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第1章 鮮血の旅路
俺の提案は受け入れられたようだ。
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俺は馬車から食糧や金を女子供達とおろし、村長に向かう。村長は驚いてはいるものの俺の意図が読めないのか難しい顔をしてこちらを見ている。
「さて、俺が獣人の山賊達を皆殺しにしたのは分かってくれたかな?此処からは俺が村長に提案する事がある。聞きたい奴は残っていてくれて結構。村長もそれでいいか?」
高圧的とまでは言わないが一方的に話す俺に村の人々は戸惑っている。村長は提案と聞いて気を引き締めているようだ。流石に駆け引きというものを知っている。
「ふむそれでいいですよ。旅人さん。それでどのような提案なのでしょうか?」
俺は金の入った袋を開き村の人々に見せつける。村では見たことのない金額なのだろう。どよめく村人達とは違い村長だけが俺の意図を多少なりとも分かっているようだ。苦い顔をする村長に高々と俺は歌うように提案する。
「何。俺からの提案は簡単だ。この金と食糧を全て村に送ろう。代わりにこの女達と獣人の子供を村の一員にしてやってくれ。そうだ、最初は村長の所で下働きでもいいだろう。ただし他の人村人と区別するな。平等に扱え。」
その言葉を聞いた村人達は拍子抜けしたかのように気を抜いている。どうやら上手くいきそうだ。ただ村長だけは何か考え込んでいる。懸命だな。
「その者達は犯罪者なのかね?服装などが余りよろしくないようだが。」
村長は慎重にこちらに質問する。やはりうまい話には直ぐには食いつかないよな。俺は駆け引きを楽しみながら村長との会話を続ける。
「こいつらは山賊どもに襲われた奴隷だ。今日襲われて運ばれていた所を助けたんだ。隷属の呪は解除しているからすでにこいつらは奴隷ではない。」
まぁ嘘は言ってない。本来は助けるつもりが無かっただけだ。女子供達は驚いた顔でこちらを見ているが連れて行くつもりが無い以上他の飼い主を探してやるのは拾った人間の仕事だ。
「解呪とは…」
村長はある程度は知っているようだな。村人には分からない話だ。解呪ができるような魔法使いなど本来なら教会ぐらいにしかいないならな。
「村長。罪人じゃなけりゃ受け入れてもいいんじゃないか?」
「奴隷でも無いなら問題ないしな。」
「山賊を倒してくれたんだ。そのぐらいはいいんじゃないか?」
みな言ってる言葉は肯定的だが目は俺が持って来た食糧や金に釘付けだ。やっぱり目に見える報酬は大きいな。村人達の賛同ムードに押される村長だが村人の1人がいらないことを言い出す。
「でもよ?獣人の子供は大丈夫なのか?山賊の子供じゃ無いらしいが奴隷から解放されてたらまずくは無いか?」
そこその頭の回る奴もいたようだ。村人達もその話を聞くと多少躊躇しだす。仕方がないな、何か手を打つかと考えていた所奴隷だった女性の1人が声を上げる。
「この子達を悪く言わないで!この子達は山賊から私達を守る為に身を犠牲にして守ってくれたのよ!人間の奴隷商人なんかすぐ逃げたのにこの子達はこの体で私達を助けてくれたのよ!」
女性の悲痛な声に男達も気まずそうに顔を背ける。村長も何かを感じたのか黙っているし子供達は女を気遣って周りから抱きついている。
「獣人が悪いのではない。欲望に負けた者が悪いだけだ。事実人間にも山賊はいるし獣人にもこの子達のような子もいる。山賊達を許せとは言わないが獣人としての括りでこの子達を見るのはやめてもらおう。」
俺がそう言うと意外だったのか周り全ての人が驚きの顔で此方を見ている…そうか、そんな風に俺は思われていたのか。心外だな。
「さて、どうする?これ以上問答するつもりはない。駄目なようなら次の村にでも行こう。悪かったな無理を言って。」
そう言って金の入った袋を取りに行こうとする。別に他の村でも良い。この村に多少の縁があったから提案しただけだ。俺が袋に近寄るのを見て女子供達も手伝おうとこちらに来る。
「分かった。村の住人として儂が認めよう。この子達は儂が預かる。その金は村のみんなで分ければええ。儂にはこの子らがいるから別にいらん。」
村長はそう言うと俺の元に寄ってきた。その目は何かを決意したものを感じる。両親が死んだ時に俺を預かる事にしてくれた祖父もこんな目をしていた。村長は俺に手を出すと微笑んでくる。俺も笑うように努力してその手を握る。
「提案をしてくれてありがとな。婆さんと2人じゃ寂しいと思っていた所じゃ。孫ができたみたいで丁度ええ。」
人間もどきは好きになれない。それは今でも同じだ。村長と握手していても殺意が止まらないし違和感しか感じない。それでもそのマメで固まったゴツゴツとした手は暖かかった。
「そんじゃ、この金で村長の家を増築するか。」
「服や身の回りの物もいるから誰かに買うわせにいくか?」
「この食料で明日は宴会だな!」
村人達が次々と騒ぎ出す。金と食糧を村長に預けるらしい。村長は断ろうとするが村人達はそれを受け入れない。村長が村長なら村人も村人だな。
「それから俺から提案を受けてくれた皆にプレゼントだ。受け取るがいい。カーズ!」
呪いの波動が村を包む。元奴隷と俺の仲間以外にその呪いは発動する。村長は目を剥き、村人達は不安がる。女子供達は震え出し周りは一気に騒然とする。
「い、一体何の呪いをかけなすった?儂らに一体何をした!」
村長が叫び、村人達はどよめく。
俺は心から笑い、答えてやる。
「俺の提案をそのまま呪いにしただけだ。村の人と平等に扱え、区別するなと言った呪いだな。この提案を破った者には………」
そこで言葉を止める。周りの皆が俺の言葉を聞こうと黙ってしまう。少しの間を置いていると恐る恐る村長が尋ねてくる。
「破った者はどうなるんじゃ?」
不安げな皆の目を笑いをこらえながら教えてやる。
「額に黒い色で大きな×が出るだけだ。死にはしない…謝るまでは消えないがな。」
そう言うと、少しして皆の大爆笑が起こる。村長も大笑いだ。
「こ、こりゃ傑作だ。」
「確かにこれは酷い呪いだ。」
「分かりやすくていいな、おい。」
「儂を笑い殺す気か!」
どうやら俺の提案はこれで本当に受け入れられたようだ。
「さて、俺が獣人の山賊達を皆殺しにしたのは分かってくれたかな?此処からは俺が村長に提案する事がある。聞きたい奴は残っていてくれて結構。村長もそれでいいか?」
高圧的とまでは言わないが一方的に話す俺に村の人々は戸惑っている。村長は提案と聞いて気を引き締めているようだ。流石に駆け引きというものを知っている。
「ふむそれでいいですよ。旅人さん。それでどのような提案なのでしょうか?」
俺は金の入った袋を開き村の人々に見せつける。村では見たことのない金額なのだろう。どよめく村人達とは違い村長だけが俺の意図を多少なりとも分かっているようだ。苦い顔をする村長に高々と俺は歌うように提案する。
「何。俺からの提案は簡単だ。この金と食糧を全て村に送ろう。代わりにこの女達と獣人の子供を村の一員にしてやってくれ。そうだ、最初は村長の所で下働きでもいいだろう。ただし他の人村人と区別するな。平等に扱え。」
その言葉を聞いた村人達は拍子抜けしたかのように気を抜いている。どうやら上手くいきそうだ。ただ村長だけは何か考え込んでいる。懸命だな。
「その者達は犯罪者なのかね?服装などが余りよろしくないようだが。」
村長は慎重にこちらに質問する。やはりうまい話には直ぐには食いつかないよな。俺は駆け引きを楽しみながら村長との会話を続ける。
「こいつらは山賊どもに襲われた奴隷だ。今日襲われて運ばれていた所を助けたんだ。隷属の呪は解除しているからすでにこいつらは奴隷ではない。」
まぁ嘘は言ってない。本来は助けるつもりが無かっただけだ。女子供達は驚いた顔でこちらを見ているが連れて行くつもりが無い以上他の飼い主を探してやるのは拾った人間の仕事だ。
「解呪とは…」
村長はある程度は知っているようだな。村人には分からない話だ。解呪ができるような魔法使いなど本来なら教会ぐらいにしかいないならな。
「村長。罪人じゃなけりゃ受け入れてもいいんじゃないか?」
「奴隷でも無いなら問題ないしな。」
「山賊を倒してくれたんだ。そのぐらいはいいんじゃないか?」
みな言ってる言葉は肯定的だが目は俺が持って来た食糧や金に釘付けだ。やっぱり目に見える報酬は大きいな。村人達の賛同ムードに押される村長だが村人の1人がいらないことを言い出す。
「でもよ?獣人の子供は大丈夫なのか?山賊の子供じゃ無いらしいが奴隷から解放されてたらまずくは無いか?」
そこその頭の回る奴もいたようだ。村人達もその話を聞くと多少躊躇しだす。仕方がないな、何か手を打つかと考えていた所奴隷だった女性の1人が声を上げる。
「この子達を悪く言わないで!この子達は山賊から私達を守る為に身を犠牲にして守ってくれたのよ!人間の奴隷商人なんかすぐ逃げたのにこの子達はこの体で私達を助けてくれたのよ!」
女性の悲痛な声に男達も気まずそうに顔を背ける。村長も何かを感じたのか黙っているし子供達は女を気遣って周りから抱きついている。
「獣人が悪いのではない。欲望に負けた者が悪いだけだ。事実人間にも山賊はいるし獣人にもこの子達のような子もいる。山賊達を許せとは言わないが獣人としての括りでこの子達を見るのはやめてもらおう。」
俺がそう言うと意外だったのか周り全ての人が驚きの顔で此方を見ている…そうか、そんな風に俺は思われていたのか。心外だな。
「さて、どうする?これ以上問答するつもりはない。駄目なようなら次の村にでも行こう。悪かったな無理を言って。」
そう言って金の入った袋を取りに行こうとする。別に他の村でも良い。この村に多少の縁があったから提案しただけだ。俺が袋に近寄るのを見て女子供達も手伝おうとこちらに来る。
「分かった。村の住人として儂が認めよう。この子達は儂が預かる。その金は村のみんなで分ければええ。儂にはこの子らがいるから別にいらん。」
村長はそう言うと俺の元に寄ってきた。その目は何かを決意したものを感じる。両親が死んだ時に俺を預かる事にしてくれた祖父もこんな目をしていた。村長は俺に手を出すと微笑んでくる。俺も笑うように努力してその手を握る。
「提案をしてくれてありがとな。婆さんと2人じゃ寂しいと思っていた所じゃ。孫ができたみたいで丁度ええ。」
人間もどきは好きになれない。それは今でも同じだ。村長と握手していても殺意が止まらないし違和感しか感じない。それでもそのマメで固まったゴツゴツとした手は暖かかった。
「そんじゃ、この金で村長の家を増築するか。」
「服や身の回りの物もいるから誰かに買うわせにいくか?」
「この食料で明日は宴会だな!」
村人達が次々と騒ぎ出す。金と食糧を村長に預けるらしい。村長は断ろうとするが村人達はそれを受け入れない。村長が村長なら村人も村人だな。
「それから俺から提案を受けてくれた皆にプレゼントだ。受け取るがいい。カーズ!」
呪いの波動が村を包む。元奴隷と俺の仲間以外にその呪いは発動する。村長は目を剥き、村人達は不安がる。女子供達は震え出し周りは一気に騒然とする。
「い、一体何の呪いをかけなすった?儂らに一体何をした!」
村長が叫び、村人達はどよめく。
俺は心から笑い、答えてやる。
「俺の提案をそのまま呪いにしただけだ。村の人と平等に扱え、区別するなと言った呪いだな。この提案を破った者には………」
そこで言葉を止める。周りの皆が俺の言葉を聞こうと黙ってしまう。少しの間を置いていると恐る恐る村長が尋ねてくる。
「破った者はどうなるんじゃ?」
不安げな皆の目を笑いをこらえながら教えてやる。
「額に黒い色で大きな×が出るだけだ。死にはしない…謝るまでは消えないがな。」
そう言うと、少しして皆の大爆笑が起こる。村長も大笑いだ。
「こ、こりゃ傑作だ。」
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