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6.公爵夫妻の決断
ファビオラは、扇の破損についてグラナードに相談することにし、執務室を訪れた。
「グラナード、ちょっといいかしら?」
「ファビオラ、どうした?この時間帯に珍しいな。」
エヴァンス公爵邸内は、使用人の管理が行き届いていたが、雇って半年のオーレリアがいろいろ問題視されつつある。
そして、今までは何となく有耶無耶にしていたが、遂に他人に罪をなすり付ける事態になった。
こんな時は、グラナードに意見を聞きたくて、事情を話すと、グラナードは少し考えた。
「ヴェリティは、エミリオンが気に入った令嬢だからな…」
「そうなのよ。ヴェリティだけでなく、オーレリアを疑うような証拠もないし。
恐らくオーレリアの仕業だとは思うけど。」
「ならば、ヴェリティをエミリオンの婚約者としてしまうか?」
「えっ!?」
「エミリオンは、ヴェリティに罪をなすり付けるような奴は許さないだろう。
だったら、最初から手が出せない地位にヴェリティを置けばいい。
婚約者という立ち位置なら、エミリオンに不釣り合いならば解消も出来るし。」
ファビオラは、じっと考え結論を出した。
「そうね…婚約期間は三年。その間、エミリオンは皇立学園と大学院を断トツの主席で卒業することを目指し、ヴェリティは公爵家の仕事をさせましょう。
その上で、ヴェリティがエミリオンに相応しいと判断したら、結婚もありですわね。」
「そこまでエミリオンに話すのか?あいつは絶対にやり遂げるぞ?」
「エミリオンには話しましょう。変に暴走されたら厄介だわ。
ヴェリティには、婚約者と言うだけにしましょう。
エミリオンの女除けで、仮の婚約者ということでいいと思いますわ。
いくらエミリオンの初恋でも、いきなり現れた伯爵令嬢を、次期公爵夫人として確約する訳にはいきませんから、それはヴェリティという人をよく見て判断したらいいわ。」
グラナードは、ファビオラの顔を見て、既にヴェリティを気に入っていることに気付いた。
グラナード自身も、何となく直感で、ヴェリティはエミリオンの相手として悪くないと思っていた。
だからこそ、オーレリアのような者が居る限り、ヴェリティを今のままにしておくと危険なのだ。
「ついでに、グレイシアの世話係にしたらどうだ?」
「あら、それはいいわね!最近、私も年の所為か、グレイシアの遊びに付き合うのが大変なのよ…よく喋るし…
だったら、午前中は仕事、午後はグレイシアのおもりを任せようかしらね。」
ファビオラは、穏やかなヴェリティなら元気なグレイシアの相手をするのに丁度いいだろうと判断したのだった。
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