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本編
17 クラゲさんの好きなものその③
「……さむい」
久々に寂しいモードに入ってしまった俺は、家に帰って早々乱暴に荷物を置いて浴室に向かった。扉を開けると、いつもと違う雰囲気の俺に、浴槽の中のクラゲさんが目を丸くしていた。すぐそこにその存在がいることが、今の俺の救いみたいなものだった。
するする服を脱いで身体もろくに洗わずに浴槽に入った。急に風呂に入ってきた俺に戸惑いつつも、彼はお湯の中に入れてくれた。
ぽたぽたと落ちた涙が、水面にぶつかった。鼻をすするとぐずぐずなって、ガキくさい。
「ユーヤ?」
風呂に入るなり泣き出した俺の周りを、クラゲさんがくるくる回っている。おろおろしながら俺に寄り添うとするそれがたまらなく愛おしくて、クラゲさんの首っぽいところに抱きついた。
腕を回してぎゅうぎゅうしながら泣いてると、触手が涙を拭ってくれた。その仕草が頭の撫でられているみたいで、気持ちよくて目を閉じる。その拍子に涙の粒がクラゲさんの身体に落ちた。
すっかり気を抜いて泣いていた、その時のことだ。情けなく目を赤くしてぐずっていると、不意打ちで顔面に触手がビダッと張り付いた。ど、どうして。
「む……むぐ……」
急に呼吸器を塞がれて、言葉も出ないほどに驚いた。抵抗することも失念していた。
思いの外すぐに触手が離れてくれて、視界が明るくなる。目を開けると、焦ったようにわたわたしてるクラゲさんが、触手を空中で所在なく揺らしていた。
泣いていたことも忘れてハテナマークを頭に浮かべてる俺に恐る恐る触手が近づいてくる。さっきよりも遥かに優しい手付きで、頬を撫でられた。
「クラゲさん?」
何だこれは。鞭のあとは飴を与えましょうってか。
珍しいクラゲさんの行動に、俺は首を傾げた。目尻に溜まった涙が頬を伝って触手を濡らすと、ぐいっと頬を拭われた。
後から知ったことだが、どうやらクラゲさんは、俺の涙を吸うのが好きらしい。触手で拭った俺の涙に思わず興奮して、顔面に張り付いてしまったのだとか。
「え、俺の涙で興奮してたの?」
そう聞いたら、すごく間が空いた後、おずおず頷かれた。じゃあ、俺がエロい事されて泣いてたときも、ずっと興奮してたの?って聞くと、無視された。無視は肯定と同じ意味なんだぞ。
やけに涙を拭われるなと思っていたけど、そういうことだったのか。もしかしたら俺を泣かすためにあんなことやそんなことをしてたんじゃないか?と思い立って、流石に身の危険を感じた。
前々から何となく気づいていたけど、クラゲさんの俺に対する執着がすごすぎる。
久々に寂しいモードに入ってしまった俺は、家に帰って早々乱暴に荷物を置いて浴室に向かった。扉を開けると、いつもと違う雰囲気の俺に、浴槽の中のクラゲさんが目を丸くしていた。すぐそこにその存在がいることが、今の俺の救いみたいなものだった。
するする服を脱いで身体もろくに洗わずに浴槽に入った。急に風呂に入ってきた俺に戸惑いつつも、彼はお湯の中に入れてくれた。
ぽたぽたと落ちた涙が、水面にぶつかった。鼻をすするとぐずぐずなって、ガキくさい。
「ユーヤ?」
風呂に入るなり泣き出した俺の周りを、クラゲさんがくるくる回っている。おろおろしながら俺に寄り添うとするそれがたまらなく愛おしくて、クラゲさんの首っぽいところに抱きついた。
腕を回してぎゅうぎゅうしながら泣いてると、触手が涙を拭ってくれた。その仕草が頭の撫でられているみたいで、気持ちよくて目を閉じる。その拍子に涙の粒がクラゲさんの身体に落ちた。
すっかり気を抜いて泣いていた、その時のことだ。情けなく目を赤くしてぐずっていると、不意打ちで顔面に触手がビダッと張り付いた。ど、どうして。
「む……むぐ……」
急に呼吸器を塞がれて、言葉も出ないほどに驚いた。抵抗することも失念していた。
思いの外すぐに触手が離れてくれて、視界が明るくなる。目を開けると、焦ったようにわたわたしてるクラゲさんが、触手を空中で所在なく揺らしていた。
泣いていたことも忘れてハテナマークを頭に浮かべてる俺に恐る恐る触手が近づいてくる。さっきよりも遥かに優しい手付きで、頬を撫でられた。
「クラゲさん?」
何だこれは。鞭のあとは飴を与えましょうってか。
珍しいクラゲさんの行動に、俺は首を傾げた。目尻に溜まった涙が頬を伝って触手を濡らすと、ぐいっと頬を拭われた。
後から知ったことだが、どうやらクラゲさんは、俺の涙を吸うのが好きらしい。触手で拭った俺の涙に思わず興奮して、顔面に張り付いてしまったのだとか。
「え、俺の涙で興奮してたの?」
そう聞いたら、すごく間が空いた後、おずおず頷かれた。じゃあ、俺がエロい事されて泣いてたときも、ずっと興奮してたの?って聞くと、無視された。無視は肯定と同じ意味なんだぞ。
やけに涙を拭われるなと思っていたけど、そういうことだったのか。もしかしたら俺を泣かすためにあんなことやそんなことをしてたんじゃないか?と思い立って、流石に身の危険を感じた。
前々から何となく気づいていたけど、クラゲさんの俺に対する執着がすごすぎる。
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