【完結】 女に弄ばれた夫が妻を溺愛するまで

１２．通じた想い ＊

お互いに、やっと落ち着いたので、抱き合ってベッドに横になった。
アヴィスは、チラチラと私を見ていて、下腹に当たる塊が存在感を示している。

「まさか、アヴィス様…？」

「だって、お互い、裸だから…」

「生理現象と言いたいのですね？」

「俺…最低…」

不思議と私は、この目の前の人を正直過ぎて馬鹿だけど、可愛らしいと思ってしまった。
私もどこか壊れたのかもしれない。

「しましょうか…あなたのしたいこと…」

「えっ？いいのか？」

「愛情たっぷりに抱いてくださるなら…」

その瞬間、歯がぶつかった。

「痛いんですけど？？」

「すまない、気持ちが急いて…」

「落ち着け、お馬鹿！！」

ふっと笑ってアヴィスが口付けてくる。
一頻り、舌を絡めあって唇が離れる。

「ノアは何があっても、最後は受け止めてくれるんだな。ありがとう。愛してるよ。」

「あまり油断しないで？」

「分かってる。ノアが俺を好きで好きで堪らないって思う位、大事にする。」

「今もかなり愛してますわ。一目惚れだもの、あなたに。」

「君はっ！もう、俺、君に夢中だ。今夜は寝かせない！！」

深い口付けから、舌は乳首に移る。
たまに甘噛みされると、私も昂ってくる。

「あぁん、噛んじゃだめぇ…」

思う存分、胸を弄んだ後、足を開かせ間に入る。
掌を大きく上下して、陰唇から溢れ出る蜜を確かめる。
ペロリと掌を舐めて「甘いな」と呟いた顔にきゅんとなる。
アヴィスのあの顔、好きだ。

「ヒクヒクしてる。欲しがってる？」

「ち、ちがぅ…そんなんじゃ、ない…」

すっかり立場が逆転したようで悔しい。
体を起こして肉棒を咥えると、アヴィスは焦る。

「ちょ、ま、待て！それはダメだ！！」

言葉とは裏腹に腰を迫り出して、私の舌を感じている。
頭を押さえ付けたいのか、手が迷子になっているので左手は繋いであげる。
私は知識と右手と口を駆使して、アヴィスを高みに導く。
繋いだ手は痛いくらいに握られる。

「ぅわっ、ノア、ダメだ！出そうだから、やめっ…もう…くうっ、いくっっ！！」

弾けて小さくなったものをきれいに舐め取ると、アヴィスは、へなへなとベッドに倒れ込む。
背中を丸めて、はぁはぁと息をしている。
私は隣で背中を撫でて、ヨシヨシする。

「ノア…良かった…良過ぎた…」

「それは良かったです。あなたは可愛らしい人ですね。ふふ。」

「なぁ、ノア。俺、君が好き過ぎる。もっと早く出会いたかった。」

「早く出会ったら…あなたは私を見てくれなかったかもしれないわ。いろいろあって、今が在るんじゃない？」

「そっか…この先ずっとノアの傍に居たい。愛してる。」

「私も愛してます。ずっと片思いだと思ってたけど、今は幸せです。」

向き合って、手を繋いで、口付ける。
お互いの笑顔に心があたたかくなる。

「ノア、上になって？そういうの、してみたい。」

「いろいろ教えて。」

「そこまで詳しくないよ。咥えてもらったのも初めてだし。」

「え…そうなの？てっきり…」

「威張る程の経験は無いし、ノアとするのが気持ちいい。二人でいろいろ覚えていこ？」

「うん。一緒に、ね。」

この夜、いろいろ試し過ぎて、気付けば朝日が昇っていた。
筋肉痛だねと笑うアヴィスを、また可愛らしい人だと思った。

こんな夜も、こんな朝も。
これからたくさん迎えるだろう。
不器用な二人がいつも笑って居られるように、お互いを大切にしていこう。
私とアヴィスの人生、出会えて良かったと締め括れるように。


【完】