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チャイムが鳴った。
6限目のチャイムを聴く時はいつも少し嬉しい気持ちになる。
それは、自宅へ帰宅できる嬉しさではなく楽しみにしているフォークソング部の活動ができるからだ。
担任の先生が教室の中に入って来るのを待ち遠しく待っていた。
グラウンドを見ると、野球部やサッカー部が部活の準備を始めていた。
それを見て、さらに部活への気持ちが高ぶる。
グラウンドに咲く花や木たちは、緑の葉を赤や黄色に染めていた。
日は菜々の目に差し込もうとする程、低く沈もうとしている。
キレイな夕日の光は、どこか切ない。
だが赤やオレンジといった強い光は希望を感じさせる。
菜々は、1日の中で黄昏時が1番好きなのだ。
「ホームルーム始めるぞー」
先生が教室に入りながらそう言った。
先生は相変わらずラフな服装をしており、秋にも関わらずサンダルを履いている。上下部屋着のような服装だ。
よくこのような服装で校内を歩けるなとつくづく思う。
「文化祭が近づいてるから、部活動しっかり取り組んで気合いを入れろ!
体調管理にも気をつけるんだぞ~
俺からは以上!じゃ、お疲れ~」
「ゆるい…」
先生のゆるさには、生徒の皆でさえ驚く程のものだった。
通常は、ホームルーム終了の鐘がなってから帰宅する。
しかし、担任の千葉はそんな事はお構い無し。自分の要件が終わればホームルームは終わり。生徒には他のクラスに見つからないよう静かに帰るように言い聞かせている程だ。
(たぶんバレているが…)
逆にこのゆるさが、千葉先生の人気のある理由でもある。
千葉先生は、全てが適当という訳ではなく悩み事を相談した時には真剣に相談に乗ってくれる優しい1面もあった。
以前、進路のことで菜々は千葉に相談をしていた。
「先生、私高校卒業したら就職するか大学に行くか迷ってるんです」
「何かやりたいことでもあるのか?」
「音楽が好きなので、引き続き大学で音楽を学びたいと思っています」
「だったら、就職と悩む必要ないじゃないか」
「でも、大学はすごくお金がかかるし
音楽だったら就職しながらでも学べると思ったんです。その方がお金も貯まるし良いかなぁって」
「そうだな、お前の判断次第だが
俺は、大学で可能性を広げておいた方が良いと思うぞ」
「やっぱ、そうですかね…」
「あぁ、お前はそのひと押しが欲しかったんだろう。確かに、大学に行くにはとてもお金が掛かる、慎重に選んだことはとても良いことだよ。あやふやな気持ちで進んでしまった時、あの時こうすれば良かった、ああすれば良かったって後悔しても遅いんだ。だから、今この選択をしないといけない時に悔いのない方を自分で選ぶんだ。そうすることで、辛い事があった時でもいまこの瞬間を思い出し自分が選んだ道だから前に進むしかない。そう自分に言い聞かせて進む事が出来るんだ。辛い事があったらいつでも先生に相談しに来い、卒業したってずっと俺の大切な教え子なんだから」
「先生、ありがとう
先生の言葉にとても勇気が貰えたよ。
辛い事があったら、また千葉先生に相談するね」
「おう!」
つい最近あった出来事のためか、先生が言ってくれた言葉が鮮明に脳裏に焼き付いて残っていた。
人は見かけで判断してはいけない
こんなズボラな服装をしているけど、中を覗いてみるととても良い人だ。
きっと毎日街中ですれ違う人たちも中身を開いてみれば千葉先生のように良い人だって少なからずいるのかもしれない。
それに、一人ひとりと深く関わっていきその人のことを沢山知れるのは楽しい。
その人がこれから、自分の 人生 というストーリーの中にどんな影響を与えてくれるのだろうか、そう考えるだけで想像力が高まり心がぞくぞくとしてくる。
菜々は、カバンと背中にギターを背負い2年A組の教室を後にした。
ガラッ
「おはようございます」
「おはようございます」
部活では、このような挨拶が当たり前だ
入部した頃は、なぜ「おはようございます」なのか分からず自分の腕時計を確認した覚えがある。
その時は、朝ではない今は夕方だ。
なのに何故「おはようございます」なんだと一人ずっと考えていた。
初日は、友達を作ることや先輩との関わりなど環境に慣れることに必死でとても疲れた記憶がある。
初日の思い出というのは、何故か鮮明に残っているものだ。
さっそく、教室の隅へと足を運ばせる。
グラウンドが見える窓際のロッカー前が菜々の所定位置だ。
そこにイスを起き、あぐらをかいて座る。他人の目を遮断するかのように、自分の目の前に楽譜台と楽譜をおくのだ。
外を少し眺め、息を吸うと共に目を閉じる。息を鼻からゆっくりと吐き終わると
目もゆっくり開ける。
楽譜に目を向け、自分の世界に入り込み曲の世界観をイメージする。
そして、曲の世界に入り込んだ途端菜々のギターは素敵なメロディーを奏だすのだ。
菜々の弾くギターは、他とは違う。
曲と共に、世界へ引き込まれていってしまうのだ。
目を瞑って聴いていると、曲の世界観に入り込んだような気分に慣れる。
それと同時に、菜々のキレイで透き通った歌声が耳にスっと入ってくるのだ。
去年の文化祭では、菜々の演奏がとても人気だった。
周りを囲む人達で菜々が見えなくなってしまうほど、たくさんの人達が集まり、今の1年生は文化祭の時、菜々の演奏ぶりに感動して入部したという子も少なくない。
1曲目の演奏が終わり、次の曲の練習をするため楽譜をめくろうとした時、見覚えのあるチェックのズボンが目に入った。体はこっちを向いているようだ。顔を上げるとそこには、お昼休みに軽音楽部のボーカルをしていた茶髪の男子が立っている。
「何か?」
菜々は、少し無愛想に聞いた。
「いや、君軽音楽のライブ来てた子でしょ」
「はい」
「やっぱりね!俺もフォークソング部なんだ」
「掛け持ちですか」
「そうだよ!軽音楽部のボーカルとフォークソング部の掛け持ち!」
「すごいですね」
「ありがとう!!また来週軽音楽部のライブ来てよね!」
「大丈夫です、毎週水曜日通ってるので」
「ハハハッ、それは嬉しいなぁ
でもお目当ては須田だろー?」
「どうですかね」
「俺、最近引越ししてきてさ部活に入ったのも最近なんだよ
だけど、須田の人気はすごいみたいですぐ噂が耳に入って来たよ笑
あいつとは、あんまり関わらない方がいいぜ」
「…そうですか」
菜々は、部活を終わらせ1階の玄関で靴を履き替えていた。
外は日が落ち、すっかり真っ暗だ。
部活終わりはいつも真っ暗な外を眺めながら薄暗い玄関で靴を履き替えている。
高校の入学時に買って貰ったローファー、スニーカーの生徒も多いが高校のうちしか履けないこともあり、入学時から変わらずローファーを履いている。
膝下まで伸ばした靴下に膝上15センチくらいの短いスカート、今日は気分で赤いネクタイを付けている。
戸に手をかけ、体重を重いドアに掛けて外側へ押した。
暗い中、カバンからイヤホンを取り出しスマホへ装着、音楽再生アプリを開き、「大好きな曲」という再生リストをクリックした。
そこには15曲ほど菜々のお気に入りの曲が入っており、バラードやアニソン、ボカロ、アイドル系、洋楽など様々なジャンルの音楽がダウンロードされている。
菜々は、ほぼ毎日この15曲を繰り返し聴きながら登下校しているのだ。
「ただいま」
「おかえりなさーい」
リビングのドア越しに母の声が聴こえる
「ご飯できてるよー」
「はーい」
急いで靴を脱ぎ、リビングへと向かう
「今日の夕飯は、もしかしてハンバーグ?」
「正解!よくわかったね」
「やったー!!匂いでね笑」
「先に手洗ってね」
「はーい」
菜々は、さっそく洗面所へと向かった。
洗面所の電気を付け、洗面台の鏡に目をやる。
「髪伸びたなぁ」
菜々の髪は胸の下辺りまである。
須田先輩が髪の長い女の子が好きだという噂を耳にし、高一の夏から伸ばし始めたのだ。
洗面所で水を出し、石鹸を泡立てて手を洗った。
ついでに自分の部屋へと移動し、制服を脱ぎ捨て部屋着へと着替えた。
大好きなアーティストのライブTシャツに下はスウェットというラフスタイルだ。こんな姿須田先輩には絶対見せられないと心の中で密かに思うのであった。
「いただきます!」
お腹がペコペコだった菜々は、ハンバーグをお箸で食べやすい大きさにし口へと運んだ。
「あぁ、最高!
疲れた体に美味しいご飯は染みますなぁ」
急いで、お茶碗を手に取りホカホカのご飯をパクっと口に入れる。
ハンバーグとご飯の相性は抜群で、ハンバーグのソースがご飯に絡み口の中がパラダイス状態だ。
口の中が空になったあと、アツアツの味噌汁をすする。
ハンバーグのソースでもたついていた口の中を味噌汁が上書きするかのように入ってくる。
これもまた体に染みる味だ。
味噌汁を飲むと、日本人で良かったとまで思えるほど味噌汁は美味しい。
菜々は、幸せを感じながら夜ご飯を済ませた。
お風呂にも入り、ホカホカの状態でベッドへと飛び込む。
天井を見上げ、今日お昼休みに演奏をしていた須田先輩のことを思い浮かべる。
すると、自然と顔が緩んでしまいずっと須田先輩のことを考えてしまう。
ついでに今日部活の時話しかけてきた高瀬先輩のことも頭に浮かんできた。
高瀬先輩は、須田先輩にあまり近付かない方が良いと言っていたがあれはどういう理由だったのか?
その場では何とも思わなかったが今になって気にかかる。
単に須田先輩の周りに集る女子達を追い払いたいのだろうか。
まぁ、自分が高瀬先輩の立場に立ったら気持ちが分からないこともない。
そんな事を考えているうちに、菜々は眠りについていた。
6限目のチャイムを聴く時はいつも少し嬉しい気持ちになる。
それは、自宅へ帰宅できる嬉しさではなく楽しみにしているフォークソング部の活動ができるからだ。
担任の先生が教室の中に入って来るのを待ち遠しく待っていた。
グラウンドを見ると、野球部やサッカー部が部活の準備を始めていた。
それを見て、さらに部活への気持ちが高ぶる。
グラウンドに咲く花や木たちは、緑の葉を赤や黄色に染めていた。
日は菜々の目に差し込もうとする程、低く沈もうとしている。
キレイな夕日の光は、どこか切ない。
だが赤やオレンジといった強い光は希望を感じさせる。
菜々は、1日の中で黄昏時が1番好きなのだ。
「ホームルーム始めるぞー」
先生が教室に入りながらそう言った。
先生は相変わらずラフな服装をしており、秋にも関わらずサンダルを履いている。上下部屋着のような服装だ。
よくこのような服装で校内を歩けるなとつくづく思う。
「文化祭が近づいてるから、部活動しっかり取り組んで気合いを入れろ!
体調管理にも気をつけるんだぞ~
俺からは以上!じゃ、お疲れ~」
「ゆるい…」
先生のゆるさには、生徒の皆でさえ驚く程のものだった。
通常は、ホームルーム終了の鐘がなってから帰宅する。
しかし、担任の千葉はそんな事はお構い無し。自分の要件が終わればホームルームは終わり。生徒には他のクラスに見つからないよう静かに帰るように言い聞かせている程だ。
(たぶんバレているが…)
逆にこのゆるさが、千葉先生の人気のある理由でもある。
千葉先生は、全てが適当という訳ではなく悩み事を相談した時には真剣に相談に乗ってくれる優しい1面もあった。
以前、進路のことで菜々は千葉に相談をしていた。
「先生、私高校卒業したら就職するか大学に行くか迷ってるんです」
「何かやりたいことでもあるのか?」
「音楽が好きなので、引き続き大学で音楽を学びたいと思っています」
「だったら、就職と悩む必要ないじゃないか」
「でも、大学はすごくお金がかかるし
音楽だったら就職しながらでも学べると思ったんです。その方がお金も貯まるし良いかなぁって」
「そうだな、お前の判断次第だが
俺は、大学で可能性を広げておいた方が良いと思うぞ」
「やっぱ、そうですかね…」
「あぁ、お前はそのひと押しが欲しかったんだろう。確かに、大学に行くにはとてもお金が掛かる、慎重に選んだことはとても良いことだよ。あやふやな気持ちで進んでしまった時、あの時こうすれば良かった、ああすれば良かったって後悔しても遅いんだ。だから、今この選択をしないといけない時に悔いのない方を自分で選ぶんだ。そうすることで、辛い事があった時でもいまこの瞬間を思い出し自分が選んだ道だから前に進むしかない。そう自分に言い聞かせて進む事が出来るんだ。辛い事があったらいつでも先生に相談しに来い、卒業したってずっと俺の大切な教え子なんだから」
「先生、ありがとう
先生の言葉にとても勇気が貰えたよ。
辛い事があったら、また千葉先生に相談するね」
「おう!」
つい最近あった出来事のためか、先生が言ってくれた言葉が鮮明に脳裏に焼き付いて残っていた。
人は見かけで判断してはいけない
こんなズボラな服装をしているけど、中を覗いてみるととても良い人だ。
きっと毎日街中ですれ違う人たちも中身を開いてみれば千葉先生のように良い人だって少なからずいるのかもしれない。
それに、一人ひとりと深く関わっていきその人のことを沢山知れるのは楽しい。
その人がこれから、自分の 人生 というストーリーの中にどんな影響を与えてくれるのだろうか、そう考えるだけで想像力が高まり心がぞくぞくとしてくる。
菜々は、カバンと背中にギターを背負い2年A組の教室を後にした。
ガラッ
「おはようございます」
「おはようございます」
部活では、このような挨拶が当たり前だ
入部した頃は、なぜ「おはようございます」なのか分からず自分の腕時計を確認した覚えがある。
その時は、朝ではない今は夕方だ。
なのに何故「おはようございます」なんだと一人ずっと考えていた。
初日は、友達を作ることや先輩との関わりなど環境に慣れることに必死でとても疲れた記憶がある。
初日の思い出というのは、何故か鮮明に残っているものだ。
さっそく、教室の隅へと足を運ばせる。
グラウンドが見える窓際のロッカー前が菜々の所定位置だ。
そこにイスを起き、あぐらをかいて座る。他人の目を遮断するかのように、自分の目の前に楽譜台と楽譜をおくのだ。
外を少し眺め、息を吸うと共に目を閉じる。息を鼻からゆっくりと吐き終わると
目もゆっくり開ける。
楽譜に目を向け、自分の世界に入り込み曲の世界観をイメージする。
そして、曲の世界に入り込んだ途端菜々のギターは素敵なメロディーを奏だすのだ。
菜々の弾くギターは、他とは違う。
曲と共に、世界へ引き込まれていってしまうのだ。
目を瞑って聴いていると、曲の世界観に入り込んだような気分に慣れる。
それと同時に、菜々のキレイで透き通った歌声が耳にスっと入ってくるのだ。
去年の文化祭では、菜々の演奏がとても人気だった。
周りを囲む人達で菜々が見えなくなってしまうほど、たくさんの人達が集まり、今の1年生は文化祭の時、菜々の演奏ぶりに感動して入部したという子も少なくない。
1曲目の演奏が終わり、次の曲の練習をするため楽譜をめくろうとした時、見覚えのあるチェックのズボンが目に入った。体はこっちを向いているようだ。顔を上げるとそこには、お昼休みに軽音楽部のボーカルをしていた茶髪の男子が立っている。
「何か?」
菜々は、少し無愛想に聞いた。
「いや、君軽音楽のライブ来てた子でしょ」
「はい」
「やっぱりね!俺もフォークソング部なんだ」
「掛け持ちですか」
「そうだよ!軽音楽部のボーカルとフォークソング部の掛け持ち!」
「すごいですね」
「ありがとう!!また来週軽音楽部のライブ来てよね!」
「大丈夫です、毎週水曜日通ってるので」
「ハハハッ、それは嬉しいなぁ
でもお目当ては須田だろー?」
「どうですかね」
「俺、最近引越ししてきてさ部活に入ったのも最近なんだよ
だけど、須田の人気はすごいみたいですぐ噂が耳に入って来たよ笑
あいつとは、あんまり関わらない方がいいぜ」
「…そうですか」
菜々は、部活を終わらせ1階の玄関で靴を履き替えていた。
外は日が落ち、すっかり真っ暗だ。
部活終わりはいつも真っ暗な外を眺めながら薄暗い玄関で靴を履き替えている。
高校の入学時に買って貰ったローファー、スニーカーの生徒も多いが高校のうちしか履けないこともあり、入学時から変わらずローファーを履いている。
膝下まで伸ばした靴下に膝上15センチくらいの短いスカート、今日は気分で赤いネクタイを付けている。
戸に手をかけ、体重を重いドアに掛けて外側へ押した。
暗い中、カバンからイヤホンを取り出しスマホへ装着、音楽再生アプリを開き、「大好きな曲」という再生リストをクリックした。
そこには15曲ほど菜々のお気に入りの曲が入っており、バラードやアニソン、ボカロ、アイドル系、洋楽など様々なジャンルの音楽がダウンロードされている。
菜々は、ほぼ毎日この15曲を繰り返し聴きながら登下校しているのだ。
「ただいま」
「おかえりなさーい」
リビングのドア越しに母の声が聴こえる
「ご飯できてるよー」
「はーい」
急いで靴を脱ぎ、リビングへと向かう
「今日の夕飯は、もしかしてハンバーグ?」
「正解!よくわかったね」
「やったー!!匂いでね笑」
「先に手洗ってね」
「はーい」
菜々は、さっそく洗面所へと向かった。
洗面所の電気を付け、洗面台の鏡に目をやる。
「髪伸びたなぁ」
菜々の髪は胸の下辺りまである。
須田先輩が髪の長い女の子が好きだという噂を耳にし、高一の夏から伸ばし始めたのだ。
洗面所で水を出し、石鹸を泡立てて手を洗った。
ついでに自分の部屋へと移動し、制服を脱ぎ捨て部屋着へと着替えた。
大好きなアーティストのライブTシャツに下はスウェットというラフスタイルだ。こんな姿須田先輩には絶対見せられないと心の中で密かに思うのであった。
「いただきます!」
お腹がペコペコだった菜々は、ハンバーグをお箸で食べやすい大きさにし口へと運んだ。
「あぁ、最高!
疲れた体に美味しいご飯は染みますなぁ」
急いで、お茶碗を手に取りホカホカのご飯をパクっと口に入れる。
ハンバーグとご飯の相性は抜群で、ハンバーグのソースがご飯に絡み口の中がパラダイス状態だ。
口の中が空になったあと、アツアツの味噌汁をすする。
ハンバーグのソースでもたついていた口の中を味噌汁が上書きするかのように入ってくる。
これもまた体に染みる味だ。
味噌汁を飲むと、日本人で良かったとまで思えるほど味噌汁は美味しい。
菜々は、幸せを感じながら夜ご飯を済ませた。
お風呂にも入り、ホカホカの状態でベッドへと飛び込む。
天井を見上げ、今日お昼休みに演奏をしていた須田先輩のことを思い浮かべる。
すると、自然と顔が緩んでしまいずっと須田先輩のことを考えてしまう。
ついでに今日部活の時話しかけてきた高瀬先輩のことも頭に浮かんできた。
高瀬先輩は、須田先輩にあまり近付かない方が良いと言っていたがあれはどういう理由だったのか?
その場では何とも思わなかったが今になって気にかかる。
単に須田先輩の周りに集る女子達を追い払いたいのだろうか。
まぁ、自分が高瀬先輩の立場に立ったら気持ちが分からないこともない。
そんな事を考えているうちに、菜々は眠りについていた。
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