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15.いくつもの初めて *
しおりを挟む「リア、飯食おうぜ。」
ジークフリードは雰囲気を変えたくて、食堂にレナリアを促した。
レナリアは微笑んで、それに従う。
「ジーク、メニューがよく分からないから、適当に注文して?」
「あ……うん…魚と肉、両方だったな…」
ジークフリードは、レナリアが好きそうな物ばかり注文した。
それを見ながら、レナリアはジークフリードの様子がおかしいことに気付いていた。
(今夜、話をした方が良いかな…さっきのこと、気にしてるみたい…)
テーブルに注文した料理が並ぶと、レナリアはどれも美味しいと喜んで食べた。
ジークフリードは、努めて平静を装っていたが、ぎゅっと掴まれたような胸の痛みは消えなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その後、レナリアとジークフリードは、馬車で帰宅し、購入品を片付け、部屋でまったりと過ごした。
ジークフリードは、レナリアも疲れただろうと、早目に湯浴みの準備をした。
「レナリア、先に湯浴みしておいで。出掛けたから疲れを取るといい。」
穏やかに微笑むジークフリードは、いつもより元気が無いように見えた。
自分のせいでジークフリードに嫌な想いをさせてしまったようで、レナリアは申し訳ない気持ちになっていた。
「ジークも疲れたでしょう?一緒に入りましょう。今日は私が洗ってあげる。」
「えっ…?いいのか?」
「うん。一緒に入りたい。」
「分かった。」
浴室に入ると、言葉通りにレナリアはジークに湯を掛け髪の毛から洗い出した。
「人の髪を洗うなんて初めて!体もだけど。気持ちいい?」
「ああ、髪を洗ってもらうなんて、子どもの頃以来だ。気持ちいいもんだな。」
座って上を向いたまま目を閉じているジークフリードは、気持ち良さそうに、少し微笑んだ。
未だにいつもより元気が無さげなジークフリードに、閉じた目の上に泡を乗せ、レナリアはいたずらをする。
「こら!目が開けられないだろう?」
「あははっ、もっともっと泡だらけになっちゃえ!」
髪の毛の泡を集めて、ジークフリードの顔全体に乗せると、レナリアは一人で大笑いしている。
「もう、このいたずら坊主め!」
手で泡を払い除けたジークフリードは、やっと笑った。
レナリアは、お湯を掛けてジークフリードの泡を落とすと、頭を掴んで自らの胸元に抱き寄せた。
「おい!何やってんだよ!?」
豊かな乳房に顔を挟まれたジークフリードは、真っ赤な顔をしてレナリアを見上げる。
「だって…ジーク、元気が無い…」
ジークフリードは、不安が顔に出ていたのかと動揺し、反省した。
自分の勝手な想いはレナリアには関係ない。
「すまない。少し疲れていただけだ。」
「体も洗うね?」
レナリアは多くを詮索せずに、ジークフリードの体を素手で洗い出した。
今度は意地悪ではなく、顔や耳も気を付けながら丁寧に洗った。
ジークフリードの体は、騎士らしく筋肉質で綺麗だった。
「胸板も厚くて、がっしりしてるのね。初めてちゃんと見たかも。背中も広くて、素敵ね。」
小さな手で一生懸命洗うレナリアに、ジークフリードの理性と欲望の闘いが始まる。
レナリアの手が太腿に触れた時、一瞬理性が負けそうになったが、すぐに膝や足の脛に移動したので、ギリギリ耐えられた。
(レナリアは真面目に洗いながら話してるけど、また無自覚に煽るのか…?ふぅ、落ち着け、俺、の下半身…)
ジークフリードは、目を閉じて洗われていたが、陰茎に触られた瞬間、体がビクッと震えた。
「レ、レナリア、そこは自分で…」
「だーめっ!全部洗うからね?」
レナリアは大事な所だからと丁寧に洗えば洗うほど、ジークフリードの陰茎は滴り落ちるものが増える。
たくさんの泡に包まれ、洗うというよりレナリアの手で扱かれている状況に、ジークフリードは酷く興奮した。
「ねぇ、ジーク、洗っても洗ってもヌルヌルする。」
上目遣いのレナリアと目が合った瞬間、ジークフリードは限界を迎えた。
「レナリア、離れて!出てしまうっ!!」
ドクンと陰茎が弾け、びゅるびゅると白濁が飛び散る。
驚いた顔のレナリアの頭や顔、乳房にその白濁がかかり、ジークフリードは目が離せない。
(あぁ、俺のものでレナリアを穢している…子種塗れなのに綺麗だ…)
長い吐精の後に、レナリアがしみじみと言った。
「不思議ね。初めて見たわ。」
レナリアの初めて尽くしの湯浴みだった。
そして、ジークフリードは『初めて』という言葉を心底嬉しいと思った。
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