鈍感なオメガは3兄弟に溺愛される

キルキ

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10 ※蓮

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俺と紘一の番関係は周知の事実だったが、長年共に過ごしているのに一線を越えずにいることは、和馬にしか打ち明けていなかった。事故から始まった俺達の関係について、家族や親戚に心配させたくなかったのだ。表向き円満を謳っているため、彼が俺を愛していないことなんて、誰も思っていないだろう。

蓮もその一人であり、初めて、という俺の言葉に困惑していた。

「初めてって何が?ベロチューのこと?」
「ん……べろもエッチも、したことない……」

再び「は!!??」と大きな声が聞こえる。熱に浮かされるような気分のまま見上げれば、口元を引きつらせた蓮がいる。珍しい表情だ。

「は?意味わかんねえ。お前ら付き合って10年くらい経ってんだろ?」

あり得ない、とでも言いたげな言いぶりだ。俺だって何でまだ処女なのかわかんねえよ。ついさっき、悪趣味な男に散らされたばかりだけどな。

「してないったらしてない!嘘言うわけないじゃん」
「いやいやいや……だってお前、ヒートの時だって、二人で部屋に籠ってただろ。あれで手を出されてないわけが……もしかして、体の相性が悪いとか。いった!怒んなって、わかったから」

人が気にしていることをずけずけ言ってくるものだから、思わず手の甲を抓ってやる。こんな事をしたら怒らせるかと思ったが、俺の予想に反して、蓮が機嫌を損ねた様子はない。

しばらく逡巡した後、ふうん、と一人で何やら納得したかと思えば、愉快そうに目を細めた。頬が赤いこと以外は、いつもの蓮の意地の悪い笑い方だった。

「へーぇ?コレが初めてだったのか。じゃあ今、まじでヤバいんじゃないの?気持ちよすぎて」

俺は何も言わずに目を逸らす。気持ちよすぎて気がおかしくなってるのは事実だが、それをこの男に認めるのは嫌だ。

初めての男を乱暴にしたことに、一切の罪悪感も抱いていないようである。それどころか、「もったいないことしたなぁ。事前に知ってたら、自分から欲しいって泣いて懇願するまで焦らしプレイしてやったのに」などと言い出す始末だ。

「番に放っておかれて、かわいそーに。今から俺が、兄貴の代わりにかわいがってやるからな、な?」
「う……まだすんの」
「初めてって知った後だと、見え方変わるな。やけに敏感なのは、もともとなんだ?」

胸元を手が這う。むず痒い感触に何とも言えずにいると、手のひらで撫でられたあとの肌に口づけが落とされた。

僅かな刺激にも反応する身体は、意識せずとも後ろに入ったままの蓮のものを締め付ける。その拍子に、中の性器が芯を取り戻していく。淫猥な突き上げが再開するのも時間の問題だった。

「っひあ、あ、ああ」

気持ちよくて、既にとろとろに溶かされていた俺は、甘い声をあげながらそれを受け止める。蓮の背中にしがみついて、爪を立てた。相手もさほど余裕がなくなってきているようで、うわ言のような事を言いながらすっかり快楽に夢中になっていく。

「嘘だろ、処女だったのかよ……は、くそ……っ、あ゛~~~……腰とまんねぇ………犯すのきもちい……」
「ゆ、ゆっくりしてってばぁ!あっ、あっ、ああっ、あ」
「すげえ泣いてんじゃん。もっと顔見せろ」

何度も奥を揺さぶられて、わけがわからないくらい気持ちよくされて。どれくらいの間そうしていたのか、何度もイかされたせいで俺のものからは何も出なくなってしまった。

時折「かわいい」と普段の蓮なら絶対言わないような言葉を投げつけられ、混乱する間もなく絶頂の波に思考が押し流される。

「……はぁっ、……やば、もういきそう」
「~~~っ」

切羽詰まったような低い唸り声と同時に、ぎゅうと抱きしめられる。蓮の肌から、汗の匂いがした。首にかかる息も、中でビクンと跳ねた肉棒も熱い。一番奥に精液が叩きつけられて、目を強く閉じた。自分の身体が征服される恐怖と、オメガとして必要とされていることに対する喜びが抑えられない。本当はずっと、これが欲しかったのだ。

脳裏に蘇ったのは、紘一と番になった時のことだった。首筋に紘一の歯が食い込む痛みが、昨日のことのように思い出される。あの時もこんな風に、苦しいくらいに抱きしめられた。俺よりも強い力で、なすすべもなく、ただ相手の本能を受け入れるしかなくて。恐怖と喜びで頭が掻き乱れたあの瞬間が、とても幸せだった。

またあの幸せを感じたかった。でも、紘一はきっと、俺を必要としていない。彼のオメガとして必要とされていない。

だけど、目の前のこの、俺を貪ることに必死なアルファなら、俺の欲しいものを全部くれるんじゃないか?

「ぁ……かん、で、ほし」

気づけばそんな事を言っていた。首元に顔を寄せた蓮が、息を呑む気配がして、すぐに我に返る。

いくら気持ちよくて意識がとんでいたからって、蓮に言うことじゃない。

「なんでもない」と言うのが遅かったようで、背中を抱えられて視界がくるりと回る。うつ伏せにさせられ、首輪が引っ張られた。外そうと試みているのだろうか。首輪の鍵は俺と紘一しか持っていないから、彼が外すことはできないのに。

「ごめん、さっき言ったことは、忘れて……っ」

首輪越しにうなじの蓮の歯が当たる。小さく舌打ちが聞こえたかと思えば、ようやくわかってくれたのか噛み付くのをやめ、耳や背中をちゅうちゅう吸われる。

立ち上がった性器を擦り付けられて再び中に押し入ってくるのを感じ、まだまだ終わりそうにないこの狂宴を察しながら、意識が遠のいていった。









   
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