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第6話
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長老と青年の言い合いが終わった後に傀儡とセンサザールは近くにあった木にもたれ掛かっていた。
「貴方はどうにかしようとか思わないわけ?」
センサザールは呑気に日向ぼっこを楽しむ傀儡に呆れた口調でそういう。
傀儡はよほど気に入っているのか、茶菓子のクッキーを右手で握りしめていた。
「どうにかとは?」
相変わらず傀儡は抑揚のない無機質な声で尋ねてくる。
「あの青年、ベイクのことよ」
センサザールは先刻の出来事であの青年を心配している様子であった。
「私は自身の意見や感情を持ち合わせていない。私には自我がないからあの青年に思うこともない」
「何よソレ・・。」
センサザール元々生物でもない傀儡に聞いても答えがでるわけないかと呆れ、俯く。
「あと、貴方一人称はどうにかならないの?男が『私』なんて、ナヨナヨしているみたいで嫌なのよ」
「善処する・・。」
抑揚のない声で、そう言うと傀儡は突然立ち上がり、センサザールを見据え、
「彼にどうして欲しいか聞いてくる」
と、言い出しセンサザールは慌てる。
「そんなこと聞いたって答えるわけないでしょ!」
「どうして?」
「どうしてって・・。村の人にすら話さないことを出会ったばかりの私たちに話すわけないでしょ」
傀儡は首を傾げ、意味がわからないといった様子で、センサザールを見る。センサザールは「もういいわ」と、ため息混じりにそう言い立ち上がる。
「コミュニケーションもまともにとれないあなたが行くより私が行った方がマシだわ。あなたは子供たちの世話でもしてなさいよ」
「どうしてそんことをするの?貴女は魔族なのに彼を気にする必要なんてないでしょ?」
傀儡は再び首を傾げセンサザールにそう聞く。
センサザールは苦笑し、
「私は自分の感覚を優先して動くようにしているの。種族が違うからって敵対したり差別したりするのは嫌いなのよ。だから、一度乗りかかった船なんだから気になるのよ」
「よくわからない・・。だから貴女の言われたとおり、私があの子供たちの面倒を見ておく」
センザールは「よろしく」といい残し、その場を後にしようとするが、
「逃げようなんてことは考えてはいけない・・」
と、傀儡に釘を刺される。その眼光は獲物を狩る猛獣のようであった。
「私はそんな馬鹿なことしないわよ。貴方から逃げられるなんて思わないわ」
センサザールはそう言い、地面を勢いよく蹴り、ベイクを追いかける。
ーーーーー
「全くどこ行ったのよ・・。仕方ないけどコレを使うしかなさそうね」
センサザールはそう独り言を言い終えると、人がいないことを確認し辺りの茂みの中に入っていく。
あれから數十分経つがベイクの姿がどこにも見当たらなかった。
テーグ村から離れている可能性も考え、センサザールは地面に魔術式を書き込む。
「魔力は温存しておきたいのだけど・・。」
センサザールは簡易的に魔術式を書き終え、そこに魔力を込める。
「土粒探知!」
と、術名を発すると、センサザールの手から放出された魔力が、術式へと移り粒子状になった魔力が地面を伝い四散していく。
土粒探知は土属性の探知魔術であり、地上生物の熱源を感知することが出来るのだ。
数分経つと、青年と思われる熱源を感知し、一筋の魔力光線が現れ、探知に成功する。
が、センサザールはその光線の先を見て不穏な気配を感じる。
「この先はまさか・・!?」
センサザールは青年の身を案じ駆け出していくのであった。
「貴方はどうにかしようとか思わないわけ?」
センサザールは呑気に日向ぼっこを楽しむ傀儡に呆れた口調でそういう。
傀儡はよほど気に入っているのか、茶菓子のクッキーを右手で握りしめていた。
「どうにかとは?」
相変わらず傀儡は抑揚のない無機質な声で尋ねてくる。
「あの青年、ベイクのことよ」
センサザールは先刻の出来事であの青年を心配している様子であった。
「私は自身の意見や感情を持ち合わせていない。私には自我がないからあの青年に思うこともない」
「何よソレ・・。」
センサザール元々生物でもない傀儡に聞いても答えがでるわけないかと呆れ、俯く。
「あと、貴方一人称はどうにかならないの?男が『私』なんて、ナヨナヨしているみたいで嫌なのよ」
「善処する・・。」
抑揚のない声で、そう言うと傀儡は突然立ち上がり、センサザールを見据え、
「彼にどうして欲しいか聞いてくる」
と、言い出しセンサザールは慌てる。
「そんなこと聞いたって答えるわけないでしょ!」
「どうして?」
「どうしてって・・。村の人にすら話さないことを出会ったばかりの私たちに話すわけないでしょ」
傀儡は首を傾げ、意味がわからないといった様子で、センサザールを見る。センサザールは「もういいわ」と、ため息混じりにそう言い立ち上がる。
「コミュニケーションもまともにとれないあなたが行くより私が行った方がマシだわ。あなたは子供たちの世話でもしてなさいよ」
「どうしてそんことをするの?貴女は魔族なのに彼を気にする必要なんてないでしょ?」
傀儡は再び首を傾げセンサザールにそう聞く。
センサザールは苦笑し、
「私は自分の感覚を優先して動くようにしているの。種族が違うからって敵対したり差別したりするのは嫌いなのよ。だから、一度乗りかかった船なんだから気になるのよ」
「よくわからない・・。だから貴女の言われたとおり、私があの子供たちの面倒を見ておく」
センザールは「よろしく」といい残し、その場を後にしようとするが、
「逃げようなんてことは考えてはいけない・・」
と、傀儡に釘を刺される。その眼光は獲物を狩る猛獣のようであった。
「私はそんな馬鹿なことしないわよ。貴方から逃げられるなんて思わないわ」
センサザールはそう言い、地面を勢いよく蹴り、ベイクを追いかける。
ーーーーー
「全くどこ行ったのよ・・。仕方ないけどコレを使うしかなさそうね」
センサザールはそう独り言を言い終えると、人がいないことを確認し辺りの茂みの中に入っていく。
あれから數十分経つがベイクの姿がどこにも見当たらなかった。
テーグ村から離れている可能性も考え、センサザールは地面に魔術式を書き込む。
「魔力は温存しておきたいのだけど・・。」
センサザールは簡易的に魔術式を書き終え、そこに魔力を込める。
「土粒探知!」
と、術名を発すると、センサザールの手から放出された魔力が、術式へと移り粒子状になった魔力が地面を伝い四散していく。
土粒探知は土属性の探知魔術であり、地上生物の熱源を感知することが出来るのだ。
数分経つと、青年と思われる熱源を感知し、一筋の魔力光線が現れ、探知に成功する。
が、センサザールはその光線の先を見て不穏な気配を感じる。
「この先はまさか・・!?」
センサザールは青年の身を案じ駆け出していくのであった。
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