【完結】 君を愛せないと言われたので「あーそーですか」とやり過ごしてみたら執着されたんですが!?

紬あおい

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11.想いを叫ぶ

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馬車が止まった瞬間、気持ちが弾む。

「いいお天気だし、外でのんびりしましょう?その方が絶対良いと思います!」

「そうだな。せっかくの海だしな。」

レリウスは、私の手を取って、砂浜へと駆け出した。

「うわぁー、キラキラして綺麗!」

「靴脱いで、水遊びしようぜ!」

子どもに戻ったように、二人で駆け回る。
海の水はそんなに冷たくなく、遊ぶにはちょうどいい。

はしゃぐレリウスは、今まで見たことがない位に眩しい笑顔だ。
ブルーの髪に太陽の光が当たって、シルバーのようにも見える。
改めて、美しい人だなと思った。

「レリウスさまー!」

「なーにー?」
少し離れた場所から、レリウスが聞き返す。

私は高々と両手を広げて、波の音に消されないように、大きな声で叫んだ。
精一杯の想いを込めて。

「私、たぶん、あなたが、すきっっっ!!」

レリウスは、あんぐりと口を開け、ゆっくりと手で顔を隠し、その場にヘナヘナとしゃがみ込んだ。
波打ち際に居たから、お尻濡れちゃうよ?などと咄嗟に思ってしまった。

急いで駆け寄り、顔を覗くと有り得ない位に真っ赤だ。

「大丈夫ですか??」

「リリ…それはトンデモナイ反則技だ……俺……今、一回死んだゎ……」

「あはははっ!こん位で死んでたら、私の相手は務まりませんわよ?」

青空と海と砂浜と、レリウスと。
自然の中に居るって思うと、悶々としていた自分が馬鹿らしくなった。
レリウスに自分は釣り合わないとか、そんなことも、どうでもよくなってきた。
釣り合わないなら、努力すればいいだけだ。

まだ、しゃがんだままのレリウスの耳に口を付けて囁く。

「大好き。」

レリウスは、波打ち際に倒れ込んだ。

「リリが俺を殺しにかかってる…心臓もたない…」

吹っ切れた私は、どうやら最強らしい。
へろへろに腰が抜けてるレリウスが面白くなってきて、倒れたレリウスに乗っかる。

「ほらほら、早く起き上がらないと、リリちゃんに弄ばれるぞー?」

「君って人は…とても敵わない気がしてきた…」

レリウスから降りて、手を引っ張って体を起こす。
あまりにもレリウスの顔が動揺しているので、ちゅっと口付けた。

「リリからの口付け…初めてだ…」

ちょっと涙目のレリウスは、普段見せる姿と全然違うから、私は嬉しくなる。
こんなにも表情豊かなんだな、この人は。

「レリウス様、私、決めました。あなたの隣が似合う女になるわ!だから、これからいろいろ教えてくださいね?」

「一緒に学んでいこ!仕事もアレも?」

「ちょっ、アレって!?」

「不埒なこと!」

「ば、ばかっ!!」

レリウスに羽交締めのように強く抱き締められて、深い口付けをされる。
まるで、我慢出来ないと言われているように熱くて激しい口付けは、しばらく続いた。
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