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23.今は言えない
しおりを挟む陛下達との謁見という食事会を終えて、リースハルトとリンネは別邸に戻って来た。
そしてリンネは、陛下達との話で疑問に思っていたことをリースハルトに尋ねることにした。
「リースハルト様、ガルディアン公爵様になるって、いくら陛下の決めたことでも大丈夫なのですか?エルネスト帝国には、フェルディナンド公爵を含め、四つの公爵家があるではないですか。」
「リンネはそういうことも気になるのか。
リンネと二人きりだから話すけど、公にはしていないが、高位貴族の毒殺未遂事件が何度かあってな。
俺は兎も角、殿下が危なかったことがあるんだ。
だから、ガルディアン公爵家を新たに授爵し、俺がリンネを護るから、解毒剤を調合してもらいたい。
毒薬は、年々タチの悪い物を仕込まれて、毒味役も何人か亡くなっている。
もし、陛下や殿下達が口にしていたらと思うと恐ろしいよ。」
仕事モードのリースハルトは、リンネが想像もしたことがない事実を淡々と告げる。
「一体、誰が…」
「すまない、それはまだ言えない。言うべき時が来たら必ず話す。これからは、二人きりの時に俺が言うことだけを信じて欲しい。」
「分かりました。今のお話だけでも聞かせてくださって、ありがとうございます。
何が出来るか分かりませんが、頑張りますね。」
「リンネは、俺の命を賭けて護る。」
リンネは、返事の代わりに口付けた。
それは、リースハルトに対するリンネの信頼を最大限表したものだ。
「リンネ、愛してる。」
「私も愛しています。いきなり来て、私の全てを変えてしまうリースハルト様だけど。ふふ。
でも、約束してください。私を護るだけでなく、リースハルト様もご自身を護ってください。
そうでないと、二人の誓いの『共に努力し共に輝く』というPariter Nitentesが成り立ちませんからね?」
「ああ、何度でも誓おう。」
「リースハルト様、大好きです。」
重なる唇は、お互いを求め癒し昂らせる。
全てを奪い尽くすような口付けに、リースハルトもリンネも溺れていく。
「リンネ、ベッドへ!」
「まだ明るいっ!!!」
リースハルトは有無を言わせず、リンネを連れ去る。
その速さはリースハルトの熱さを物語っているようで、リンネは鼓動が高鳴るのを感じた。
そして、ふわりと下ろされたリンネは、くるりとうつ伏せにされ、ドレスがするりと脱がされていく。
(あっ、仕事着と変わらないドレスで陛下にお会いしちゃったなぁ…)
リンネが考え事をしていると、リースハルトは背中いっぱいに吸い痕を付けまくっていた。
ふと我に返り、振り返ってリースハルトを見ると、それはもうご満悦で微笑んでいた。
「次は前だ!」
「首元は駄目ですよ!」
「何でだ!?」
「見えちゃうじゃないですか!また薬師長に嫌味を言われます。リースハルト様のこと、好ましく思っているようなので。」
リースハルトは呆れた顔でリンネに言った。
「ああいう手合いは、薬師部屋を辞めたとしても厄介かもな。まあ、リンネに手を出したら殺るだけだが。」
「やる…?」
「大丈夫、心配要らない。だが、吸い痕が人目を引くなら気を付ける。(見える所は。)」
「そうしていただけるなら。」
リンネは気持ちが伝わったと喜んだが、微妙にズレていたのはご愛嬌だ。
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