2 / 2
癖になるって言われても…
しおりを挟むある夜の寝室でのお話。
私ととロイドは、結婚して半年を迎えた。
ロイドは騎士を辞したが、相変わらずアーサー王子殿下の側近は辞められず、月に一、二回は呼び出されている。
しかし、そろそろユーグレナ侯爵家を代替わりさせたいオーラが両親から出ている。
(全くお父様ったら、いくらお母様が大好きでも、執務を放り出してまで一緒にいたいとは…ロイド様がお優しい気質で良かったけど、婿入りして半年で侯爵なんて…)
ロイドとの結婚生活には問題はないが、家のこととなると、私は悩みが尽きない。
「シャノン、どうした?」
「お父様ったら、お母様にべったりくっ付いていたいからって、侯爵をロイド様に譲るって言い出したの。ロイド様が出来ないとは思わないけど、負担にならないか、私は心配なの…」
「ああ、そのことか…義父上に言われたよ。早くから経験を積んで、立派な侯爵になりなさいと。でも、義母上とくっ付いていたいとは言わなかったな。あははは。」
「もう、お父様ったら!ロイド様なら言い包められると思ったのね!?全く、悪知恵だけは働くんだから。」
「そんなに心配しないで?義父上は、丁寧に何度でも教えるからと言ってくださるし、実際分かりやすいよ。シャノンもいるし、安心して実務にあたれる。」
「もう、ロイド様ったら、真面目なんだから!そんな可愛いことを言われたら、ご褒美あげたくなってしまうわ。」
「ご褒美!!!」
「何か欲しい物がありますの?いつもロイド様は贅沢をしないから、たまには言って?」
そこでロイドが赤面した。
(ん!?何、このお顔は!?怪しいわっ!)
「じ、実は…」
「遠慮なさらないで言ってみて?」
「小さくして、口に含んで欲しいんだ…」
「チイサクシテクチニフクンデホシイ……?……っ!まさか!あなたっ!?」
「アレ…を、だ………」
「あ、あれは、あの時、ロイド様の貞操をお護りする為に使った異能で…」
「分かってる!けど、癖になるんだ…」
「クセニナル……?」
「シャノンの可愛い口に丸ごと咥えられて、くちゅくちゅと嬲られて、それはもう、心地良くて、心地良くて。あ、でも、普段も心地良いのだぞ?未だにキツくて、包まれながら溶けるようなシャノンの中は最高で。」
「でも、あの時の快感が忘れられない、と?」
「そうなんだ!だから、お願い!!」
普通にしていれば、真面目で、性欲すらなさそうに見える爽やか美丈夫ロイドが、こんなことを考えていたとは、私は内心呆れた。
「ねぇ、シャノン、お願い聞いて?」
(いつから私の夫は小悪魔になったのかしら…全く…可愛くて可愛くて、こっちから襲いたくなるじゃないの!)
私はお首にも出さず、仕方なしにお願いを叶える振りをする。
「もう、しょうがないわねぇ…」
「い、いいのかっ!?シャノン!!」
「はい。では、いきますわよ?」
「うん!」
「小さくなぁれ!えいっっっ!!」
ロイドがあの日とは違い、期待して下腹部を見つめる。
「へっ!?シャノン!小さくならない!!」
「はっ!?」
「ほら、見て!!」
下穿きをずるりと下げたロイドは、イチモツを私の目の前に披露する。
「シャノン、どうして!?」
私はロイドのロイドをじっと見つめる。
「ロイド様………」
「なぁに、シャノン?」
「どうやら…ロイド様が興奮し過ぎて、小さくならないようです………」
「……………シャノン……」
ロイドは恥ずかしそうにイチモツと私を交互に見る。
「あ、あの…シャノン、このまま…」
「このまま…して欲しい、と?」
「すぐっ、すぐ終わるから!」
きっと私の顔は、によによしていたのだろう。
断らないことに、ロイドは気付いている。
いつだって、私はロイドに甘いし、甘やかされているのだ。
「すぐに終わる?それは、どうかしら?」
私はロイドのイチモツを咥え、その根元を左手でしっかり掴んだ。
「ひぃっ!シャノン、何を!?」
口は先端を執拗にしゃぶり、右手は適度にイチモツを扱く。
じゅるっ、じゅるっ、ちゅぱちゅぱ
水音とロイドの息遣いだけが響く部屋。
「シャノン、そんなにしたら、すぐ出そうっ!」
上目遣いで、まだまだよ?と合図するが、ロイドは虚な瞳で私を見ている。
「あああー、シャノン、出そうっ!」
ぎゅっと左手でイチモツを握ると、ロイドは泣きそうな悲鳴を上げる。
「シャノン、ねぇ、シャノン!お願い、イかせてっ!!」
握った左手はそのままに、手も口も離して、ロイドをじっと見つめる。
「シャノン…意地悪だ…」
「大きいままと、小さくしたのと、どちらが気持ちいい?」
「……どっちも、いい……」
小悪魔な夫にもう異能は必要ないようだ。
【完】
198
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私と彼の恋愛攻防戦
真麻一花
恋愛
大好きな彼に告白し続けて一ヶ月。
「好きです」「だが断る」相変わらず彼は素っ気ない。
でもめげない。嫌われてはいないと思っていたから。
だから鬱陶しいと邪険にされても気にせずアタックし続けた。
彼がほんとに私の事が嫌いだったと知るまでは……。嫌われていないなんて言うのは私の思い込みでしかなかった。
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
これは王命です〜最期の願いなのです……抱いてください〜
涙乃(るの)
恋愛
これは王命です……抱いてください
「アベル様……これは王命です。触れるのも嫌かもしれませんが、最後の願いなのです……私を、抱いてください」
呪いの力を宿した瞳を持って生まれたサラは、王家管轄の施設で閉じ込められるように暮らしていた。
その瞳を見たものは、命を落とす。サラの乳母も母も、命を落としていた。
希望のもてない人生を送っていたサラに、唯一普通に接してくれる騎士アベル。
アベルに恋したサラは、死ぬ前の最期の願いとして、アベルと一夜を共にしたいと陛下に願いでる。
自分勝手な願いに罪悪感を抱くサラ。
そんなサラのことを複雑な心境で見つめるアベル。
アベルはサラの願いを聞き届けるが、サラには死刑宣告が……
切ない→ハッピーエンドです
※大人版はムーンライトノベルズ様にも投稿しています
後日談追加しました
運命の人ではなかっただけ
Rj
恋愛
教会で結婚の誓いをたてる十日前に婚約者のショーンから結婚できないといわれたアリス。ショーンは運命の人に出会ったという。傷心のアリスに周囲のさまざまな思惑がとびかう。
全十一話
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
私の夫は妹の元婚約者
彼方
恋愛
私の夫ミラーは、かつて妹マリッサの婚約者だった。
そんなミラーとの日々は穏やかで、幸せなもののはずだった。
けれどマリッサは、どこか意味ありげな態度で私に言葉を投げかけてくる。
「ミラーさんには、もっと活発な女性の方が合うんじゃない?」
挑発ともとれるその言動に、心がざわつく。けれど私も負けていられない。
最近、彼女が婚約者以外の男性と一緒にいたことをそっと伝えると、マリッサは少しだけ表情を揺らした。
それでもお互い、最後には笑顔を見せ合った。
まるで何もなかったかのように。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる