鈍感なオメガは3兄弟に溺愛される

キルキ

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12 ※紘一

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部屋のドアを閉める音が、どこか恐ろしかった。ベッドに座るよう促されて、こわごわとマットレスに腰掛けた。

叱られる前の子供のように顔を伏せる俺に、正面に立った紘一が、手を伸ばしてくる。

「身体は大丈夫なの」
「なんか腰が痛いけど、それ以外は平気……」

存在を確かめるかのように腕を撫でられる。労わるような手つきだったが、どこか恐ろしい雰囲気があって、どうしても口ごもってしまう。紘一の顔を見ても、彼が今何を思っているのかが全く分からなかった。

「蓮に何をされたか、教えてくれる?具体的に」
「……えっ」
「どこをどういう風に触られたの」

なんでそんな事を聞くんだろう。よくわからないが、紘一の圧に負けていた俺は、細々とした声で答える。唇や胸や腹など、噛まれたり吸われたりして特に印象に残った部位を挙げた。あんまり覚えていないけどきっと、触られなかった場所のほうが少ないと思う。さすがにそんな事を紘一には言えないけど。

「へえ」と、不穏な声色で紘一が頷いた。これは余程怒らせてしまったみたいだ。どうしよう。

今まで紘一に怒られた経験がないから、ただ謝ることしかできない。泣きそうになってると、紘一の手が服の中に入ってくる。するりと肌を撫でられ、際どい場所に爪を立てられる。

「ん…っ」
「あいつにこういう風に触らせたんだ?気持ちよかった?」
「え、あ、こ、紘一?」
「気持ちよかったよね。動画の中の春斗、顔も下もとろとろになってたし」

動画って……あの時撮られたやつ、紘一に見られたのか!?

かっと顔が熱くなる。恥ずかしさで思わず、胸を這う紘一の腕を拒否するように袖を引っ張った。おとなしく離れていったと思ったら、いきなり肩を押される。

ベッドに倒れた俺の足を跨いで、紘一が迫ってくる。

「なんで俺だと嫌がるの?もしかして、蓮のことが好きになっちゃった?」
「そんなわけないでしょ。俺は……紘一の、番なんだから」
「じゃあ、服を脱いで。足を広げてくれる」

とん、と胸を人さし指で押される。俺はギョッとして、その指の主を見た。

「な、んでそんな。今はもう発情してないよ」
「俺が見たいだけなんだけど。それとも、俺に見られるのが嫌なの?」

嫌というより恥ずかしい。じりじりと追い詰められ、ごくりと唾を飲み込む。こんな雰囲気の紘一は初めてだ。

「なんで?」という追撃に、俺は覚悟を決めた。

「うう……」

おずおずと服を脱ぐと、俺の手から服を奪った紘一が律儀に畳んでくれた。こんな状況でも律儀な奴だ。下着を脱ぐ時、躊躇しながらゆっくり下げると、緩く頭をもたげたものが目に入る。こんな状況で興奮してしまうなんて、俺の身体、おかしいんじゃないか。

もちろんそれは紘一の前にも晒されるわけで、足を閉じて隠したくなる。そんな俺の心情を察したのか、紘一にあっさり膝を割かれた。

「そんなに怖がらないでよ。風呂は入れた後って聞いたけど、本当にちゃんときれいになってるか、確認するだけだから」
「か、かくにんって」
「お尻の中、見るだけだよ」

唾で濡らされた指先が、中に入ってくる。思わず「ひっ」と声を上げた。

長いこと性行していたためか、窄まりは抵抗なく指を飲み込んでいく。大好きな番の指が気持ちよくて、自分からいいところに擦り付けた。

「ここ、たくさん俺の指を食べて、うれしそうにしてるね。春斗。えっちな汁がたくさん出てきてるよ」
「そ、そういうの言わないで」
「……ちゃんと綺麗に洗ってくれてるみたいだね。よかった」

確かめるように中を広げられて、冷たい空気を感じた。中を見られている、なんて。恥ずかしくて死にそうだ。

「は、はぁ、あ、も、もういいでしょ、確認はっ」
「自分から腰動かしてるけど、気持ちいい?自分のイイところが分かってるんだね。えらいね。でもその顔、俺以外に見せたんだって思うとイライラするなぁ」
「~~~っ、ごめんなさ、」
「謝らなくていいんだよ。ちゃんと満たしてやれなかった俺が悪いんだから。春斗は性欲が薄いんだと思ってたけど、昨日のじゃ足りてなかったんだね。もしかして今までもずっと我慢してた?だったら、ちゃんとこれからは気持ちよくしてあげないとね?」

勃起したそれを指で弾かれた。薬を飲んでいたんだからどうにか誤魔化していたけど、欲求不満だったのは確かだ。

返事に詰まっていると、なんと紘一が俺の中心を口に含んでしまった。ざらざらした舌で竿から上を舐められ、びくんと身体が跳ねる。

「びっくりしたよ。家に帰ったら、和馬が飛んできてさ。大変なことが起きたって」
「んん、んっ、そこで、しゃべったら……っ」
「気持ちいい?春斗」
「は……っんん」
「本当に?……春斗はここを触られるのが好きなんだよね。でも、後ろの方がもっと好きみたいだね。知らなかったな。俺が触るといつも怯えてたのに。……ん」

頭がちかちかして、股間を舐めている紘一の口から、じゅるりと啜る音が聞こえた。散々蓮としたはずなのに自分の身体の浅ましさが嫌になる。その間も絶えず中を刺激されて、甘い声が出る。

「もう、はなして。あ、うしろも、ぐちゃぐちゃしないで、もういい」
「だぁめ。もう2度と、他のアルファについて行かないように、全部出さないと。ほら、まだでてる」
「ひ、ああ、まってぇ、は、なんか、へんになってきた」
「それともここに、栓でもしておく?2度と誰も入れないように」

指で奥をぐんと突かれる。紘一らしからぬ発言が聞こえた気がするけど、そんな思考はすぐどこかに行ってしまった。

同時に陰茎の先っぽを強く擦られ、猛烈な快感にはくはくと息を吸った。

「鈴口が弱いよねぇ。もうイッちゃったんだ。この先っぽの穴、もっと深いところまでいじったら、気持ちよくなっちゃうのかな。あ、ここにも栓をしたら他の人の前で射精できなくなるね、浮気性な春斗にぴったりだね」
「や……っ、こわいから、やだぁ」
「そっか。春斗が怖いならやめとこうか。でも、すごく気持ちよくなれるよ?前も後ろも攻められて、おかしくなっちゃうくらい良くなるよ」
「いいっ、いらな……っ、ああ、あ、ぁぁ、やだ、でる」

執拗な攻めに前後不覚のまま、がくん、と背を逸らす。中心から温かいものが出て、シーツが濡れていくのが分かった。

「上手に潮吹きできたね。偉いね」
「……しお……?」

頬を撫でる手の感触が気持ちいい。足は広げたままがくがくしてるし、何も考えられないくらいの余韻で、睡魔が襲ってくる。度重なる刺激的な行為に、身体も心も限界が近づいていた。

震える手が髪を梳いてきたので、その腕ごと抱きしめた。

「守ってやれなくて……ごめん」

薄れる意識のなかで、紘一は苦しそうに息を吐いていた。「ごめんね」という絞り出すような声が、遠くで聞こえた。
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