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神々に魅入られし淑女《タイムレス ラヴ》
仲間と共に《Bet my soul》19
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『発射迄残り三十秒』
その弾頭が発射される時間も三十秒を切った。
大まかな造りを見る限り『戦艦』と同じ魔力を利用したエンジンらしく、どうやら焼け死ぬことはなさそうだが、それでもこのままここに残れば発射の衝撃でタダでは済まないだろう。
「何とか解除できないのかロナ?」
さっきからずっと電子デバイスを高速で操作していたロナに問い掛けるが、彼女は手を一切止めることなく表情だけを曇らせた。
「やってるけどっ……この時間だと停止コードを作成するだけで精一杯。それにコードを作動させようにもここからだと権限が低すぎて……せめて主要操作系統に差し込まないと……」
「主要操作系統って言われても……」
セイナが焦りと困惑を滲ませそう呟いた。
この巨大なミサイルを下から上へと何度も嘗め回すよう隅々まで見たが、あちこちにそれらしき操作パネルや電子表示などが散在しており一体どれがそうなのか皆目見当もつかない。
カチリッ……カチリッ……
そうこうしている合間にも刻一刻と秒針は刻まれていく。
クソッ……一体どこにあるっ!?
「────最上部の電子パネル」
皆がその声を聞いて動きを止めた。
周囲全域に気を張り巡らせていなかったら気づけないほど小さく、水泡のように消えてしまいそうな弱弱しい声。
それは、血みどろになって倒れていた彩芽のものだった。
「管理者権限で入れる権限はあそこだけだ……」
頭上高く聳えるミサイルの先端部分、小窓にも満たないパネルが一つ存在している。
彩芽はうつ伏せのまま懸命にその場所を指し示そうとしていたが、彼女にはもうその力も残されておらず数センチしか腕を上げることが出来なかった。
「フードの下を……あの男を、見た」
『発射迄残り十五秒』
「フォルテ、君達が言っていることが……ウソじゃないことが、ようやく分かった……」
『発射迄残り十秒』
「だから……頼む……っ、あのミサイルを止めて、こんな、こと……都合よすぎる、けど」
「あぁ、分かった」
涙ながらに訴える彩芽に俺は一度だけ大きく頷いた。
あのミサイルは絶対着弾させない。
こんなもので彩芽の運命を翻弄させはしないさ。
『九』
「できた、フォルテこれ!」
『八』
「サンキューロナ、このUSBを挿せばどうにかなるのか?」
『七』
「うん、無線でベッキーに指示された通りに作ったからそれで問題ないはず」
『六』
「まってフォルテ、それならアタシが────」
『五』
「いやセイナ、ここは俺が行く。お前の飛翔能力だと速度が足りない上に身体が持たないからな。負傷者と共に退避してくれ」
『四』
「さぁ、あとは彼に任せて私達は引くよ。ここに残ればタダでは済まないからね」
『三』
「ちょっと放してよ竜……っ!そんなっ、嫌!」
『二』
「大丈夫、必ず止めてくるさ」
『一』
「フォルテ……ッ、フォルテェェェェェェッッッ!!!!!」
少女の慟哭を最後にカウントダウンがゼロとなる。
様々な組織や国家、人物の意志と憎悪を乗せた魔科学弾頭が夏の夕闇へと羽ばたいていった。
『────要はロケットと同じ三層構造だ』
耳に装着していた無線から長々と冷静なミサイルに関する情報が流れている。
大学講師のように淡々としてはいるものの、ノイズ交じりの雑音はとても金を取れるような音質ではなかった。
『下段が飛ばすためのブースター、中段は充填された神の加護の格納庫、そして上段はそれを起爆させるための科学物質、ペリリウムや重水素化────』
「細かな説明はいい……っ、ベッキー!」
現在進行形で日本海上空を飛翔する魔科学弾頭に、携行している小太刀一本でへばり付いていた俺は力いっぱい叫ぶ。
西の空に消えかけた暁を追うように飛ぶミサイルの速度は下段のブースターでマッハまで迫っており、今にも振り落とされてしまいそうだ。
地上から一万メートルは空気も薄く酸素の欠乏した視界は夕闇よりも暗い。
夏だというのに冷凍庫の中でも放り込まれたかのように手足は冷たく、末端機関の感覚を鈍らせている。
人ならばとっくに凍死または酸素欠乏症で落下している状況だが、魔眼の身体強化のおかげで俺はなんとかギリギリ踏み止まれていた。
「要はコイツをあのパネルにぶっさせばどうにかなるんだろッ!?」
ロナから貰ったUSB。
これにはベッキーが即興で指示し、組ませた停止プログラムが含まれている。
『おっとこれは失敬。君はせっかちだなと詰りたいところだが時間が無いんだったな。つまりはそういうことだ。USBにはさっき言った三層構造が破綻するプログラムを組んでもらった。あとはそいつをメインモニターから管理者権限でもって流せさえすれば勝手にミサイルは自壊する。ま、それだけデカいと落下した時に多少の損害は出るかもだが何億人って死ぬことは避けられるだろ』
酸素が四分の一しかないこの場所ならいざ知らず、安全な輸送ヘリから無線を送っているベッキーは、体内の酸素全てを使い切る勢いのまま説明を披露する。
一体どっちがせっかちなんだ……。
そうツッコむ余裕すら今の俺には無く、ミサイルの上部付近にある電子パネルまでカツカツ小太刀を突き立てながら一歩、また一歩と四つん這いの歩みを進めていく。
発射される前に魔眼の力で中段付近まで飛びついていたから良かったものの、残りの数十メートルを切ったはずの電子パネルは遥か地平線の彼方、あるいは天上の星々のように遠く感じる。
到底辿りつけるとは思えない彼方の景色に、俺の心は折れかかっていた。
いっそのこと、今ここで手の力をほんの少し緩めればこの苦しみからも解放される。
必死にやったが駄目だった。
きっと、誰も俺のことを責めることはないだろう。
『それにしても……だ』
カチンッ、カチンッ、
ミサイルの外装である鉄板に小太刀を突き立て、中段からなんとか上段へと差し掛かった頃だった。
『そうまでして何故君は運命に抗おうとする?』
こんな時にするとは思えない疑問を投げかけてきた。
『いやなに、安易に喋れる状況じゃないのは判るがどうしても気になってさ。だって私だったら知らない人達のために自らの命を犠牲にできない。無理無理無理無理無理、そんなこと考えただけで呆れてしまう。けれど君は違う。自らの肉体も精神もボロ布のように扱って、それでもなお抗おうとする?』
研究者として自らの身体を酷使しないからか、それとも単純な疑問からか。
少なくとも今この場で一番聞かれたくないようなことをベッキーは告げてきやがった。
一体誰だ、この世間知らずの機械バカをオペレーターに据えた奴は……
「────誓ったからだ……っ」
ガクガクと震えの止まらない顎で俺はそう告げた。
その言葉はマイナス五十度の外気に晒されて青白く消えていく。
「大切な人……をっ、そし……て……っ、その大切な人が生きる世界……をっ、護る……って」
折れかけていた心は、怒りの激情でほんの僅かに燃え上がる。
「だから俺……はっ、彼女の生きるこの世界……をっ、命を賭し……てっ、護るん……だっ」
マイナス五十度がなんだ。酸素が半分以下だからなんだ。
俺はまだ生きている。
力を抜く選択肢があるように、前に進む選択肢だって残されているんだ。
『なるほど、私には君の考えが全く理解できないということだけは判った……だが』
喧しい評論に反論しかけた俺の言葉をベッキーは奪う。
『誰かのために全力になれる。君という人間が多数の者から好かれる理由も同時に判った。これはますます────』
途切れ途切れだった無線が完全に聞こえなくなった。
耳の感覚が無くて気付かなかったが、どうやらこの風圧に耐え切れず落ちてしまったらしい。
カツンッ……
伸ばした指先に触れた感覚が冷たい鉄板から熱を持った何かに触れた。
固まりかけた瞼に映っていたのは、さっきまで彼方の星々と同じ距離にあったはずの電子パネルだ。
前へ前へ……戯言を糧にしながら突き進んでいくうちに、気が付いたら目的の場所についていたらしい。
久遠の先にあった念願のパネルは、凍死しかけた指先には太陽のように厚く感じる。
あとはコイツに例のデータを流せば────
ポケットから取り出したUSBを画面脇にある差込口に挿入しようしたその時だった。
ブワァッ!!!!
全身を揺さぶられるほどの衝撃。
どうやら一番下段のブースターが切り離されたのだ。
おそらく燃料を使い切って切り離されたされたのだろう。
「あ────っ」
右手に握っていたUSBが指先から離れる。
悴んでいたせいで力加減を誤ったのだ。
右眼の端で流れ星のように落ちていくメモリ端子。
その弾頭が発射される時間も三十秒を切った。
大まかな造りを見る限り『戦艦』と同じ魔力を利用したエンジンらしく、どうやら焼け死ぬことはなさそうだが、それでもこのままここに残れば発射の衝撃でタダでは済まないだろう。
「何とか解除できないのかロナ?」
さっきからずっと電子デバイスを高速で操作していたロナに問い掛けるが、彼女は手を一切止めることなく表情だけを曇らせた。
「やってるけどっ……この時間だと停止コードを作成するだけで精一杯。それにコードを作動させようにもここからだと権限が低すぎて……せめて主要操作系統に差し込まないと……」
「主要操作系統って言われても……」
セイナが焦りと困惑を滲ませそう呟いた。
この巨大なミサイルを下から上へと何度も嘗め回すよう隅々まで見たが、あちこちにそれらしき操作パネルや電子表示などが散在しており一体どれがそうなのか皆目見当もつかない。
カチリッ……カチリッ……
そうこうしている合間にも刻一刻と秒針は刻まれていく。
クソッ……一体どこにあるっ!?
「────最上部の電子パネル」
皆がその声を聞いて動きを止めた。
周囲全域に気を張り巡らせていなかったら気づけないほど小さく、水泡のように消えてしまいそうな弱弱しい声。
それは、血みどろになって倒れていた彩芽のものだった。
「管理者権限で入れる権限はあそこだけだ……」
頭上高く聳えるミサイルの先端部分、小窓にも満たないパネルが一つ存在している。
彩芽はうつ伏せのまま懸命にその場所を指し示そうとしていたが、彼女にはもうその力も残されておらず数センチしか腕を上げることが出来なかった。
「フードの下を……あの男を、見た」
『発射迄残り十五秒』
「フォルテ、君達が言っていることが……ウソじゃないことが、ようやく分かった……」
『発射迄残り十秒』
「だから……頼む……っ、あのミサイルを止めて、こんな、こと……都合よすぎる、けど」
「あぁ、分かった」
涙ながらに訴える彩芽に俺は一度だけ大きく頷いた。
あのミサイルは絶対着弾させない。
こんなもので彩芽の運命を翻弄させはしないさ。
『九』
「できた、フォルテこれ!」
『八』
「サンキューロナ、このUSBを挿せばどうにかなるのか?」
『七』
「うん、無線でベッキーに指示された通りに作ったからそれで問題ないはず」
『六』
「まってフォルテ、それならアタシが────」
『五』
「いやセイナ、ここは俺が行く。お前の飛翔能力だと速度が足りない上に身体が持たないからな。負傷者と共に退避してくれ」
『四』
「さぁ、あとは彼に任せて私達は引くよ。ここに残ればタダでは済まないからね」
『三』
「ちょっと放してよ竜……っ!そんなっ、嫌!」
『二』
「大丈夫、必ず止めてくるさ」
『一』
「フォルテ……ッ、フォルテェェェェェェッッッ!!!!!」
少女の慟哭を最後にカウントダウンがゼロとなる。
様々な組織や国家、人物の意志と憎悪を乗せた魔科学弾頭が夏の夕闇へと羽ばたいていった。
『────要はロケットと同じ三層構造だ』
耳に装着していた無線から長々と冷静なミサイルに関する情報が流れている。
大学講師のように淡々としてはいるものの、ノイズ交じりの雑音はとても金を取れるような音質ではなかった。
『下段が飛ばすためのブースター、中段は充填された神の加護の格納庫、そして上段はそれを起爆させるための科学物質、ペリリウムや重水素化────』
「細かな説明はいい……っ、ベッキー!」
現在進行形で日本海上空を飛翔する魔科学弾頭に、携行している小太刀一本でへばり付いていた俺は力いっぱい叫ぶ。
西の空に消えかけた暁を追うように飛ぶミサイルの速度は下段のブースターでマッハまで迫っており、今にも振り落とされてしまいそうだ。
地上から一万メートルは空気も薄く酸素の欠乏した視界は夕闇よりも暗い。
夏だというのに冷凍庫の中でも放り込まれたかのように手足は冷たく、末端機関の感覚を鈍らせている。
人ならばとっくに凍死または酸素欠乏症で落下している状況だが、魔眼の身体強化のおかげで俺はなんとかギリギリ踏み止まれていた。
「要はコイツをあのパネルにぶっさせばどうにかなるんだろッ!?」
ロナから貰ったUSB。
これにはベッキーが即興で指示し、組ませた停止プログラムが含まれている。
『おっとこれは失敬。君はせっかちだなと詰りたいところだが時間が無いんだったな。つまりはそういうことだ。USBにはさっき言った三層構造が破綻するプログラムを組んでもらった。あとはそいつをメインモニターから管理者権限でもって流せさえすれば勝手にミサイルは自壊する。ま、それだけデカいと落下した時に多少の損害は出るかもだが何億人って死ぬことは避けられるだろ』
酸素が四分の一しかないこの場所ならいざ知らず、安全な輸送ヘリから無線を送っているベッキーは、体内の酸素全てを使い切る勢いのまま説明を披露する。
一体どっちがせっかちなんだ……。
そうツッコむ余裕すら今の俺には無く、ミサイルの上部付近にある電子パネルまでカツカツ小太刀を突き立てながら一歩、また一歩と四つん這いの歩みを進めていく。
発射される前に魔眼の力で中段付近まで飛びついていたから良かったものの、残りの数十メートルを切ったはずの電子パネルは遥か地平線の彼方、あるいは天上の星々のように遠く感じる。
到底辿りつけるとは思えない彼方の景色に、俺の心は折れかかっていた。
いっそのこと、今ここで手の力をほんの少し緩めればこの苦しみからも解放される。
必死にやったが駄目だった。
きっと、誰も俺のことを責めることはないだろう。
『それにしても……だ』
カチンッ、カチンッ、
ミサイルの外装である鉄板に小太刀を突き立て、中段からなんとか上段へと差し掛かった頃だった。
『そうまでして何故君は運命に抗おうとする?』
こんな時にするとは思えない疑問を投げかけてきた。
『いやなに、安易に喋れる状況じゃないのは判るがどうしても気になってさ。だって私だったら知らない人達のために自らの命を犠牲にできない。無理無理無理無理無理、そんなこと考えただけで呆れてしまう。けれど君は違う。自らの肉体も精神もボロ布のように扱って、それでもなお抗おうとする?』
研究者として自らの身体を酷使しないからか、それとも単純な疑問からか。
少なくとも今この場で一番聞かれたくないようなことをベッキーは告げてきやがった。
一体誰だ、この世間知らずの機械バカをオペレーターに据えた奴は……
「────誓ったからだ……っ」
ガクガクと震えの止まらない顎で俺はそう告げた。
その言葉はマイナス五十度の外気に晒されて青白く消えていく。
「大切な人……をっ、そし……て……っ、その大切な人が生きる世界……をっ、護る……って」
折れかけていた心は、怒りの激情でほんの僅かに燃え上がる。
「だから俺……はっ、彼女の生きるこの世界……をっ、命を賭し……てっ、護るん……だっ」
マイナス五十度がなんだ。酸素が半分以下だからなんだ。
俺はまだ生きている。
力を抜く選択肢があるように、前に進む選択肢だって残されているんだ。
『なるほど、私には君の考えが全く理解できないということだけは判った……だが』
喧しい評論に反論しかけた俺の言葉をベッキーは奪う。
『誰かのために全力になれる。君という人間が多数の者から好かれる理由も同時に判った。これはますます────』
途切れ途切れだった無線が完全に聞こえなくなった。
耳の感覚が無くて気付かなかったが、どうやらこの風圧に耐え切れず落ちてしまったらしい。
カツンッ……
伸ばした指先に触れた感覚が冷たい鉄板から熱を持った何かに触れた。
固まりかけた瞼に映っていたのは、さっきまで彼方の星々と同じ距離にあったはずの電子パネルだ。
前へ前へ……戯言を糧にしながら突き進んでいくうちに、気が付いたら目的の場所についていたらしい。
久遠の先にあった念願のパネルは、凍死しかけた指先には太陽のように厚く感じる。
あとはコイツに例のデータを流せば────
ポケットから取り出したUSBを画面脇にある差込口に挿入しようしたその時だった。
ブワァッ!!!!
全身を揺さぶられるほどの衝撃。
どうやら一番下段のブースターが切り離されたのだ。
おそらく燃料を使い切って切り離されたされたのだろう。
「あ────っ」
右手に握っていたUSBが指先から離れる。
悴んでいたせいで力加減を誤ったのだ。
右眼の端で流れ星のように落ちていくメモリ端子。
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「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
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