【完結・外伝更新】 「貴様との婚約は破棄する」から始まった私達

紬あおい

文字の大きさ
26 / 61

26.晩餐会 ①

しおりを挟む

陛下の訪問から、直ぐに晩餐会の招待状が届いた。
非公式ではあるが、五日後に皇宮にて開催される。
クリストファー殿下が、ヴァーミリアン侯爵家として出席する初めての行事となる。

「リーチェ、衣装の色味は合わせて行こう。ルビーのアクセサリーは持っているか?俺の瞳の色!」

クリストファー殿下は、準備に余念がない人だ。

「ルビーのネックレスならありますよ。ドレスはどうしましょう…」

「ちょっと見てもいい?リーチェのドレスを見てから、俺は決めるよ。今から仕立てても間に合わないし、陛下も気楽に来いって意味だと思うから。」

衣装部屋にクリストファー殿下を連れて行くと、既に母のエリザベスが居た。

「あら、リーチェも来たの。私とお父様は、濃紺で合わせようと思っているのだけど、殿下とリーチェはもう少し淡いブルーにしない?丁度そこにグラデーション・ドレスがあるの。」

(こういう時、社交に熱心でないと良いこともあるのよね。あのドレスを覚えている人は皆無ってこと。)

「殿下は、似たようなタキシード持ってらっしゃる?」

「あるぞ。グラデーションではないが、濃い部分がリーチェのドレスと似た色だ。リーチェ、あのドレスにしないか?露出も少なめで良い感じだ!」

「はっ!?そこですか?」

「一番大事だろう?」

クリストファー殿下は、どうやら独占欲がかなり強いらしい。
そんなに心配しなくても、私の相手が出来る人はクリストファー殿下しか居ないのに。

「リーチェ、君の汚名は払拭出来たんだ。俺以外にも君を狙う奴は居るぞ?これからは、気を付けて?」

クリストファー殿下は、心配性でもあるようだ。
でも、私は不安などない。

「でも、夫が居ますから。あなたは、誰よりも強いでしょう?」

「まあな。」

少し照れたその微笑みの裏にあるものを、本当に知っているのは父、だけかもしれない。
私には甘々な溺愛夫でいい。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇



そして、晩餐会当日。
ヴァーミリアン侯爵家として、皇宮の晩餐会に出席した。
母はいつも通り余裕がある顔付き、クリストファー殿下も通常運転だ。
しかし、私と父は顔面蒼白である。
クリストファー殿下は気楽にと言うが、ガッチガチに緊張しているのだ。

義父ちちうえ、リーチェ、もっと肩の力を抜いて?」

「あ、ああ、そうだな。」

頷く父は目線が合っていない。
く言う私も、ちょっとちびりそうな位に緊張している。
それは、クリストファー殿下の義理の母にあたる皇后陛下に対してかもしれない。

(継子の殿下をどう思っていらっしゃるのかしら…)

そんな不安を抱えながら待っていると、皇室ロイヤル一族ファミリーが登場した。

「うわっ、煌びやか!!!」

私は、また口から出ていたらしい。

「リーチェ、相変わらずだな!はっはっはっ!!」

ミスリム陛下が既に笑っていた。

「「「帝国の太陽、皇帝陛下、並びに皇后陛下、王子殿下に、ヴァーミリアン侯爵家一同、ご挨拶申し上げます」」」

出足でつまずいたが、ぴしっと挨拶は出来た筈だ。

「急な話だったが、皆揃って来てくれて嬉しいぞ。どうか楽にしてくれ。」
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

(完)なにも死ぬことないでしょう?

青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。 悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。 若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。 『亭主、元気で留守がいい』ということを。 だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。 ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。 昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。

(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。 なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと? 婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。 ※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。 ※ゆるふわ設定のご都合主義です。 ※元サヤはありません。

行き場を失った恋の終わらせ方

当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」  自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。  避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。    しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……  恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。 ※他のサイトにも重複投稿しています。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

(完結)元お義姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれど・・・・・・(5話完結)

青空一夏
恋愛
私(エメリーン・リトラー侯爵令嬢)は義理のお姉様、マルガレータ様が大好きだった。彼女は4歳年上でお兄様とは同じ歳。二人はとても仲のいい夫婦だった。 けれどお兄様が病気であっけなく他界し、結婚期間わずか半年で子供もいなかったマルガレータ様は、実家ノット公爵家に戻られる。 マルガレータ様は実家に帰られる際、 「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」と、おっしゃった。 信頼していたし、とても可愛がってくれた。私はマルガレータが本当に大好きだったの!! でも、それは見事に裏切られて・・・・・・ ヒロインは、マルガレータ。シリアス。ざまぁはないかも。バッドエンド。バッドエンドはもやっとくる結末です。異世界ヨーロッパ風。現代的表現。ゆるふわ設定ご都合主義。時代考証ほとんどありません。 エメリーンの回も書いてダブルヒロインのはずでしたが、別作品として書いていきます。申し訳ありません。 元お姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれどーエメリーン編に続きます。

(完)イケメン侯爵嫡男様は、妹と間違えて私に告白したらしいー婚約解消ですか?嬉しいです!

青空一夏
恋愛
私は学園でも女生徒に憧れられているアール・シュトン候爵嫡男様に告白されました。 図書館でいきなり『愛している』と言われた私ですが、妹と勘違いされたようです? 全5話。ゆるふわ。

(完結)だったら、そちらと結婚したらいいでしょう?

青空一夏
恋愛
エレノアは美しく気高い公爵令嬢。彼女が婚約者に選んだのは、誰もが驚く相手――冴えない平民のデラノだった。太っていて吹き出物だらけ、クラスメイトにバカにされるような彼だったが、エレノアはそんなデラノに同情し、彼を変えようと決意する。 エレノアの尽力により、デラノは見違えるほど格好良く変身し、学園の女子たちから憧れの存在となる。彼女の用意した特別な食事や、励ましの言葉に支えられ、自信をつけたデラノ。しかし、彼の心は次第に傲慢に変わっていく・・・・・・ エレノアの献身を忘れ、身分の差にあぐらをかきはじめるデラノ。そんな彼に待っていたのは・・・・・・ ※異世界、ゆるふわ設定。

処理中です...