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2 ※紘一
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紘一は3兄弟の長男で、昔からしっかりしている人だった。優しくて面倒見が良くて、責任感が強い人だ。双子の弟とは相性があまり良くなかったようだが、それでも諦めずに兄弟で歩み寄ろうとしていたことを俺は知っている。
俺が今住んでいるのは、紘一とその兄弟が住んでいる家だ。つまり、3兄弟の中にお邪魔させてもらってることになる。とはいっても、紘一の双子の弟である蓮はめったに帰宅しないし、3男である和馬は部屋からほぼ出てこない。
つまり、この家で紘一と二人で部屋に籠っていても、誰かが乱入してくる可能性は限りなく低いということだ。
移動時間でかなり火照ってきた身体を番に支えてもらいながら、彼の自室に招きいれられる。ベッドに座らされて、「準備があるから」と言われて数分後。空調や水の準備を終えた紘一が覆いかぶさってきた頃には、ベッドの匂いと興奮でぐずぐずになっていた。
あれよあれよという間に服を剥がされて、背後から抱きしめられて。既に頭をもたげていた中心に手が伸びてきた。
ローションを塗った手で一撫でされるだけで、息が荒くなる。
「気持ちいい?春斗」
「うん……う、ん、……」
夢見心地のまま、こくこくとうなずく。甘く優しい刺激で思考が溶け、体から力が抜ける。背後の紘一にもたれかかり、その腕に手をかけた。
「乳首も好きだよね。触ってあげるね」
もう片方の手に乳首を触られる。焦らすように乳輪をなぞられて、その指から目を離せない。ようやく突起を摘まれた瞬間、びくんと身体が震えた。
「ん……っ、ぁ……は……はぁ……」
「赤くなってる。かわいい」
「は……かわいいとか、そんなこと、」
「照れてるところもかわいい」
くにくにと乳首を弄られて、無意識に身体が震える。
「……んんんっ!あ、……ああぁ……」
「……もしかして今ので、軽くイッた?」
腹がびくびくして、頭がぼんやりとする。気持ちよさに浸っているうちに軽くイッてしまったようで、白い体液が竿を伝って落ちていく。
一通り余韻がすぎてしばらくして、紘一が手を再度動かし始める。先走りと精液が混じったものと一緒に扱かれて、下半身から水音が断続的に聞こえている。直接見ずとも、やらしい惨事になってるのは明らかだった。時折うなじや首筋に冷たい唇が落とされて、くすぐったい。短いリップ音と、ちゅこちゅこという音が近くで聞こえて、耳を犯されているようだった。
気持ちいい。湯船に浸かってる時のような安心感で、相手に気を許して、快楽の波に漂って、与えられる刺激にくらくらしていた。
でも、どれだけ心地好い気持ちになっても、決定的な何かが足りていなかった。
紘一の大きな手のひらが先っぽを包む。アルファの、世界でたった一人の番の手。それだけでたまらない気持ちになって、その皮膚に擦り付けた。息がつまり、2度目の射精で身体が痙攣する。
紘一の腕につかまりながら、ゆらゆらと気持ちよさに浸る。気を抜けば我を忘れてしまいそうで、こぼれ落ちてしまいそうな理性を繋ぎ止めるようにその腕を握っていた。
ふと、ちんこを弄っていた紘一の手が後ろに回る。ぼうっとしながら息を整えていた俺は、いつもと違う感触にはっとした。
「ひっ!あ、そこ、は」
「……大丈夫、いれないから」
愛液がたれている窄まり。男でも妊娠できるというオメガのアナルに、紘一の指が当たっていた。くるくるとそこを、表面をなぞられる。
驚いたせいでついつい声が出てしまった。自分でも怖くて触ったことが無いため、触られるといつもびっくりしてしまう。
途端に腹が切なくなり、なのに、挿れてもらえないなんて。半狂乱になってもおかしくないくらいの飢えで唸り声が出てしまいそうになったが、唇を噛んで押さえ込む。
「ふぅ……っ」
いれないから、って、なにが大丈夫というのか。オメガの本能が番の精液をこんなに欲しがっているのに、どうして満たしてくれないのか。いれて、いれていれていれて!
そんな言葉を必死に飲み込む。
竿を強く擦られて、気持ちよさでだらだらと口からよだれが落ちた。アナルは相変わらずなぞられるだけで、指すらも中に入ってくる気配がない。気持ちいいのに、一番欲しいものが与えられていないようなもどかしさで、駄々をこねるような喘ぎ声が止まらない。
「も、やだぁ……っ、やだ、やだぁ!」
「……ん」
びゅく、と精子が勢いよく飛び出る。腹の奥が疼いたままだというのに、ぜえぜえと息を荒げて体から力が抜ける。
へたり込んでいる俺の股間をティッシュで拭ってくれた後、紘一は頭を撫でてくれた。
「休憩しようか」
「……うん」
水を取ってくるね、と言って、紘一が部屋を出ていく。足音が遠のくのを確認すると、ずるずると体を引きずりながらベッドを下りる。鞄からポーチを取り出し、薬を開けた。抑制剤だ。
水も飲まずに薬を口に入れる。これできっと、大方治まってくれるはずだ。
紘一が戻ってきたら、もう大丈夫そうだからって言おう。それで、もう俺のことは気にしなくていいよって。仕事頑張ってきなよって言おう。ただでさえ忙しい彼の生活を、これ以上邪魔したくない。
本来よりも期間が短いことに違和感を感じさせないために、紘一には常々、普通のオメガよりも発情症状が軽いと説明している。きっと今回もこれで誤魔化せるだろう。
「はぁーー……きつ。体めっちゃ熱いし……」
なんの気まぐれなのか、今日はいつもと違って尻も触られた。そのせいなのか、普段よりも身体が気怠い。アルファの精を、本能が欲しがっているのだ。
オメガのヒートは一般的に、抑制剤を飲むか、性欲を発散することで症状が治まる。一番は番とセックスをすることなのだが、俺の番である紘一は頑なに俺に挿入しようとしない。
今まで何度も共にヒートを過ごしてきたのに、俺のフェロモンに当てられた素振りすら見せない。そりゃそうだろう。俺たちは、互いに望んで将来を誓い合った番ではない。
俺たちがこんな関係になったのは、不運が重なり合った結果の事故なんだから。
俺が今住んでいるのは、紘一とその兄弟が住んでいる家だ。つまり、3兄弟の中にお邪魔させてもらってることになる。とはいっても、紘一の双子の弟である蓮はめったに帰宅しないし、3男である和馬は部屋からほぼ出てこない。
つまり、この家で紘一と二人で部屋に籠っていても、誰かが乱入してくる可能性は限りなく低いということだ。
移動時間でかなり火照ってきた身体を番に支えてもらいながら、彼の自室に招きいれられる。ベッドに座らされて、「準備があるから」と言われて数分後。空調や水の準備を終えた紘一が覆いかぶさってきた頃には、ベッドの匂いと興奮でぐずぐずになっていた。
あれよあれよという間に服を剥がされて、背後から抱きしめられて。既に頭をもたげていた中心に手が伸びてきた。
ローションを塗った手で一撫でされるだけで、息が荒くなる。
「気持ちいい?春斗」
「うん……う、ん、……」
夢見心地のまま、こくこくとうなずく。甘く優しい刺激で思考が溶け、体から力が抜ける。背後の紘一にもたれかかり、その腕に手をかけた。
「乳首も好きだよね。触ってあげるね」
もう片方の手に乳首を触られる。焦らすように乳輪をなぞられて、その指から目を離せない。ようやく突起を摘まれた瞬間、びくんと身体が震えた。
「ん……っ、ぁ……は……はぁ……」
「赤くなってる。かわいい」
「は……かわいいとか、そんなこと、」
「照れてるところもかわいい」
くにくにと乳首を弄られて、無意識に身体が震える。
「……んんんっ!あ、……ああぁ……」
「……もしかして今ので、軽くイッた?」
腹がびくびくして、頭がぼんやりとする。気持ちよさに浸っているうちに軽くイッてしまったようで、白い体液が竿を伝って落ちていく。
一通り余韻がすぎてしばらくして、紘一が手を再度動かし始める。先走りと精液が混じったものと一緒に扱かれて、下半身から水音が断続的に聞こえている。直接見ずとも、やらしい惨事になってるのは明らかだった。時折うなじや首筋に冷たい唇が落とされて、くすぐったい。短いリップ音と、ちゅこちゅこという音が近くで聞こえて、耳を犯されているようだった。
気持ちいい。湯船に浸かってる時のような安心感で、相手に気を許して、快楽の波に漂って、与えられる刺激にくらくらしていた。
でも、どれだけ心地好い気持ちになっても、決定的な何かが足りていなかった。
紘一の大きな手のひらが先っぽを包む。アルファの、世界でたった一人の番の手。それだけでたまらない気持ちになって、その皮膚に擦り付けた。息がつまり、2度目の射精で身体が痙攣する。
紘一の腕につかまりながら、ゆらゆらと気持ちよさに浸る。気を抜けば我を忘れてしまいそうで、こぼれ落ちてしまいそうな理性を繋ぎ止めるようにその腕を握っていた。
ふと、ちんこを弄っていた紘一の手が後ろに回る。ぼうっとしながら息を整えていた俺は、いつもと違う感触にはっとした。
「ひっ!あ、そこ、は」
「……大丈夫、いれないから」
愛液がたれている窄まり。男でも妊娠できるというオメガのアナルに、紘一の指が当たっていた。くるくるとそこを、表面をなぞられる。
驚いたせいでついつい声が出てしまった。自分でも怖くて触ったことが無いため、触られるといつもびっくりしてしまう。
途端に腹が切なくなり、なのに、挿れてもらえないなんて。半狂乱になってもおかしくないくらいの飢えで唸り声が出てしまいそうになったが、唇を噛んで押さえ込む。
「ふぅ……っ」
いれないから、って、なにが大丈夫というのか。オメガの本能が番の精液をこんなに欲しがっているのに、どうして満たしてくれないのか。いれて、いれていれていれて!
そんな言葉を必死に飲み込む。
竿を強く擦られて、気持ちよさでだらだらと口からよだれが落ちた。アナルは相変わらずなぞられるだけで、指すらも中に入ってくる気配がない。気持ちいいのに、一番欲しいものが与えられていないようなもどかしさで、駄々をこねるような喘ぎ声が止まらない。
「も、やだぁ……っ、やだ、やだぁ!」
「……ん」
びゅく、と精子が勢いよく飛び出る。腹の奥が疼いたままだというのに、ぜえぜえと息を荒げて体から力が抜ける。
へたり込んでいる俺の股間をティッシュで拭ってくれた後、紘一は頭を撫でてくれた。
「休憩しようか」
「……うん」
水を取ってくるね、と言って、紘一が部屋を出ていく。足音が遠のくのを確認すると、ずるずると体を引きずりながらベッドを下りる。鞄からポーチを取り出し、薬を開けた。抑制剤だ。
水も飲まずに薬を口に入れる。これできっと、大方治まってくれるはずだ。
紘一が戻ってきたら、もう大丈夫そうだからって言おう。それで、もう俺のことは気にしなくていいよって。仕事頑張ってきなよって言おう。ただでさえ忙しい彼の生活を、これ以上邪魔したくない。
本来よりも期間が短いことに違和感を感じさせないために、紘一には常々、普通のオメガよりも発情症状が軽いと説明している。きっと今回もこれで誤魔化せるだろう。
「はぁーー……きつ。体めっちゃ熱いし……」
なんの気まぐれなのか、今日はいつもと違って尻も触られた。そのせいなのか、普段よりも身体が気怠い。アルファの精を、本能が欲しがっているのだ。
オメガのヒートは一般的に、抑制剤を飲むか、性欲を発散することで症状が治まる。一番は番とセックスをすることなのだが、俺の番である紘一は頑なに俺に挿入しようとしない。
今まで何度も共にヒートを過ごしてきたのに、俺のフェロモンに当てられた素振りすら見せない。そりゃそうだろう。俺たちは、互いに望んで将来を誓い合った番ではない。
俺たちがこんな関係になったのは、不運が重なり合った結果の事故なんだから。
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