俺と幽霊

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1話

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「え~と。まず、お名前は?」

ボロいアパートで独り暮らしをしていたはずだったが、ある日突然、俺の家に幽霊が現れた。

「・・

なぜこんな事情聴衆みたいなことをしているのか俺さえ不思議には思っている。でもこの幽霊は何故か、怖いとか呪われるだとか、そういった感情は感じない、自分でもビックリするほど冷静でいられる。

いや、少し違う。
『やっぱり出たか』
アパートが築20年以上とわかっていた時から覚悟はしていた。

「では、死因は?」

「・・・・わかりません」

「なんか、恨み的な事は?」

「・・・な・ないと思います。」

「じゃぁ、帰れ。」

「どこに!」

忘れてた。
てか、多分だけどここの住人だろうな。

「すまん。今の無かったことにしてくれ。なら成仏しろ」

「してたらしてるよ!」

逆ギレされた。
これで恨まれたりされないよな。

この、40代後半の冴えない見た目をしジャージ姿の男性はどうやら生前の記憶がないらしい。

「ここに居させてよ~」

俺の方に浮遊しながらゆっくりとすがってきた。俺はそういった趣味は無い。そのため俺はおっさんの顔面を蹴り飛ばした。いや実態がないから正確には蹴ってはないし多分ダメージもないだろう。それに蹴ったところは貫通し煙のごとく周りがフワフワとしている。


「ここは、俺の家なの!ちゃんと家賃も払ってるの!家賃、払ってくれるなら考えてもいいけどな。」

「そんなこと出来るわけないでしょ!」

それもそうだそれがで来るのならどんなに良かったことか。

「どうすんだよ。このまま俺死ぬのかな実家に帰れって言うのか。やっとここまで来たのに」

俺はピンで芸人をしている。ボロいアパートに住んでいるので分かる通りまだ売れていない。そのためバイトをしながらこのアパートに住むしか無かったのだ。だが昨日営業の成果が実り来月のテレビ番組に初めて出れることが決まったのだ。

「そう落ち込むなよ。絶対にお前に悪さをしない。そう約束するからさ。」

なんで俺は幽霊に慰められているのだろうか。

「あ!そうだ泥棒とか来たとき『うらめしや~』って言って追い出してやるよ。それならお前さんもメリットになるだろ。」

確かにここ最近、空き巣などの被害ここ一帯で多い。先日近所のアパートで空き巣が入ったらしい。正直な話全然ありだ。
こんなボロアパートに盗むものがあればの話だがな。

「悪いな。泥棒に入られても盗むもんがねえんだ。」

「それに食事などはかからないよ。だって死んでるからな」

それを自分で言っていいのだろうか。正直なところ段々とこのおっさんが可哀想に思えてきた。生前の記憶が無く成仏する方法がない。
それに俺は多分ここから先仕事が忙しくなればこのアパートを寝る目的以外多分使わないだろう。

「分かった。俺に悪さをしないって約束ができるならここにしばらく居させてやる。」

こうして、何故か幽霊のおっさんと一緒に暮らすことになった。

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