【連載版】 極秘任務で使いたいから自白剤を作ってくれと言った近衛騎士団長が自分語りをしてくる件について

紬あおい

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8.緩やかに追い詰められて




リンネの手のあたたかさを感じながら、リースハルトは小さく呟き続ける。

「愛してる、愛してるんだ、リンネ…唯一の理解者だった祖母を亡くし、両親や兄とも上手くいっていない俺は、いつも孤独だった。
リンネは、俺のたった一つの希望なんだ……」

リンネは、涙の伝う頬に頬擦りし、背中に腕を回し、リースハルトを抱き締めた。

(あぁ…この人は本気で私を…それに私は、尊重されることのないつらさを誰よりも知ってる…この人は、私を認めて求めてくれる人なんだ。)

リンネの心にじんわりと、でも確かにリースハルトの想いが染み込んでいく。

「騎士団長様、そのお気持ち、受け止めます。こんな私で良かったら…」

リンネは、リースハルトの想いと涙を唇でも受け止める。

「リンネがいいんだ。リンネじゃないと駄目なんだ。リンネしか要らない。」

リースハルトの唇が、そっとリンネの唇に下りてくる。
触れるだけなのに、少し吸われるような不思議な感覚。
やわらかく、あたたかく、心地良く。

(媚薬の所為かもしれないけど、自白剤が効いているなら、これは騎士団長様の本当の気持ちなのよね…)

「騎士団長様…私をあなたのものにしてください。」

リースハルトの下腹部は更に膨らみ、その瞳は切なげにリンネを見る。

「リースハルトと…呼んで欲しい。」

「リースハルト様…」

「リンネ!!!」

噛み付くような口付けは、リンネの唇を割って激しく舌が蠢き、くちゅくちゅと水音が響く。
リンネの舌を捕らえたリースハルトのそれは、執拗に絡め、唾液を啜る。

(媚薬と酔いの所為でもいい。こんなにも望んでくださるなら…それで、リースハルト様が楽になるなら…この人が何を抱えて生きてきたのか、知りたい。)

「リンネの唇も舌も甘いな…これは癖になる…」

一頻りリンネの口内を味わい、うっとりとした瞳で呟いたリースハルトは、夜着を引きちぎるように脱ぎ去った。
その鍛え上げられた体躯は、あちこちに傷痕が残り、リースハルトの生き様の断片を表していた。

「リンネの布も邪魔だ。」

リンネの手を引っ張って座らせると、ナイトドレスの肩に手を掛けたリースハルトは、一気にずり下げた。

「あぁ、リンネ、美しい…」

「ひゃっ…」

リンネが隠す間もなく露わになった乳房に、頬擦りし、つつつと舌を這わせるリースハルトは、宝物を扱うように触れてくる。
それは、僅かに残った自制心で昂る身体を抑えて、リンネを怖がらせない為の気遣いだろう。

れろっと乳首を捉えたリースハルトの舌は、くるくると嬲るかと思えば、押し潰すように刺激の強弱をつけ、リンネは初めての感覚に身を震わせる。

「ん……ぁあん…ああぁ…」

リースハルトの手も唇も舌も、全てがリンネに少しでも快感を与えようと、優しく執拗に、でも、緩やかにリンネを追い詰めていくのだった。


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