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35.指輪のデザイン
しおりを挟む私とクリストファーは、ビオレータ皇后陛下とのお茶会の後、デザイナーのアリッサを訪ねた。
アリッサは、母のお気に入りのデザイナーだ。
「アリッサ、お久しぶり!」
「リーチェお嬢様、お待ちしておりました。クリストファー殿下、初めまして。アリッサと申します。」
アリッサは、母と同年代のデザイナーで、職業夫人の先駆けとなった人だ。
「結婚指輪の相談に来たの!」
「ドレスは宜しいのですか?」
「うん…ごめんね?本当はドレスも、と思っていたのだけど、先程ビオレータ皇后陛下のお茶会でご提案していただいて、クリストファー様のお母様のドレスが素晴らしくて…」
「そうでございますか!それは素敵ですね。全然構いません!!寧ろ、ドレスを拝啓させていただきたいですわ。サイズ直しなど、お手伝い出来ることがありましたら、お申し付けくださいませ。結婚式当日、私自らヴァーミリアン侯爵様のお邸に伺わせていただきます。リーチェお嬢様を帝国一の花嫁に仕立てて見せますわ!!」
アリッサの気合いに、クリストファーは笑いそうになっている。
「アリッサ殿、リーチェと仲が良いんだな。」
「ええ、私、リーチェお嬢様が赤ちゃんの頃から見ておりますから!ファースト・シューズもドレスも全て私のデザインした物をプレゼントさせていただきました。」
「では、ウェディングドレスは申し訳ないことをしたな…」
「いえ、大丈夫です!マタニティドレスを準備してお待ちしておりますから!!」
「マ、マタニティ…アリッサ、それはまだ早いわ…」
アリッサは意外な顔をする。
「あら?クリストファー様、まだ…?」
「や、やめろっ!リーチェにはいろいろ夢があるんだから!!」
「えっ!?何?クリストファー様??」
「なるほど!クリストファー様は、リーチェお嬢様をとても大切にしていらっしゃるのですね。ふふ。」
アリッサは察したように微笑んだ。
「では、後程リーチェお嬢様とクリストファー様の為に特別なプレゼントをお届け致しますわ。今は、指輪のデザインを決めて、早急に仕上げることと致しましょう。」
こうして、結婚指輪のデザインを相談し、シンプルな指輪にお互いの色を並べることにした。
「今、カラーダイヤモンドという珍しい物が入って来ていまして、リーチェお嬢様の瞳のお色のブラックや、クリストファー様の瞳のお色のレッドもあります。プラチナのシンプルな指輪に、この二色を並べて嵌め込むのは如何でしょう?」
「おっ、いいね!ブラックが重たく見えないし、レッドも派手ではないし、これならずっと付けていても大丈夫じゃないか?」
クリストファーはノリノリでアリッサと話している。
「二色並べた物も良いけど、囲むのも良くない?私の指輪はクリストファー様のレッドを真ん中にして、小さなブラックで囲むとか。クリストファー様の指輪は、その逆で。」
「リーチェお嬢様、その案いただきたいですわ!クリストファー様、宜しいかしら?」
「ああ、リーチェが良いなら。」
「あ、でも、あまり真ん中のダイヤモンドは大きくなくていいからね、アリッサ。飽く迄もシンプルで。」
「畏まりました。絶対にお二人のご希望に沿う指輪にして見せますわ!」
アリッサは気合い充分に微笑んだ。
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