アナニー大好きな俺が電車の中でとろとろにされる話

キルキ

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19 説得

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強い口調で言われたそれは俺を追い詰めようとするものなのに、どこか切羽詰まったものを感じた。

ここで、俺と彼の間で考えのすれ違いが起こっているんじゃ?ということに気づいた。なんというか……。俺は「家に帰りたい」と言っているのに、「あなた達からから解放されたい」っていう風に解釈されている気がする。…でも確かに今の俺の状況を顧みたら、そう考えるのが普通なのかな。

危ないことをやっていそうな彼らと深く関わるのは良くないかもな、とは薄っすら思っていたものの、俺としては会えそうなときにまた会ったらいいや、くらいに軽く思ってたし……。

というのも、無意識に思っていたことだったからなぜこんな気分になったのかはわからない。気持ちいいことをしてくれるから、という理由だけではしっくり来なかった。

脳裏に蘇ったのは、二人に言われた数々の言葉だった。意識がぼやけるくらい甘くて卑猥な言葉を浴びさせられて。それに対して体が湯だったように熱くなっていた。

あの声が聞けなくなるとしたら。……うん、寂しいかもしれない

「じゃあ、またここに来る……」
「……」
「それじゃダメ、ですか」

か細い声でそう言って、恐る恐る相手を見上げる。沈黙の時間にそわそわしていると、下腹にあった手が離れていった。

「…犯されるためにまた来るのか?はは、堕ちてきたなお前」
「うぐ……そ、そりゃえっちも好きだけど……。えーと、可愛いとか、好きとか言われると、もっと言って欲しくなるというか…。これからも二人の声を聞きたい…な?」

しどろもどろにそう言うと、「…ふーん」と軽く返された。なんか、微妙な反応だ。結構緊張して言ったことなのに。なんか拍子抜けだ。

「……一日休んでいたって聞いたから、正気の頭で今の状況の危険さにやっと気づいたかと思ったんだが。杞憂だったようだな」
「人をおかしいひとみたいに……な、なに?何か顔についてる?」

反応に納得いかなくてじとりと視線を送ったら、相手の顔に笑みが浮かんだ。そのまま見つめ返されるものだから、首を傾げる。

「わりぃ。顔真っ赤にして言うものだから、見惚れてた」
「え!?あ、赤くなってた?」

自分の頬に手をやってみると、確かに熱くなっていた。
喋るのに夢中で気づいていなかった……。ど、どんな顔してたんだろう。
蓮見から顔を背けて一人であたふたしていると、正面から腕がこちらに伸びてきた。その手は俺の頬を軽く撫でて、そのまま首筋をなぞっていく。

「ああ。……可愛いよ」
「ひぇ」

早速言われたそれに思わず変な声が出た。先程俺が言ったことをそのまま実行しているのだろうか。なんか恥ずかしい。

「いいこと聞いたなあ」と蓮見が上機嫌そうに言いながら、身体を離してくれた。ようやく壁際から開放されて安堵の息をつく。窮地は脱することができたようだ。

「……賢を説得するときのアドバイス、だったか」
「あ……うん!」

話を戻さんとばかりに切り出されたそれに強く頷いた。
よかった、協力してくれるみたいだ。

蓮見は部屋を歩きながら、腕を組んで唸りだした。

「まあ…下手に強く反発すると逆に縛られるだろうし。無理して反論しないほうが良いだろうな……」

独り言のようにそう言っているのが聞こえた。

……彼ならあの人のことよく知ってるかなと思ったけど。もしかして、難しいこと聞いてしまったかな。なんて思っていると、蓮見はすらすらと喋りだした。

「媚びる、甘える、泣き落とす。好きなやつからされたら、あいつも折れるんじゃね?たぶん」
「俺、演技はできないよ!下手だし」
「だろうな。……まあ、押してだめなら引いてみろ。駆け引きはそれで大体うまくいく」

よ、よくわからないけど。少しは演技をしながら話したほうがいいってことなのかな。あ、甘えるはともかく、泣き落としはやりきれる自信が無いのだけど。

賢と話すまでにしっかり考えておきたいものの、話す内容がなかなか形にできない。頼みの綱だった蓮見のアドバイスを上手く活用できそうにもなかった。

……まあ今は、彼が一応僕の肩を持ってくれていることにありがたく思っていたほうが良いかな。
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