【連載版】 極秘任務で使いたいから自白剤を作ってくれと言った近衛騎士団長が自分語りをしてくる件について

紬あおい

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45.二人の夢

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それからリンネは、ひと月掛けて新たな解毒剤を調合した。
レリクシールという名前で、あらゆる毒を無効化する薬だ。

「リースハルト様、レリクシールは事後に服用していただく物です。今までのラング・ド・セルパンは、事前に服用し毒を吸収しないように保護する役目が大きかったのですが、レリクシールは事後に服用します。
陛下や殿下は今まで通り、前後に服用いただくとして、そうでない方達は事後にレリクシールを飲ませる形になります。」

「事後に飲ませるのは、なかなか人手が必要だな。液体や粉をカプセルに入れることは出来るか?」

リンネは、はっとしてリースハルトを見た。
あらゆる事態を想定し、迅速に服用させる方法まで考えているからだ。

「カプセル、いけると思います。濃縮させた液体をカプセル剤にしましょう。異変を感じたら、即座に口に入れ噛み砕くイメージです。」

「陛下や殿下は予め口に含み、危ないと感じた瞬間に噛み砕くのもありかもな。」

「なるほど!解毒剤の濃度は変えられますので、カプセルの大きさや硬さも重要ですね。リースハルト様の発想や、状況を考慮なさる視野の広さは凄いですね。」

「リンネの薬師としての手腕と、俺の思い付きが合わさると、なかなか良い案が出るのではないか?視野が広いのは、その分いろいろ経験してきただけだ。」

どんどん溢れるアイデアに、リンネはわくわくし、リースハルトはそんなリンネを見ているだけで穏やかな気持ちになった。

「その内、アグラス村にも行こう。ラング・ド・セルパンの栽培を拡大して、村の利益に出来るか、村長のヤンソンにも相談したいしな。
それに、子ども達がリンネに会えるのを楽しみにしている。土産でも持って行くか。」

「いいですね!私も楽しみです。」

「あの荒れ果てた地を薬草の栽培地にする夢が出来たな。」

「アグラス村に移住するのもいいかもしれませんね。」

「リンネの薬屋でも開業するか。俺は用心棒で。はははっ!」

リンネは、田舎暮らしでリースハルトと生きるのも楽しいだろうと思った。
社交界など興味がない者同士、のんびり自然の中で暮らす。
そして、何れ子ども達に囲まれて、賑やかな家庭を持つ。

(リースハルト様となら幸せだろうなぁ。)

リンネは、初めて誰かと生きることを想像した。
手に職を付けて、一人でも生きていけるようにと考えてきたリンネは、リースハルトが自分を見つけてくれたことに感謝する。

「リースハルト様、ずっと一緒に居てくださいね?」

「ああ、もちろんだ。リンネと離れられないのは俺の方だ。」

リースハルトは、リンネをぎゅっと抱き締めて頬擦りした。
すべすべとしたリンネの頬に唇を寄せ、滑るように口付けると、リンネも応える。

「リンネ、今夜はゆっくり愛していいか?一晩中リンネを抱きたい。」

こくりと頷くリンネは、久しぶりに二人の家に帰れる喜びを噛み締めた。




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