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23.神のご加護
しおりを挟むしばらくイザークと座ったまま抱き合っていたが、疲れるかなと思い、私はイザークごと後ろに倒れてみた。
イザークは、少し驚いたが、私の胸に顔を埋めて、すりすりしている。
「イザーク、赤ちゃんみたい。ふふ。」
「メイの腕の中、落ち着く。」
私は、イザークの福々しい耳朶を指で摘んで遊ぶ。
ぷくっとしていて、耳朶まで可愛らしい。
「メイ…凄く良かった…ありがとう…」
「私も。イザークが解しててくれていたから、あまり痛くなかったですよ?」
「あ…でも、少しは痛かったんだな。気遣えなくて、すまない。俺、夢中で…」
「大丈夫です。気持ち良かったです。」
「そうか、良かった…」
不意に胸に温かいものが流れる。
(イザークが泣いてる…?)
「メイ…俺はさ、家柄とか家族とか、人より恵まれた環境に育ってきたと思ってる。だから、呪いとか運命とか、あまり考えないように、他人とは上辺だけでも上手くやろうと思ってきた。でもさ、メイを見つけた瞬間、俺の全てが変わった。メイの前ではいい男でいたい、笑わせたい、幸せにしたい、感じさせたい。恥ずかしいところも全部メイに見せたい。メイに何かあったら、怒りさえも抑えられない。これが執着や束縛でも…もうメイから離れられない。」
イザークの涙が私の胸に直に染み込んでいきそうだ。
それは、とても温かく優しく流れる。
「イザークの気持ち、嬉しいです。私は見ての通り、人より秀でたものは特にありません。何故イザークの運命の人なのか、未だに分かりません。でも、一つ分かるのは、呪いじゃなくて、神のご加護としか思えなくて…だって、普通に考えたら、イザークに相手にされる訳ないもの。ふふ。」
「そんなことない!メイは俺と出会わなかったら、まだまだたくさんの男と出会っただろう。その方が幸せになれるかもしれないし、可能性を奪ったのではないかと思ったりもする。だけど、それでも、もう俺はメイを愛してしまったから、絶対に離さない…」
「離さないで。例え、イザークの運命の人が私以外にも居たとしても、私も、もうあなたを離さないからね?」
泣き止んだイザークが嬉しそうに微笑むと、ちんこも反応する。
「下の子も納得して、喜んでますね。ふふ。何か全部愛おしいです。」
「じゃあ、こいつをもっと喜ばせないとな。」
今の会話のどこにスイッチがあったのかは分からないけど、イザークは私の乳首を吸い出した。
「えっ!?また?何回もするものなの?」
「何度でも!!」
回数までは考えていなかったが、イザークが満足するまで付き合おう。
こんな完璧な人に執着や束縛されるなら、いくらでも従おう。
きっとイザークは、神様が私にくれた贈り物だ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次はカルロス視点のお話となります😊
お嬢様をディスる年下騎士の心のうちを一話にまとめました🙌
その後、二話で完結となります
(全二十六話)
最後までお付き合い、よろしくお願い申し上げます🥺💗
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