【連載版】 極秘任務で使いたいから自白剤を作ってくれと言った近衛騎士団長が自分語りをしてくる件について

紬あおい

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15.再びの自白剤




その夜、リンネが今日の分の後片付けをしていると、リースハルトがやって来た。
緊張したこの前と違い、白い騎士服姿のリースハルトは眩く見える。

「もうちょっとで終わりますので、椅子に掛けてお待ちいただけますか?お話は聞けますので、話してください。」

内心ではドキドキしながらも、自白剤の話かと思っていたリンネは、いつ切り出すのか、後片付けをしながら待っていた。
しかし、作業が終わるまで、リースハルトはひと言も話さずに待っていた。

「終わりました。で、お話があるのですよね?」

「一緒に帰ろう。」

「えっ!?」

リースハルトは立ち上がり、リンネの手を取り歩き出した。
反対側の手には、何故かリンネの鞄を持っている。
困惑しながらも、嫌ではないなとリンネはリースハルトに着いて行くことにした。

そして、馬車に揺られ、到着したのはフェルディナンド公爵家の別邸だった。
リースハルトの中では、もう一緒に住むことは決定事項なのだろうか。

「今夜は、チキンを用意させた。牛肉の方が良かったか?」

到着するなり食堂に連れて行かれるリンネ。

「チキンも好きです。基本的に口に入れば何でも食べます。」

「昨日の牛肉は、特に美味そうに食べていたな。覚えておく。」

美しい所作で食事をするリースハルトは、低い声でぼそぼそと、でも、リンネとの会話を愉しんでいるように見えた。

食事が終わると、リースハルトは昨日の部屋ではなく、私室にリンネを案内した。
そして、無言のまま自白剤を口にした。

「ちょっと!リースハルトさまっ、それは!!」

どかっとソファに座り、リンネに来いと手招きした。

「リンネ、やっとくっ付けるな。」

ふにゃりと笑ったリースハルトは、リンネを持ち上げ、向き合うように座らせた。

「あっ、あのっ、これは!?」

「恋人の時間だよ?リンネは嫌?」

「い、嫌ではないなですが、先程までと別人じゃないですか!?」

「自白剤がないと思うように話せないんだ…」

(あ……口下手だから…?)

リースハルトは、リンネの頬を指で突き、顔を赤らめる。

「うっかり口を開いたら…リンネ、可愛い、大好きだ、愛してる、口付けたい、舌を吸いたい、いや、絡めたい、胸に触りたい、乳首も吸い付きたい、寧ろ挿れたい、リンネのなかを滅茶苦茶にかき回して、奥にぶち撒けたい、ああ、リンネが欲しい!って、叫びそうになるんだ。」

リンネはぽかんと口を開けたまま、リースハルトを見ていた。
そして、我に返りリースハルトに告げた。

「  ち   ょ   っ   と   だ   ま   れ  」

(とんでもない下ネタじゃない…自白剤の反対って何かしら!?自白阻止剤?口を閉ざして喋れなくする緘黙剤かんもくざい?どうしたらいいの、この人…)

「すまない、こんな奴で…」

しょぼんとするリースハルトに、リンネは何かトラウマがあるのではないかと考えた。
人前で感情を出さない為に、寡黙を貫いているのではないかと思ったのだ。

「もしかして、感情を出さないように教育されてきましたか?」

はっとしたリースハルトは、俯き加減で過去を語り出した。


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