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11 軟禁
「ん……」
頬に何か柔らかいものが滑っている。輪郭をなぞるように、感触を確かめるように肌の上を這っている。ほっぺをふにっと摘まれて、重たいまぶたを上げた。
最初に目に入ったのは、光を反射するピアス。前髪の向こうから真っ黒な瞳がこっちを覗き込んでいて、その手はこっちにまっすぐ伸ばして俺のほっぺを撫でていた。
夢うつつにそれを眺めていると、バチッとおでこにデコピンされる。わりと痛みが強くて、ぼんやりした意識が一気に覚醒した。
「いった!な、なにすんの!」
「また寝ようとしてただろーが。そろそろ起きてもらうぞ」
ぱちぱち瞬きしていると、起きろと急かされたのでしぶしぶ起き上がる。周りを見渡すと知らない部屋が目に飛び込んで来て、思わず体が固まった。
「……え、ここどこ」
薄暗い部屋にベッドとサイドテーブル、他にもソファーや机がピシッと並べてある。シックな家具が揃えられてありそれ以外の余計なものは綺麗に片付けられていて、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
部屋にいるのは俺と、目の前の男の二人だけ。しんと静まった空気に包まれる。
体調は、とてもいいとは言えない状態だ。体がすごく重く、だるいのだ。特に下半身を動かすとどこからともなく鈍い痛みに襲われて、身じろぐことさえ辛かった。
「何があったか覚えているよな?」
「……あ」
ピアス男にそう聞かれて、ぶわっとさっきまでの行為が頭によぎった。
ぐらぐら揺れる電車の中で、誰かの熱い吐息を飲み込んで、自分より大きい胸元に縋り付いて……。それで、まあ、致してしまって、その後の事だ。金髪に抱えられて、電車を出て……そっからの記憶が、無い。
急に目の前が真っ暗になった気がするから、気絶してしまったのだろう。初めての行為に体が疲弊して、限界を迎えたのか。
ぐちゃぐちゃになった制服と下着を思い出す。急いで自分の体を確認すると、俺の服は柔かい素材のゆったりした部屋着に着替えさせられていた。荷物と元の服は彼らに取られてしまったのか。
「む……」
なんとなく落ち着かなくて不満げに唇を突き出していると、ツンとそこを人差し指でつつかれた。そのまま顎を捕らえられて、男の顔で視界がいっぱいになる。唇を伝って冷たい水が口の中に入ってきて、のどが渇いていた俺は与えられたそれを懸命に飲んだ。
水を全部飲み干しても口が離れてくれない。舌で味わうようにぬるぬると蹂躙されて、気持ちよさに吐息が漏れた。
「んん、………ん…は、ぁ」
口の中を一通り舐められて、ちゅっと音を立てて離れる。満足そうな顔をしている男に口を拭われた。
「飯、食えるか」
ほわんとした頭で静かに頷くと優しく頬を撫でられる。その手のひらにすり寄って心地よさに浸った。
────────
───
俺が寝ている間に連れられた部屋の窓は、カーテンが締め切っていて外の様子がわからなくなっている。辛うじて確認できるのはから隙間から漏れている太陽の光が白いこと……日が出ている時間帯ということくらいだ。
今は食事を済ませて、デザートのプリンを、所謂『あーん』で食べさせてもらっている。先程の食事でも男はこのスタイルを譲らなかったので、餌付けされてる気分だ。
食べている合間にどれくらい気絶していたのかを聞いてみると、5、6時間くらいと答えが返ってくる。
思ったよりも長く眠っていて声を出して驚いた。体感では長くて一時間程度かなと思っていたからだ。
「お前がなかなか目覚めねーから、あのストーカー野郎相当焦ってたぜ?あいつ、電車でだいぶハメ外してたからな。……お前も体辛いだろ」
「うん……あれ、その人は今どこにいるの?」
「んー、いろいろごちゃごちゃやってるうちに時間切れが来て、部下に引きずられて仕事に行った。今頃涙目になってんだろーな」
じゃあ、今は不在ってことか……。
そもそも連れ込まれたら酷く犯されるものだと思っていたから、今の呑気におやつを食べている状況も予想外だ。というか、もてなされてる、ような?
ちやほやされている自覚はあるもののどうすることもできなくて、おとなしく世話を焼かれることにした。
頬に何か柔らかいものが滑っている。輪郭をなぞるように、感触を確かめるように肌の上を這っている。ほっぺをふにっと摘まれて、重たいまぶたを上げた。
最初に目に入ったのは、光を反射するピアス。前髪の向こうから真っ黒な瞳がこっちを覗き込んでいて、その手はこっちにまっすぐ伸ばして俺のほっぺを撫でていた。
夢うつつにそれを眺めていると、バチッとおでこにデコピンされる。わりと痛みが強くて、ぼんやりした意識が一気に覚醒した。
「いった!な、なにすんの!」
「また寝ようとしてただろーが。そろそろ起きてもらうぞ」
ぱちぱち瞬きしていると、起きろと急かされたのでしぶしぶ起き上がる。周りを見渡すと知らない部屋が目に飛び込んで来て、思わず体が固まった。
「……え、ここどこ」
薄暗い部屋にベッドとサイドテーブル、他にもソファーや机がピシッと並べてある。シックな家具が揃えられてありそれ以外の余計なものは綺麗に片付けられていて、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
部屋にいるのは俺と、目の前の男の二人だけ。しんと静まった空気に包まれる。
体調は、とてもいいとは言えない状態だ。体がすごく重く、だるいのだ。特に下半身を動かすとどこからともなく鈍い痛みに襲われて、身じろぐことさえ辛かった。
「何があったか覚えているよな?」
「……あ」
ピアス男にそう聞かれて、ぶわっとさっきまでの行為が頭によぎった。
ぐらぐら揺れる電車の中で、誰かの熱い吐息を飲み込んで、自分より大きい胸元に縋り付いて……。それで、まあ、致してしまって、その後の事だ。金髪に抱えられて、電車を出て……そっからの記憶が、無い。
急に目の前が真っ暗になった気がするから、気絶してしまったのだろう。初めての行為に体が疲弊して、限界を迎えたのか。
ぐちゃぐちゃになった制服と下着を思い出す。急いで自分の体を確認すると、俺の服は柔かい素材のゆったりした部屋着に着替えさせられていた。荷物と元の服は彼らに取られてしまったのか。
「む……」
なんとなく落ち着かなくて不満げに唇を突き出していると、ツンとそこを人差し指でつつかれた。そのまま顎を捕らえられて、男の顔で視界がいっぱいになる。唇を伝って冷たい水が口の中に入ってきて、のどが渇いていた俺は与えられたそれを懸命に飲んだ。
水を全部飲み干しても口が離れてくれない。舌で味わうようにぬるぬると蹂躙されて、気持ちよさに吐息が漏れた。
「んん、………ん…は、ぁ」
口の中を一通り舐められて、ちゅっと音を立てて離れる。満足そうな顔をしている男に口を拭われた。
「飯、食えるか」
ほわんとした頭で静かに頷くと優しく頬を撫でられる。その手のひらにすり寄って心地よさに浸った。
────────
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俺が寝ている間に連れられた部屋の窓は、カーテンが締め切っていて外の様子がわからなくなっている。辛うじて確認できるのはから隙間から漏れている太陽の光が白いこと……日が出ている時間帯ということくらいだ。
今は食事を済ませて、デザートのプリンを、所謂『あーん』で食べさせてもらっている。先程の食事でも男はこのスタイルを譲らなかったので、餌付けされてる気分だ。
食べている合間にどれくらい気絶していたのかを聞いてみると、5、6時間くらいと答えが返ってくる。
思ったよりも長く眠っていて声を出して驚いた。体感では長くて一時間程度かなと思っていたからだ。
「お前がなかなか目覚めねーから、あのストーカー野郎相当焦ってたぜ?あいつ、電車でだいぶハメ外してたからな。……お前も体辛いだろ」
「うん……あれ、その人は今どこにいるの?」
「んー、いろいろごちゃごちゃやってるうちに時間切れが来て、部下に引きずられて仕事に行った。今頃涙目になってんだろーな」
じゃあ、今は不在ってことか……。
そもそも連れ込まれたら酷く犯されるものだと思っていたから、今の呑気におやつを食べている状況も予想外だ。というか、もてなされてる、ような?
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