猫貴族ウル・カウネールの華麗なる猫(ニャン)生

とんでもニャー太

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猫貴族の逆襲!青き薔薇と月光の密議

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「リリア、どうしてここに?」
 僕は驚きを隠せずに尋ねた。尻尾が少し揺れている。

「ウル、あなたが危ないところに足を踏み入れようとしているって感じたの」
 リリアの瞳には真剣な光が宿っていた。

 ハーバート卿が不審そうな目で僕たちを見ている。

「おや、ムーンブルーム令嬢。これは思わぬ再会ですな」

「ハーバート卿」リリアが優雅にお辞儀をする。「ウルと大切な話があるので、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」

「ほう……」ハーバート卿は少し躊躇した後、「わかりました。では、失礼します」と言って去っていった。

 二人きりになると、リリアが小声で話し始めた。

「ウル、クロフォード皇子の本当の狙いがわかったわ。教育改革案の裏に隠された真の目的が……」

「僕も聞いたんだ。アルフレッド皇子から」
 僕は耳をぴくぴくさせながら周囲を警戒する。

「そう……じゃあ、あなたも危険を承知で動いているのね」
 リリアの表情に、心配と感心が混ざっている。

「うん。僕の提案が思わぬ方向に利用されそうだから、何とかしなくちゃ」

 リリアが僕の手を取った。
「一緒に立ち向かいましょう。私たちにしかできないことがあるはず」

 その瞬間、僕の心臓が大きく跳ねた。
 リリアの手の温もりが、勇気を与えてくれる。

「そうだね。でも、どうすれば……」

 リリアが周囲を見回してから、さらに声を潜めた。
「ねえウル、明日の夜、カウネール邸の裏庭で会えない? いくつか思いついたことがあるの」

「わかった。青い薔薇の下で待ってるよ」


 ――翌日の夜。
 月明かりに照らされた庭で、僕はリリアを待っていた。
 青い薔薇が、銀色に輝いている。

「ウル、来たわ」
 リリアが静かに近づいてきた。

「よく来てくれた。誰にも気づかれなかった?」

「ええ、大丈夫よ」
 リリアが僕の隣に座る。

「それで、どんなアイデアなの?」
 僕は好奇心いっぱいの目でリリアを見つめた。

「まず、クロフォード皇子の教育改革案の詳細を把握する必要があるわ。それから……」

 リリアの説明を聞きながら、僕は次第に興奮してきた。
 彼女のプランは大胆でありながら、緻密だった。

「なるほど! つまり、僕たちが……」

「そう、私たちが本当の教育改革案を作るの。クロフォード皇子の案の問題点を指摘しつつ、より良い代替案を提示するのよ」

「でも、それだけで大丈夫かな?」
 僕は少し不安そうに耳を傾けた。

 リリアが優しく微笑んだ。
「ここからが重要なの。あなたの影響力と、私の家柄。それに、アルフレッド皇子の協力があれば、きっと道は開けるはず」

「そっか……」
 僕は深く考え込んだ。

 突然、近くの茂みがサワサワと揺れた。
 僕とリリアは驚いて振り向く。

「誰かいるの?」リリアが小声で言った。
「見てくる」

 僕は静かに茂みに近づいた。
 そして、中を覗き込むと――

「にゃっ!?」

 そこには、アルフレッド皇子が身を潜めていた。

「や、やあ、ウル君、リリアさん。素晴らしい夜だね」
 アルフレッド皇子が、照れくさそうに言った。

「皇子殿下、どうしてここに?」リリアが驚いて尋ねる。

「実は……二人の動きが気になってね。そして、今の会話も聞いてしまった」

 僕とリリアは顔を見合わせた。

「心配しないで」アルフレッド皇子が続ける。「むしろ、君たちの計画に協力したい。この国のためにも、兄上の暴走を止めなければならない」

 僕は尻尾をピンと立てて言った。
「本当ですか? それなら、私たちの計画はもっと……」

「ウル」リリアが僕の言葉を遮った。「まずは皇子殿下に、詳しい話を聞いてみましょう」

 アルフレッド皇子は頷いた。
「ああ、全てお話しよう。そして、これからどう動くべきか、一緒に考えよう」

 月明かりの下、青い薔薇に囲まれて、三人の密議が始まった。
 猫貴族、才女、そして良心的な皇子。

 彼らの新たな戦いの幕が、今まさに上がろうとしていた。
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