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20話
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ミランダは両手両足を拘束された状態で膝立ちのような状態にさせられ、その両脇に奴隷商人の護衛として雇われた筋骨隆々の男ドルゴと、灰魔術士のゴーイッグがニタニタと下卑た笑みを浮かべその様子を楽しそうに眺めていた。
「制限時間は十分だ。その間にあの小娘が戻ってくればお前とあの木に縛ったヤツも生かしてやる。ただ、それを過ぎてしまったらわかるよな?」
「・・・はい・・。」
ドルゴの言葉に迷いながらも返事をするミランダ。その表情は暗く、何か言いあぐねている様子であった。
ミランダは、ふと視線を木に縛られている少女、マイヤに向けてしまう。
マイヤの意識は混濁しており、話すこともままならないが、ミランダに向かって口をパクパクと動かしみせる。
『ダメ』
声は聞こえなかったが、ハッキリとそう言ったのが分かりミランダは俯く。
リーネを逃したのは彼女が自分たちの妹のような存在であり、彼女がどんな人間の奴隷になるのかを盗み聞いてしまったからである。
だからこそ、マイヤは自身の命を賭して鉄格子を魔術で切り開き脱走させたのであった。
だが・・
「リーネ!リーネ!まだ近くにいるんでしょ!?お願い出て来て、マイヤがマイヤが死んじゃう!!」
何よりも肉親の方が大事だ。ミランダは、リーネと実の姉であるマイヤを天秤にかけたのである。
ミランダは泣き叫びながらリーネを呼び続ける。
マイヤが驚いた顔でミランダを見つめるが、気づかないフリをして、ミランダは叫び続ける。
その様子を見てドルゴとゴーイッグは嘲笑の笑い声をあげる。
(情けなくたって、恨まれたっていい・・。それでもマイヤが、お姉ちゃんが一番大切なの!)
「ほら、もっと大声をださねーとアイツは来ないぞ」
笑いながらドルゴがミランダを煽り立てる。
「リーネ!リーネ!お願い出て来てよーーッ!」
ーーーーー
「時間切れだ、お前のダチは薄情なヤツだな」
ドルゴは笑い過ぎて出てきた涙を拭いながらそう言う。
「・・リーネ・・リーネ・・。」
あれからちょうど十分経ったのだが、リーネが姿を現すことはなかった。
ミランダは痛む喉を抑えながらも、リーネの名前を呼び続ける。
十分も叫び続ければ当然声はかすれ、声帯が炎症しているためか、大きな声を出すこともままならないでいた。
「あーあー、こんなに頑張ったのに報われないよな・・。」
ドルゴは、芝居じみた様子でそう言うとミランダの肩に手を置きながらゴーイッグに訊ねる。
「なあゴーイッグ、お前初級だったら回復魔術使えたよな?」
「使えますけど、それがどうかしました?」
次のドルゴの言葉を察したのか、灰魔術士のゴーイッグはとぼけた口調でそう言うが、口角は不自然に上がっていた。
「コイツの喉を治してやれ、声帯がイカれちまってて声が出せねーみたいだからよ」
突然の施しにミランダは驚くが、それは杞憂に終わってしまう。
「さっきの頑張りに感動しちまってな、もう一回チャンスをやろうと思ってな。次いでに拡声魔術も加えてやったらどうだ?もしかしたら届くかもしれねーぞ」
ドルゴは悪魔のような笑みを浮かべ、そう言ったのを聞き、ミランダはようやく気付く。
自分はこの二人の玩具にされていたということを・・。
弱者が無様に抗う姿を見て楽しんでいるのだろう。その真実を知りミランダから大粒の悔し涙が溢れる。
姉のマイヤが自身の身を危険に晒してまで逃した大事な存在を呼び戻そうとした愚かな行動を恥じ、ミランダは泣き叫ぶ。
「リーネ!ごめんなさい、こんなヤツらの甘言に乗ってしまって・・。逃げて、勇者様に会ってリーネ、リーネ!」
胸を押さえて叫ぶミランダだったが、酷使した喉ではそれほど声が響かず大した意味などなかっただろう。
ミランダは泣きじゃくることしか出来ない自分に腹が立つ。
「リーネ・・本当にごめんなさい」
「ミランダ、謝る必要はないです」
凛と澄んだ声が頭上から聞こえ、ミランダは思わず顔を上げる。
ドルゴとミランダの間に割って入ってきたのは、リーネであった。
ミランダの肩に置いていたドルゴの手を掴みながら睨むリーネ。
「ミランダが声を上げてくれなきゃ、どこにいるのかわからなかったです」
そう語りかけるように優しく言うリーネを見て、ミランダ涙を流す。
「ボクの友達をいじめたことを後悔させてやるです」
リーネはそう言い大翼を広げた。魔力を纏った羽は月の光を浴び青白く幻想的な輝きを放ち、リーネは上空に飛び立つ。
ミランダにはその姿が、夜闇に舞い降りた女神のように映ったのである・・。
「制限時間は十分だ。その間にあの小娘が戻ってくればお前とあの木に縛ったヤツも生かしてやる。ただ、それを過ぎてしまったらわかるよな?」
「・・・はい・・。」
ドルゴの言葉に迷いながらも返事をするミランダ。その表情は暗く、何か言いあぐねている様子であった。
ミランダは、ふと視線を木に縛られている少女、マイヤに向けてしまう。
マイヤの意識は混濁しており、話すこともままならないが、ミランダに向かって口をパクパクと動かしみせる。
『ダメ』
声は聞こえなかったが、ハッキリとそう言ったのが分かりミランダは俯く。
リーネを逃したのは彼女が自分たちの妹のような存在であり、彼女がどんな人間の奴隷になるのかを盗み聞いてしまったからである。
だからこそ、マイヤは自身の命を賭して鉄格子を魔術で切り開き脱走させたのであった。
だが・・
「リーネ!リーネ!まだ近くにいるんでしょ!?お願い出て来て、マイヤがマイヤが死んじゃう!!」
何よりも肉親の方が大事だ。ミランダは、リーネと実の姉であるマイヤを天秤にかけたのである。
ミランダは泣き叫びながらリーネを呼び続ける。
マイヤが驚いた顔でミランダを見つめるが、気づかないフリをして、ミランダは叫び続ける。
その様子を見てドルゴとゴーイッグは嘲笑の笑い声をあげる。
(情けなくたって、恨まれたっていい・・。それでもマイヤが、お姉ちゃんが一番大切なの!)
「ほら、もっと大声をださねーとアイツは来ないぞ」
笑いながらドルゴがミランダを煽り立てる。
「リーネ!リーネ!お願い出て来てよーーッ!」
ーーーーー
「時間切れだ、お前のダチは薄情なヤツだな」
ドルゴは笑い過ぎて出てきた涙を拭いながらそう言う。
「・・リーネ・・リーネ・・。」
あれからちょうど十分経ったのだが、リーネが姿を現すことはなかった。
ミランダは痛む喉を抑えながらも、リーネの名前を呼び続ける。
十分も叫び続ければ当然声はかすれ、声帯が炎症しているためか、大きな声を出すこともままならないでいた。
「あーあー、こんなに頑張ったのに報われないよな・・。」
ドルゴは、芝居じみた様子でそう言うとミランダの肩に手を置きながらゴーイッグに訊ねる。
「なあゴーイッグ、お前初級だったら回復魔術使えたよな?」
「使えますけど、それがどうかしました?」
次のドルゴの言葉を察したのか、灰魔術士のゴーイッグはとぼけた口調でそう言うが、口角は不自然に上がっていた。
「コイツの喉を治してやれ、声帯がイカれちまってて声が出せねーみたいだからよ」
突然の施しにミランダは驚くが、それは杞憂に終わってしまう。
「さっきの頑張りに感動しちまってな、もう一回チャンスをやろうと思ってな。次いでに拡声魔術も加えてやったらどうだ?もしかしたら届くかもしれねーぞ」
ドルゴは悪魔のような笑みを浮かべ、そう言ったのを聞き、ミランダはようやく気付く。
自分はこの二人の玩具にされていたということを・・。
弱者が無様に抗う姿を見て楽しんでいるのだろう。その真実を知りミランダから大粒の悔し涙が溢れる。
姉のマイヤが自身の身を危険に晒してまで逃した大事な存在を呼び戻そうとした愚かな行動を恥じ、ミランダは泣き叫ぶ。
「リーネ!ごめんなさい、こんなヤツらの甘言に乗ってしまって・・。逃げて、勇者様に会ってリーネ、リーネ!」
胸を押さえて叫ぶミランダだったが、酷使した喉ではそれほど声が響かず大した意味などなかっただろう。
ミランダは泣きじゃくることしか出来ない自分に腹が立つ。
「リーネ・・本当にごめんなさい」
「ミランダ、謝る必要はないです」
凛と澄んだ声が頭上から聞こえ、ミランダは思わず顔を上げる。
ドルゴとミランダの間に割って入ってきたのは、リーネであった。
ミランダの肩に置いていたドルゴの手を掴みながら睨むリーネ。
「ミランダが声を上げてくれなきゃ、どこにいるのかわからなかったです」
そう語りかけるように優しく言うリーネを見て、ミランダ涙を流す。
「ボクの友達をいじめたことを後悔させてやるです」
リーネはそう言い大翼を広げた。魔力を纏った羽は月の光を浴び青白く幻想的な輝きを放ち、リーネは上空に飛び立つ。
ミランダにはその姿が、夜闇に舞い降りた女神のように映ったのである・・。
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