【完結】 私の全てを狂わせた暴君

紬あおい

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39.秘密

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翌日、私とレオン陛下は皇宮に戻った。
レオン陛下だけは連日の取り調べで忙しくしていたが、五日目には完了した。
その間は、朝早くに部屋を出て、夜遅く帰って来ることを繰り返し、すぐに寝てしまったので、今夜は久しぶりにゆっくり会話が出来そうだ。

「やっと片付くよ。」

「お疲れ様でした。」

夕食や湯浴みが済んで、穏やかな顔付きのレオン陛下。
難しい話はしなくてもいい。
レオン陛下が寛げる時間の方が大切だ。

「結婚式の後から忙しかったから、ひと月の休みは明日から取ることにしたよ。」

「大丈夫ですの?」

「問題ない。ノエルと過ごす時間の方が大事だ。」

「ここで過ごすのですか?」

「そうしようと思う。離宮は改装しようかと思ってる。子ども部屋と寝室以外はな。」

「それはいいですね。」

想い出の部屋はやっぱり残したいのだろう。

「ノエルはいろいろ聞きたくないのか?今回の件で。」

「レオンが話してくれたら聞くけど…話す話さないには、それぞれ事情があるんだろうと思うから、私から興味本位で聞くことはないわ。」

「やっぱり、俺、ノエルを妻にして良かったよ。いろいろ察しがいいし、機転が利く。そのおかげで、今回助かったよ。」

「レオンの態度がいつもと違っていたから、話を合わせただけよ。」

「そういう感覚が大事なんだ。実は離宮に行く前から嫌な予感がしていてね。ヘリオスのことは気付いていなかったんだが、何となくいつもと違うなって。だから、ノエルを抱かなかったんだ。ああいう時は全くの無防備というか、そもそも裸だし、意識がノエルに集中しちゃうだろう?だから、違和感が拭えるまでは閨事は控えて、ノエルの傍から離れないにしようと思ってたんだ。」

「意識が集中…ふふ…それに、私にそのことを言ったら、私が不自然な行動に出ちゃうからね。レオンは私を守る為に、子ども部屋も案内してくれたのね。やっぱり凄いわ、レオンて。」

「両親が毒殺された日、俺は両親の寝室にいたんだ。父上は苦しみながら、あのクローゼットの通路に俺を押し込んで助けてくれたんだ。あの通路は、父上と母上しか知らなかった。今は俺とノエルだけだ。ヘリオスも知らない。これからも二人の秘密だぞ?」

「分かりました。だから、改装しないんですね?」

「流石、ノエルだ。その通りだ。俺達の子どもが使うことがないようにするけど、万が一の備えだ。」

私は、離宮の違和感と言われた時、レオン陛下は反逆者を炙り出すところまで想定していたと気付いた。
それは、私を危険に曝すかもしれないが絶対に守る、完全に終止符を打つという固い意志だったと思った。

アレクシスやヘリオスがどうなったか、聞きたい気もするが、どうせもうこの世にはいない。
久しぶりに穏やかな顔で過ごしているレオン陛下には、今は聞けない。
休息は誰しも必要だから。
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