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1話
しおりを挟むゴーン。ゴーン。
教会から、正午を告げる鐘の音が町中に響き渡る。
「もう、そんな時間か。」
俺は寝ていた身体を起こし、鎧に付いた草や土を払い立ち上がった。さて、今日の昼は何を食べようか。やっぱり平和が一番だ。
「団長!! さ、探しましたよ。」
俺の知らない、明らかに弱そうな騎士が俺の元に駆け寄ってきた。
俺は騎士団の団長に就いている。そのため間違いなく俺を追いかけてきている。
団長と言っても、俺は人を束ねるのは嫌いなため、雑用などは、他の団員に任せ、こうして一人でだらだらと、過ごす日々を送っていた。
「誰だ?お前。」
「本日より、配属になりました、名をジャンと申します。緊急事態だったため参りました。」
「緊急事態?」
「はい。先ほど、北の森からA級モンスター『ドラゴン』がこちらに向かっていると情報がありました。我々達では、到底敵いません。どうかお手伝いを・・・」
「はあぁ!! A級!! そんな雑魚お前らで何とかしろ!」
「無茶言わないでください。流石に無理です。」
俺ははぁ、とため息をつき、頭をポリポリと掻いた。最近、平和になり過ぎているかもな。被害が大きくなる前に行かないと王さまにしかられる。仕方がないと思いいつつ現場に向かった。昼飯前の運動には丁度いいか。
「団長。」
「なんだ?」
「背引くいっすね」
「うるせい!お前から切るぞ!」
150cmくらいしかないことは、気にしてんだよ。ほっといてくれ。
俺は現場に急いだ。
現場付近に着くと、そこにはたくさんの騎士たちが集合しており、撃退の準備をしていた。とてつもない緊張感が漂ってくる。
「あ、団長!!」
準備をしていた騎士の一人が、俺に気づきこちらに敬礼をした。
しかし、俺はそんな空気が無駄だとしか思えなかった。
とてもじゃないがこの装備ドラゴンを討伐できるとは思えない。
グアアアアアアアアアアアアアン!!
前方の、森の奥からドラゴンの勇ましい咆哮が聞こえた。
声からして、もうかなり近くまで来ている。
予想していた時間よりも早く来てしまったため、まだ、撃退の準備ができていない。
どんなに頑張っても、今のペースでは間に合わない。このままだと死人か出てしまう。それだけは避けないと後で何て言われるか分からない。仕方がない。
「おい! お前ら。邪魔だ、下がってろ!」
「それで誰があのモンスターを討つのですか?」
「俺が殺ってやるって言ってるんだ。」
「団長自ら、やってくれるってよ。」
ウオオオオオオオ!!
それを聞いた、周りの騎士達が歓喜をあげ喜び撃退の準備をしていた騎士達が森から離れていく。歓喜の声がドラゴンの咆哮と重なるほど大喝采だった。
やがて、赤い鱗におおわれたドラゴンの姿が肉眼で見えるようになったが、ドラゴンは天高く頭上を飛んでおり、とてもではないが俺の剣がとどかない。
「おい!そこの!今も持ってるその弓と矢を寄越せ!」
ドラゴンの姿を見てその場で立ちすくんでいる団員に、持っていた弓と矢を1本ずつ
受け取った。
これで一体奴を落とすしかない。
受け取った矢をドラゴンに向けて放った。
矢は勢いよく、流れ星のごとく、綺麗な弧を描きドラゴンの眼球に命中した。
グアアアアアアアアアアアアアン!!
ドラゴンは崩れ落ち、地面に叩きつけられた。
俺は、持っていた弓をその場に捨て、腰にしている自分の剣に手を掛け、ドラゴンの元へと歩み寄った。
ドラゴンに近づいていくにつれて、徐々に剣を鞘から抜いていく。
ドラゴンの方も、苦しみながら体勢を立て直し、ドラゴンの片目がこちらを睨んでいる。
剣を鞘から完全に抜き終わると、ドラゴンを目掛けて、走り出した。
近くの騎士達でも、剣裁きは見えないほどの速さでドラゴンの首を切り落とした。
鮮明な血が辺りに散らばっいく。俺は剣に付いた血をサッと拭き取り鞘に納めた。
「流石、魔王を倒した、人類最強の男、ヒロ様だ!!あの大きなドラゴンを一人で倒すなんて」
周りの騎士達がヒロのドラゴン討伐を見て興奮していた。
「・・見つけた」
森の奥から微かに女の声が聞こえた気がした。しかし辺りを見回してもそれらしき人は見つからなかった。
その時、ヒロの回りが光輝きいた。光が消えたときにはヒロの姿がなくなっていた。
「あれ?ヒロ団長?」
その後、ジャン達がヒロのことを探したが、誰もヒロ姿を見たものはいない。
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