【完結】 君を愛せないと言われたので「あーそーですか」とやり過ごしてみたら執着されたんですが!?

紬あおい

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19.仕事に励む ①

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心が繋がったと本当に思えてから、私とレリウスは事業に関する場に常に同行した。
レリウスが、お飾りの公爵夫人になりたくないという私の希望を聞き入れてくれたのだ。

「リリ、今日は縫製工場を見学に行くぞ。最近ちょっと業績が頭打ちな感じだから、実際見て、何かアイデアが浮かんだら言って欲しい。」

「楽しみです!素人だから閃くことがあったりして?」

「そういう感覚、大事だよな。期待してる!」

縫製工場に着いた私達は、現場を見せてもらう。
この工場は、主に下着を製作していて、量産出来る。

「貴族用と平民用がありますけど、私は女性なので、そちらを重点的に見せていただきたいです。」

「では、女性の案内役を付けてもらう。」

「女性の下着ですから、レリウス様は遠慮してくださいね?」

レリウスは私と離れるのが不満そうだったが、そこは譲ってもらう。

早速、案内役のジュリーと見て回る。
貴族用は当たり前だが、平民用の生地も悪くない。
実際に見るまで考えたこともなかったが、下着は肌触りが大事だ。

「柔らかくて、肌触りがいいですね。縫製もしっかりしてるわ。皆さん、この下着を着用なさってるの?」

「はい。公爵様が割り引き価格で売ってくださるので助かります。」

(あらま!お義父様、なかなか素敵だわ。)

「働きながら困ることはない?例えば、月のものの時とか…」

「あー、ありますね。漏れてしまうとか…」

「クロッチの部分だけ交換出来たら助かるかしら?肌に触れないように、ボタンで付け外ししたら、漏れる前に交換出来るわよね。それだと技術的にとか工程的に難しい?」

「いえ、うちの工場ならいけると思います。」

工場見学に来た筈が、製品の打ち合わせになってしまったので、さすがに独断では難しいと思い、レリウスに相談する。
概要を話すと、レリウスも検討の余地ありと判断した。

「帰宅したら、父上と母上に提案してみる。リリも一緒に行こう!」

その後、公爵夫妻に提案し、具体的に実用化しようという話になった。

「こういった物を扱って、公爵家の品位は落とさないでしょうか…」

恐る恐る聞くと、全く問題ないそうだ。
公爵家としては、この先は家柄よりも財力だと思い、事業を拡大する予定だ。
頭打ちの日用品に、新たな下着はいいかもしれないと判断された。

「リリンス、失敗したとしても大丈夫だから、思いきりやりなさい。あなたはもう、うちの娘だからな。」

「そうよ、女性にしか分からない発想、とても良いと思うわ。」

「はい、お義父様、お義母様。頑張ってみます。」

公爵夫妻の言葉は嬉しくて、前向きな気持ちになった。
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