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19.何度でも
エミリオンは、リリアンの我儘に少し付き合い、その後はヴェリティと共にグリーンベル湖を散策しようと思っていた。
エミリオンにとってリリアンは、幼馴染と言える程は親しくないし、公爵家同士の付き合いでしかなかったからだ。
「エミリオン様、お慕いしております。」
「僕は、心に決めた人と、既に婚約中だ。」
即答したエミリオンは、庭園で突然リリアンに告白され、抱き付かれて唖然としていた瞬間をヴェリティに見られたとは気付かなかった。
「先程の方ですか?あれは侍女でしょう?」
「君に話す義務はない。帰ってくれ。」
リリアンを冷たく突き放し、ハーレント公爵に引き渡したエミリオンは、ヴェリティを探して別荘内を見て歩いた。
(どこに行ったんだ?あれを見たのか!?」
焦って別荘を飛び出したエミリオンは、只管ヴェリティを探し歩き、辺りは暗くなってきた。
一度別荘に戻って、灯りを持ってこようとした時、馬車の中のヴェリティを見つけた。
(ここに居たのか…無事で良かった…)
キャビンで眠ってしまったヴェリティをそっと横抱きにし、エミリオンは別荘の客室に向かった。
その間、護衛騎士は、簡単な食事などの支度をし、控え室に下がっていった。
エミリオンは、泣き疲れて眠ったであろうヴェリティの寝顔を見つめていた。
己の欲に負けてヴェリティを怖がらせたこと、リリアンをその場で振り払わなかった後悔、どれもエミリオンを責め立てていた。
その時、ヴェリティが目覚めた。
「エミリオン様…」
「ヴェリティ!体調は大丈夫か?どこか痛いところはないか?」
矢継ぎ早に尋ねるエミリオンに、ヴェリティは心配を掛けてしまったのだと申し訳なさでいっぱいになった。
「すみません…」
「謝らなきゃいけないのは、俺の方だ。ヴェリティに対する欲が抑え切れなくて怖がらせた。」
「エミリオン様には、リリアン様のような方がお似合いだと思います…高貴なお生まれで、お年も釣り合う…」
「やめてくれ!俺は、ヴェリティしか要らない。ヴェリティじゃなきゃ、一生一人でいい。その位の覚悟は出来ている。」
何度も何度も真剣な想いを伝えてくれるエミリオンを、ヴェリティは信じようと思った。
こんなに自分を想ってくれる人には、もう出逢えないかもしれない。
「怖がって、疑って、ごめんなさい。エミリオン様は悪くない…」
「疑ってもいい。何度でも、俺はヴェリティだけだと伝え続けるから。
でも、怖がらずにヴェリティも受け止めて欲しい。
俺が欲情するのは、ヴェリティだけだから。」
エミリオンは、ヴェリティの指先に口付けを落とした。
「取り敢えず、食事をして、ゆっくりしよう。
今日から三日はここに泊まるし、先程のような邪魔者はもう来ない。
お互い、落ち着いて話をしよう?」
ヴェリティは頷き、エミリオンと向き合う決意をした。
ーーーーーーー
本業がお休みなので、不定期と言いながら連チャンで更新しております(^^)
本作以外に本編やスピンオフの関連作も掲載しております
【完結】
『大切な人と愛する人 ~結婚十年にして初めての恋を知る~』
【完結】
『嫌われ悪女は俺の最愛 ~グレイシアとサイファの恋物語~』
まだご覧になられていらっしゃらない方は、よろしければ、そちらもお願いいたします
╰(*´︶`*)╯♡
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