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赤き羽毛の復讐者《スリーピングスナイパー》
鎮魂の慈雨《レクイエムレイン》15
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「────そんな感じになったから、二人共よろしくな」
アメリカに向かう飛行機に乗るため、大使館から空港までリムジンで移動する最中、アイリスのことをセイナ達に伝えた。
急な話しではあったが、一緒に死線をくぐり向けた仲間としての信頼から、二人からは特に異論を唱えられることも無く。
「これからもよろしくね!アイリス!」
「う、うん……こっちこそよろしく……」
と、セイナとアイリスが握手する中────
「……くぅ……ライバルが増えてしまったかぁ……」
ロナが窓の方に顔を背けながらブツブツと独り言を呟いていた。
アイリスに対しての不満ではないようなので放っておくが、最初は二人だったチームも、気が付けばこれで四人。しかも近距離はセイナと俺、中距離遊撃がロナ、後方支援はアイリスと、かなりバランスの整った、理想的なものに仕上がってきてしまった。
あまりにも出来過ぎているこの構成に、裏で誰かが手を引いているのではないかと疑いたくなるレベルだ。
「それでホントに問題ないんだな!レクス!」
俺は離れた運転席に向け、少し声を張りながらそう訊ねた。
「あぁ!寧ろどっかでふらふらされるよりも!場所が分かりやすくてこっちとしては都合がいい!」
リムジンを運転するレクスが前を向いたままそう返してきた。
S.Tだった時は、スナイパー兼運転手だったこともあり、戦闘機やら戦車やらを乗りこなすレクスにとって、リムジン程度なら朝飯前だ。
「にしても……マジで大統領が言った通り、アイリスがフォルテの下についちまうとはなぁ……」
「なんか言ったか……?」
「何でもないですよぉー!」
一瞬、レクスがボソッと何かを言ったような気がしたが、どうやら勘違いだったらしい。
いかんいかん……集中力が切れかかっている証拠だ。
全身に伸し掛かる眠気を追い払うように、俺は目頭に指をあてる。
もしここで寝てしまっても、あとはセイナ達が俺を運んでくれるだろう。
魔眼の使用からもう半日が経過していた。身体は休ませてくれと悲鳴を上げ、酷い頭痛がガンガンと脳を揺らす。だがそれでも眠っていないのは、まだここが敵地という緊張感からだろう……
戦力的には俺を欠いても十分だが、足手まといになるのは確定だからな。
飛行機に乗るまではせめて堪えよう……そう心の中で活きこんでいると、何故か俺達の乗っていたリムジンが路肩で停車する。
「どうした……?」
不審に思った俺が運転席に再び呼びかけると、レクスが懐からスマートフォンを取り出しつつ────
「申し訳ない!ちょっと電話が掛かってきたもんで!」
片手でごめん!と仕草を入れてから、リムジンのエンジンをかけたまま電話に出る。
忙しそうだな……アイツ。
それに比べて────
「ロナちゃんデータ上のことしかアイリスのこと知らないから、色々教えて欲しいなぁ!趣味とかあったりする?」
菓子やら飲み物やら、広々としたリムジンを狭く感じさせるほど有意義に活用していたロナが、前のめりにアイリスへ質問攻めをしていた。
お前は修学旅行の学生か……
いつもいそいそと仕事しているレクス、いつ仕事しているのか分からないのに成果を出すロナ。
いや、レクスの名誉のために言っておくが、アイツはめっちゃ仕事できる。朝食ついでに大手企業のネットワークをハッキングするようなこっちがそもそも異常なんだ……
「ん?どうしたのダーリン!」
俺に視線に気づいたロナがにこやかな笑顔で首を傾げた。
「いや……平凡な人間と非凡な人間の格差社会に悩んでいたところだ……」
「何よそれ……?」
俺の意味深発言に訝るセイナ。
「つーまーりーロナちゃんとセイナみたいなもんだよ……」
「はぁ?アンタとアタシのどこが格差社会なのよ?」
するとロナは無言のまま、勝ち誇ったような顔のまま腕組し、胸を突き出した。
いつも着ている黒いキャミソールから突き出された二つのマシュマロが、たゆんたゆん……と効果音が聞こえてきそうなほど大きく上下に揺れた……
プツン────!
久々に聞いた何かが切れる音に、俺の全身の血の気が引く。
ロナの意図することを察したセイナが、前髪に瞳を隠しつつ、こめかみに青筋を立てていた。
バッカッ……!?お前!?俺はそういう意味でいったんじゃあ────
「ふんッ!!」
「……ふぇ?」
俺が否定するよりも先に、右手の指を鉤爪のように曲げたセイナが、まるで蛇が獲物に食らいつくかのような勢いで、左側のマシュマロに食らいついた!
そのままグギギギィ!キャミソール越しに指を食い込ませた状態の右手を百八十度回転させる。
「イデデデデッ!!!!セイナぁ!!胸!?胸取れちゃうぅぅ!!」
素手でココナッツに指を食い込ませることのできる、セイナの万力のような握力に胸を掴まれたロナは、涙目で必死に許しを請う。
「格差社会が気になるなら、ここでねじ切って平等にしてあげるわよ?それに、こんなのものはただの脂肪!贅肉!無駄なお肉なのよ!!」
あーあ……言わんこっちゃない……
呆れた顔で俺が嘆息をつく。
お前はそうやってすぐ人のことをからかうから……いつも痛い目見るんだぞ?
と、レクスが電話中だと言うのに断末魔の悲鳴を上げているロナを、冷めた瞳で見ていると────
「アンタもアンタよぉッ!!」
セイナが突然ロナの胸を掴んでいた手とは逆の手で、リムジンの対面に座っていた俺の顔面に強烈な左ストレートをかましてきた!なに~!?
「グゲッ!?」
ノーガードの顔面にめり込んだ拳に一発KOされた俺は、チンッ!チンッ!チンッ!チンッ!というゴングの鐘と共に、リムジンの柔らかい背もたれに倒れた。
だが、ここは戦場。ルールなんて存在しない世界。セイナはノックダウンした俺に追い打ちとばかりにみぞおちに左アッパーを叩き込む。
「待て待て待て!?俺は何もしてないだろう!?」
「最初に格差社会って言ったのはアンタでしょ!!いっつもいっつも胸が大きい人ばかり……!やっぱりアタシが調教してやらないとダメみたいだわねぇ!!」
「ちげーよ!?俺は別にそんなつもりで言ったんじゃねえし!?それにいくら格差社会と言っても、何も小さい胸が格下と決まったわけじゃあ────ぐひゃ!?」
何とか言い繕うとした俺の言葉への返事とばかりに、車のボンネットが凹むレベルの撃ち下ろしが襲い掛かる。
「さいってい!!いつっもいつっもアタシのことを貧乳とか胸無しとか馬鹿にしてぇ!!そんなに!!胸がぁ!!好きなら!!牛と!!結婚!!すればぁ!?」
「イダイイダイ!!セイナぁ!?言葉の区切りごとにフォルテを殴らないでぇ!!その勢いでロナの、ロナちゃんの巨乳が千切れちゃうからぁ~!!」
無茶苦茶だ……リムジンって本来は人間の中でもトップ、いわゆる品格のある人間が乗るものだよな?
しかしここには人間社会の理性や秩序は完全に失われ、まるで動物園と化していた。
つーか一番暴れてて忘れてたけど、お前一応王族だよな?セイナ。
「セイナ……落ち着くんだ……」
その様子をリムジンのシートに腰かけたまま、ずっと黙って見ていたアイリスがそう告げた。
ピタッ……一瞬だけ動物園にも秩序が戻る。
流石のセイナも新参であるアイリスの言葉をそう簡単に無視することはできないらしい。
心の中で俺は「ナイスだアイリス」とボロボロの身体のまま親指を立てる。
何はともあれ、これでセイナも落ち着いてくれるはず────
「胸は小さい方が楽でいいじゃないか……」
「「「……」」」
チーンッ……さっきのゴングとは別の鐘の音が聞こえたような気がした。
「ボクも大きくて困っているんだ、射撃の時は邪魔だし、戦闘時は着弾面積が広がるから……セイナのような体型が羨ましいよ……」
いや、確かにお前は胸をサラシで巻いて抑えているとは言っていたがなぁ!
「……ア、アイリス……?」
ロナのような煽りではなく、マジでそう言っているアイリスを止めに掛かるが、グツグツと煉獄の窯のように煮えたぎる殺気に気づいてそっちを見ると────
「ヒィッ!??」
鬼がいた。
金髪のポニーテールを逆立てた、鬼がいた。
「そう……新参だから優しくしてあげようって思っていたこっちが間違っていたみたいね……アイリスぅ!!」
「何だって!!それを本気で言っているのか!?」
セイナがアイリスに飛び掛かろうとした瞬間────運転席側で電話していたレクスが大声でそう告げた。
普通では考えられないレクスの切羽詰まった表情から、異常事態だと気づくのに時間は掛からなかった。
「どうした?何かあったのかレクス?」
「クソッ!」と告げてから電話を投げ捨てたレクスに、俺は真面目な様子で訊ねると、返ってきた言葉にこの場にいた全員が凍り付いた。
「────FBI副長官、ボブ・スミスを乗せた飛行機が、上空で跡形も無く姿を消したらしい……」
「跡形も無く……だと?」
「あぁ……レーダーから忽然と姿を消したらしい……陸から近くの場所だったこともあって救助隊がすでに出ているが、残骸は何一つとして残っていないらしい……」
信じられないその言葉に、誰も声を発せずにいた。
いくら化学や魔術が進んでいようと、飛行機を一瞬で消せるほどの技術なんて存在しない……
俺達は、一体何と戦わされているんだ……?
言葉にならない激情が、リムジン内部を支配する。
聞こえてくるのは、無情にも等しいベトナムの地に降り注ぐ雨音だけだった……
アメリカに向かう飛行機に乗るため、大使館から空港までリムジンで移動する最中、アイリスのことをセイナ達に伝えた。
急な話しではあったが、一緒に死線をくぐり向けた仲間としての信頼から、二人からは特に異論を唱えられることも無く。
「これからもよろしくね!アイリス!」
「う、うん……こっちこそよろしく……」
と、セイナとアイリスが握手する中────
「……くぅ……ライバルが増えてしまったかぁ……」
ロナが窓の方に顔を背けながらブツブツと独り言を呟いていた。
アイリスに対しての不満ではないようなので放っておくが、最初は二人だったチームも、気が付けばこれで四人。しかも近距離はセイナと俺、中距離遊撃がロナ、後方支援はアイリスと、かなりバランスの整った、理想的なものに仕上がってきてしまった。
あまりにも出来過ぎているこの構成に、裏で誰かが手を引いているのではないかと疑いたくなるレベルだ。
「それでホントに問題ないんだな!レクス!」
俺は離れた運転席に向け、少し声を張りながらそう訊ねた。
「あぁ!寧ろどっかでふらふらされるよりも!場所が分かりやすくてこっちとしては都合がいい!」
リムジンを運転するレクスが前を向いたままそう返してきた。
S.Tだった時は、スナイパー兼運転手だったこともあり、戦闘機やら戦車やらを乗りこなすレクスにとって、リムジン程度なら朝飯前だ。
「にしても……マジで大統領が言った通り、アイリスがフォルテの下についちまうとはなぁ……」
「なんか言ったか……?」
「何でもないですよぉー!」
一瞬、レクスがボソッと何かを言ったような気がしたが、どうやら勘違いだったらしい。
いかんいかん……集中力が切れかかっている証拠だ。
全身に伸し掛かる眠気を追い払うように、俺は目頭に指をあてる。
もしここで寝てしまっても、あとはセイナ達が俺を運んでくれるだろう。
魔眼の使用からもう半日が経過していた。身体は休ませてくれと悲鳴を上げ、酷い頭痛がガンガンと脳を揺らす。だがそれでも眠っていないのは、まだここが敵地という緊張感からだろう……
戦力的には俺を欠いても十分だが、足手まといになるのは確定だからな。
飛行機に乗るまではせめて堪えよう……そう心の中で活きこんでいると、何故か俺達の乗っていたリムジンが路肩で停車する。
「どうした……?」
不審に思った俺が運転席に再び呼びかけると、レクスが懐からスマートフォンを取り出しつつ────
「申し訳ない!ちょっと電話が掛かってきたもんで!」
片手でごめん!と仕草を入れてから、リムジンのエンジンをかけたまま電話に出る。
忙しそうだな……アイツ。
それに比べて────
「ロナちゃんデータ上のことしかアイリスのこと知らないから、色々教えて欲しいなぁ!趣味とかあったりする?」
菓子やら飲み物やら、広々としたリムジンを狭く感じさせるほど有意義に活用していたロナが、前のめりにアイリスへ質問攻めをしていた。
お前は修学旅行の学生か……
いつもいそいそと仕事しているレクス、いつ仕事しているのか分からないのに成果を出すロナ。
いや、レクスの名誉のために言っておくが、アイツはめっちゃ仕事できる。朝食ついでに大手企業のネットワークをハッキングするようなこっちがそもそも異常なんだ……
「ん?どうしたのダーリン!」
俺に視線に気づいたロナがにこやかな笑顔で首を傾げた。
「いや……平凡な人間と非凡な人間の格差社会に悩んでいたところだ……」
「何よそれ……?」
俺の意味深発言に訝るセイナ。
「つーまーりーロナちゃんとセイナみたいなもんだよ……」
「はぁ?アンタとアタシのどこが格差社会なのよ?」
するとロナは無言のまま、勝ち誇ったような顔のまま腕組し、胸を突き出した。
いつも着ている黒いキャミソールから突き出された二つのマシュマロが、たゆんたゆん……と効果音が聞こえてきそうなほど大きく上下に揺れた……
プツン────!
久々に聞いた何かが切れる音に、俺の全身の血の気が引く。
ロナの意図することを察したセイナが、前髪に瞳を隠しつつ、こめかみに青筋を立てていた。
バッカッ……!?お前!?俺はそういう意味でいったんじゃあ────
「ふんッ!!」
「……ふぇ?」
俺が否定するよりも先に、右手の指を鉤爪のように曲げたセイナが、まるで蛇が獲物に食らいつくかのような勢いで、左側のマシュマロに食らいついた!
そのままグギギギィ!キャミソール越しに指を食い込ませた状態の右手を百八十度回転させる。
「イデデデデッ!!!!セイナぁ!!胸!?胸取れちゃうぅぅ!!」
素手でココナッツに指を食い込ませることのできる、セイナの万力のような握力に胸を掴まれたロナは、涙目で必死に許しを請う。
「格差社会が気になるなら、ここでねじ切って平等にしてあげるわよ?それに、こんなのものはただの脂肪!贅肉!無駄なお肉なのよ!!」
あーあ……言わんこっちゃない……
呆れた顔で俺が嘆息をつく。
お前はそうやってすぐ人のことをからかうから……いつも痛い目見るんだぞ?
と、レクスが電話中だと言うのに断末魔の悲鳴を上げているロナを、冷めた瞳で見ていると────
「アンタもアンタよぉッ!!」
セイナが突然ロナの胸を掴んでいた手とは逆の手で、リムジンの対面に座っていた俺の顔面に強烈な左ストレートをかましてきた!なに~!?
「グゲッ!?」
ノーガードの顔面にめり込んだ拳に一発KOされた俺は、チンッ!チンッ!チンッ!チンッ!というゴングの鐘と共に、リムジンの柔らかい背もたれに倒れた。
だが、ここは戦場。ルールなんて存在しない世界。セイナはノックダウンした俺に追い打ちとばかりにみぞおちに左アッパーを叩き込む。
「待て待て待て!?俺は何もしてないだろう!?」
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「ちげーよ!?俺は別にそんなつもりで言ったんじゃねえし!?それにいくら格差社会と言っても、何も小さい胸が格下と決まったわけじゃあ────ぐひゃ!?」
何とか言い繕うとした俺の言葉への返事とばかりに、車のボンネットが凹むレベルの撃ち下ろしが襲い掛かる。
「さいってい!!いつっもいつっもアタシのことを貧乳とか胸無しとか馬鹿にしてぇ!!そんなに!!胸がぁ!!好きなら!!牛と!!結婚!!すればぁ!?」
「イダイイダイ!!セイナぁ!?言葉の区切りごとにフォルテを殴らないでぇ!!その勢いでロナの、ロナちゃんの巨乳が千切れちゃうからぁ~!!」
無茶苦茶だ……リムジンって本来は人間の中でもトップ、いわゆる品格のある人間が乗るものだよな?
しかしここには人間社会の理性や秩序は完全に失われ、まるで動物園と化していた。
つーか一番暴れてて忘れてたけど、お前一応王族だよな?セイナ。
「セイナ……落ち着くんだ……」
その様子をリムジンのシートに腰かけたまま、ずっと黙って見ていたアイリスがそう告げた。
ピタッ……一瞬だけ動物園にも秩序が戻る。
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心の中で俺は「ナイスだアイリス」とボロボロの身体のまま親指を立てる。
何はともあれ、これでセイナも落ち着いてくれるはず────
「胸は小さい方が楽でいいじゃないか……」
「「「……」」」
チーンッ……さっきのゴングとは別の鐘の音が聞こえたような気がした。
「ボクも大きくて困っているんだ、射撃の時は邪魔だし、戦闘時は着弾面積が広がるから……セイナのような体型が羨ましいよ……」
いや、確かにお前は胸をサラシで巻いて抑えているとは言っていたがなぁ!
「……ア、アイリス……?」
ロナのような煽りではなく、マジでそう言っているアイリスを止めに掛かるが、グツグツと煉獄の窯のように煮えたぎる殺気に気づいてそっちを見ると────
「ヒィッ!??」
鬼がいた。
金髪のポニーテールを逆立てた、鬼がいた。
「そう……新参だから優しくしてあげようって思っていたこっちが間違っていたみたいね……アイリスぅ!!」
「何だって!!それを本気で言っているのか!?」
セイナがアイリスに飛び掛かろうとした瞬間────運転席側で電話していたレクスが大声でそう告げた。
普通では考えられないレクスの切羽詰まった表情から、異常事態だと気づくのに時間は掛からなかった。
「どうした?何かあったのかレクス?」
「クソッ!」と告げてから電話を投げ捨てたレクスに、俺は真面目な様子で訊ねると、返ってきた言葉にこの場にいた全員が凍り付いた。
「────FBI副長官、ボブ・スミスを乗せた飛行機が、上空で跡形も無く姿を消したらしい……」
「跡形も無く……だと?」
「あぁ……レーダーから忽然と姿を消したらしい……陸から近くの場所だったこともあって救助隊がすでに出ているが、残骸は何一つとして残っていないらしい……」
信じられないその言葉に、誰も声を発せずにいた。
いくら化学や魔術が進んでいようと、飛行機を一瞬で消せるほどの技術なんて存在しない……
俺達は、一体何と戦わされているんだ……?
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聞こえてくるのは、無情にも等しいベトナムの地に降り注ぐ雨音だけだった……
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