだ収まらないんだ。」

「えっ!?また?あまりにも破廉恥が過ぎますわ!」

「うん、また!というか、まだまだ!!」

「ちょっ、エミリオンさまっ、待って!」

「待てない!!」

そのままヴェリティは、座ったり立ったり、エミリオンに好き放題され、騎士でもないエミリオンの体力に驚愕し、啼き続けたのであった。






ーーーーーーー


本日7時  スピンオフ
『嫌われ悪女は俺の最愛』 更新します

お時間ございましたら、グレイシアのお話もよろしくお願い申し上げます
╰(*´︶`*)╯♡



しおりを挟む
感想 252

あなたにおすすめの小説

私だけが愛して1度も笑ったことの無い夫が、死んだはずの息子を連れてもどってきた

まつめ
恋愛
夫はただの一度も私に笑いかけたことは無く、穏やかに夫婦の時間をもったこともない。魔法騎士団の、騎士団長を務める彼は、23年間の結婚生活のほとんどを戦地で過ごしている。22歳の息子の戦死の知らせが届く。けれど夫は元気な息子を連れて私の元に戻って来てくれた。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

傲慢な伯爵は追い出した妻に愛を乞う

ノルジャン
恋愛
「堕ろせ。子どもはまた出来る」夫ランドルフに不貞を疑われたジュリア。誤解を解こうとランドルフを追いかけたところ、階段から転げ落ちてしまった。流産したと勘違いしたランドルフは「よかったじゃないか」と言い放った。ショックを受けたジュリアは、ランドルフの子どもを身籠ったまま彼の元を去ることに。昔お世話になった学校の先生、ケビンの元を訪ね、彼の支えの下で無事に子どもが生まれた。だがそんな中、夫ランドルフが現れて――? エブリスタ、ムーンライトノベルズにて投稿したものを加筆改稿しております。

〈完結〉伯爵令嬢リンシアは勝手に幸せになることにした

ごろごろみかん。
恋愛
前世の記憶を取り戻した伯爵令嬢のリンシア。 自分の婚約者は、最近現れた聖女様につききっきりである。 そんなある日、彼女は見てしまう。 婚約者に詰め寄る聖女の姿を。 「いつになったら婚約破棄するの!?」 「もうすぐだよ。リンシアの有責で婚約は破棄される」 なんと、リンシアは聖女への嫌がらせ(やってない)で婚約破棄されるらしい。 それを目撃したリンシアは、決意する。 「婚約破棄される前に、こちらから破棄してしてさしあげるわ」 もう泣いていた過去の自分はいない。 前世の記憶を取り戻したリンシアは強い。吹っ切れた彼女は、魔法道具を作ったり、文官を目指したりと、勝手に幸せになることにした。 ☆ご心配なく、婚約者様。の修正版です。詳しくは近況ボードをご確認くださいm(_ _)m ☆10万文字前後完結予定です

処理中です...