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42.隠し玉
リンネはリースハルトと共に温室に行き、早速解毒剤の調合しようと、材料を集め始めた。
「うわっ!!!」
「リンネ、どうした!?」
「Langue de serpentがボーボーに生えてます!この温室、環境が良いみたいですね!!」
「ボーボーって。あはははっ!リンネと一緒だと、気分が明るくなるな。」
難しい顔をしていたリースハルトが急に笑い出したので、リンネは驚いた。
仕事モードのリースハルトが声を出して笑うところを初めて見たからだ。
(リースハルト様、良いお顔だわ。こんな時だからこそ、笑う余裕が欲しいのよね。よし!頑張ろう!!)
リンネは、そこから夜まで只管調合し、毒薬で荒れた器官を修復する薬も準備した。
そして、毒薬の成分について、あることに気付いた。
「取り敢えず、陛下達の様子を見に行きませんか?」
リースハルトに声を掛けると、こくりと頷いたので、二人で薬を持って行くことにした。
リースハルトが護衛騎士に告げると、ジルフリード殿下がすぐにやって来た。
「リースハルト、リンネ、陛下と兄上の様子を見てくれ。医師は大丈夫だと言うのだが、やはり心配で…」
早速寝室に入ると、陛下もシルヴェスタ殿下もソファに腰掛ける程に元気だった。
「陛下、殿下、お体は如何ですか?」
「おお、リンネ。そなたの解毒剤を予め飲んでいたからか、思いの外ダメージは少なかったぞ。ただ、毒を盛った者を欺く為、シルヴェスタと少し大袈裟に倒れてみた。これは秘密だぞ?」
「陛下と私は、上手く演技出来ていたか?」
「なかなかの俳優振りだったと思うぞ?」
「あぁぁぁぁ…良かった…」
微笑む陛下にリンネは安心して腰が抜けた。
「ほら、リンネ、お二人にもう一つの薬を。」
へたり込むリンネにリースハルトが声を掛ける。
「あっ!そうでした!!こちらは荒れた喉や胃を修復する成分を調合しました。解毒剤と一緒にお飲みいただくと、体外に排出する手助けもしてくれる筈です。」
「そうか、いろいろありがとう、リンネ。」
「リンネの知識は凄いな!」
躊躇わずに薬瓶を開け飲み干す姿を見て、リースハルトは二人がリンネを信用していることを嬉しく思った。
「リンネ、申し訳ないがベントレット国王とアンジェリーナ王女にも薬を頼む。犯人が判らず、薬を提供するのもどうかと思うが、一応国賓だからな…」
リースハルトは少し考え、陛下に進言した。
「では、薬だけ届けましょう。しかし、リンネが調合したと明かしたくないです。誰に目を付けられるか分かったもんじゃない。」
「それもそうだな。Apothicair impérialというのは秘匿だからな。皇室専属薬師のことは伏せて、薬は渡すが、飲むか否かはあちらに任せよう。」
「では、私が持参しましょう。すり替えられて、また問題が発生したら目も当てられない。」
「ジルフリード殿下、お願いいたします。」
「リンネは我々の隠し玉だな。」
「いえ、リンネは俺のものです。」
しれっと言ったリースハルトに、リンネは真っ赤になり、陛下達は苦笑いをしたのだった。
そして、ジルフリード殿下が解毒剤を持って部屋を出た後、リンネは毒薬の成分について語り出した。
ーーーーーーー
今朝の5時から新連載スタートしました
タイトル
『契約が終わったら静かにお引き取りくださいと言ったのはあなたなのに執着しないでください』
お馬鹿なイケメン公爵令息のじたばたストーリーとなっております
リースハルトみたいなカッコよさは全くありません(゚∀゚) テヘッ
よろしければ、お読みいただけますと幸いです
╰(*´︶`*)╯♡
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