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光斗の相手 3
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「無理する必要はないよ。薬で発情しても、それは本当の発情じゃない。僕は君に苦しみながらじゃなく、気持ちよくなりながら、いつか発情してくれればいいと思ってるんだ。急がなくても全然いい」
「でも、あと三日で、約束が守れなかったら」
「うん?」
「……高梨さんは、俺のこと、ヤリ捨てるんでしょう?」
言ってしまってから、自分の声があまりにもか細くなっていることに気づいて驚いた。そんなつもりはなかったのに。
この前も、ヤリ捨てられるのが嫌だと叫んだばかりで、また同じ台詞を繰り返す自分のしつこさにも呆れる。
どうやら高梨の『ヤリ捨てる』という言葉は、思っていた以上に陽斗の心の深いところに刺さっていたらしい。
相手の腕の中で落ち着きなく身じろぐと、わずかに目をみはっていた高梨が、なんともいえない困り顔をする。そして、陽斗をきつく抱きしめてきた。
つむじに口づけて、熱いため息をこぼす。
「まったく。この可愛らしい頭は、そんなことを気に病んでいたのか」
「だって、け、契約だし。機能不全オメガは、アルファにとって役立たずだし」
「機能不全オメガだなんて。その言葉は、君自身も傷つけるし、同時に僕も傷つけている」
「……」
「僕は君のことをそんな風に思ったことは一度もない」
そしてそのままソファに押し倒される。
「僕が君の何を一番好きなのか、教えてあげようか」
銀灰色の瞳が、わずかに怒りを含んでいる。その様子にゾクゾクした。
「僕が好きなのは、君の笑顔だ。引越し作業の時に、失敗をした部下を励ますために見せたあの笑顔が、僕が世界で一番好きなものなんだ」
「……」
「あの笑顔を毎日、見ることができたら」
見蕩れてしまった陽斗の頬に、高梨が手を添えてくる。優しく撫でられて、くすぐったさに肩をすくめた。
「他には何もいらない」
そしてまた、口づけられる。
今度は熱く、深いキスだった。
「ヤリ捨てるなんて言って悪かった」
「……ん」
「あのときは、君がちっとも振り向いてくれなくて、平常心ではなかったんだ」
「うん……」
「今はもう、そんなこと欠片も思っていない。一生、そばにおいて離したくない」
「……ぅん……」
高梨が喋りながらキスを続ける。唇の合間から舌をさしこんで、陽斗の舌先をこすってくる。会話の途中で、何度も、ちゅ、くちゅ、という濡れた音がはさまれた。それに下肢が甘く疼いてくる。何日もかけて教えこまれた快楽が、全身を甘く蕩けさせていく。発情しなくとも、高梨の愛情のこもった愛撫だけで、陽斗はいとも簡単に陥落するのだった。
「まいったな、したくなってきた」
高梨が声を掠れさせる。
「でも、あと三日で、約束が守れなかったら」
「うん?」
「……高梨さんは、俺のこと、ヤリ捨てるんでしょう?」
言ってしまってから、自分の声があまりにもか細くなっていることに気づいて驚いた。そんなつもりはなかったのに。
この前も、ヤリ捨てられるのが嫌だと叫んだばかりで、また同じ台詞を繰り返す自分のしつこさにも呆れる。
どうやら高梨の『ヤリ捨てる』という言葉は、思っていた以上に陽斗の心の深いところに刺さっていたらしい。
相手の腕の中で落ち着きなく身じろぐと、わずかに目をみはっていた高梨が、なんともいえない困り顔をする。そして、陽斗をきつく抱きしめてきた。
つむじに口づけて、熱いため息をこぼす。
「まったく。この可愛らしい頭は、そんなことを気に病んでいたのか」
「だって、け、契約だし。機能不全オメガは、アルファにとって役立たずだし」
「機能不全オメガだなんて。その言葉は、君自身も傷つけるし、同時に僕も傷つけている」
「……」
「僕は君のことをそんな風に思ったことは一度もない」
そしてそのままソファに押し倒される。
「僕が君の何を一番好きなのか、教えてあげようか」
銀灰色の瞳が、わずかに怒りを含んでいる。その様子にゾクゾクした。
「僕が好きなのは、君の笑顔だ。引越し作業の時に、失敗をした部下を励ますために見せたあの笑顔が、僕が世界で一番好きなものなんだ」
「……」
「あの笑顔を毎日、見ることができたら」
見蕩れてしまった陽斗の頬に、高梨が手を添えてくる。優しく撫でられて、くすぐったさに肩をすくめた。
「他には何もいらない」
そしてまた、口づけられる。
今度は熱く、深いキスだった。
「ヤリ捨てるなんて言って悪かった」
「……ん」
「あのときは、君がちっとも振り向いてくれなくて、平常心ではなかったんだ」
「うん……」
「今はもう、そんなこと欠片も思っていない。一生、そばにおいて離したくない」
「……ぅん……」
高梨が喋りながらキスを続ける。唇の合間から舌をさしこんで、陽斗の舌先をこすってくる。会話の途中で、何度も、ちゅ、くちゅ、という濡れた音がはさまれた。それに下肢が甘く疼いてくる。何日もかけて教えこまれた快楽が、全身を甘く蕩けさせていく。発情しなくとも、高梨の愛情のこもった愛撫だけで、陽斗はいとも簡単に陥落するのだった。
「まいったな、したくなってきた」
高梨が声を掠れさせる。
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